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周りに比べ、自分は仕事の効率が悪いようだ。一緒に飲んだ翌日、自分は遅刻したのに、同僚は朝早くから仕事をしていた――。日々の何気ない習慣を改めるだけで、そんな悩みも解消するかもしれない。

■OFFの習慣
「ジョギングは危険? 体をどう鍛えるか」

▼動くならどっち?
[A]皇居の周りを走る
[B]新宿御苑を歩く

●予防医学研究者 医学博士 石川善樹先生の場合

怒涛の1週間が終わり、やっと休息。目いっぱいリフレッシュするために、何をするべきだろうか。

「脳の緊張を解いて疲れをオフにする工夫をしてください。好きな音楽を聴いたり、お風呂に入ったり、質の高い睡眠をとったり。マインドフルネス(瞑想)も有効です」マインドフルネスの手順の最初に、姿勢をよくして、呼吸を深くする項目がある。ゆっくり吐いて、ゆっくり吸う。

「息をゆっくり吐くと脳内に二酸化炭素が増えます。脳内に二酸化炭素が増えると、幸せな気分をもたらす神経伝達物質であるセロトニンの分泌が増えてきます」

セロトニンは気分や感情の高ぶりを抑えたり、衝動的な行動を抑制したりする効果がある。脳内にこの物質が分泌されることで、ストレスやイライラが低減されるのだ。

また、時には有休をしっかり使って「攻めの休暇」をとるのも大事だ。

「ビル・ゲイツをはじめ、アメリカの有名経営者には、働き方をコーチングするエグゼクティブコーチがついています。彼らがまずやることは、経営者のスケジュールが仕事で埋まってしまう前に、まとまった休暇の日程を組むことです」

仕事から離れさせて情報をシャットアウトすることで、経営者の脳を休めさせるのだという。

「普段忙しい人ほど、脳の休息期間は必須です。休息をとることで、脳の中で情報が整理され、新たなアイデアが生まれるのです」

●帝京大学医学部 外科准教授 新見正則先生の場合

仕事がデキる人は、体調を整えるために運動を日課にしている。近年のジョギングやマラソンブームにのって、そろそろ自分も!

と思い立つ人がいるが、それは危ない、と新見氏。「張り切って、ジョギングしなくてもいい。昔運動をやっていた人ほど、加減をせずに激しくやりすぎて、膝や腰などを痛めてしまう。特に、日頃走り慣れていない人や太り気味な人がジョギングを始めるなら、ジムのトレーナーに指導してもらって、最初は走行面がゴム製のランニングマシンを使うこと」。

新見氏がすすめるのは、通勤時と同じくウオーキングだ。

「できればジムなどのプールに行けると最高ですね。プールでのウオーキングは、水圧があるうえ、冷たいので代謝が増します。転んだり、膝を痛めるといった心配もない」

ウオーキングをバカにしてはいけない。ウオーキングは、インナーマッスルを活性化して筋肉量を増やす効果がある。有酸素運動なので、体脂肪も燃やしてくれる。しかも、皮下脂肪よりメタボのもとであるお腹まわりの内臓脂肪を落としてくれる。

極めつきの効果は、これだ。

「歩くと脳の血流も改善します。下半身の筋肉は運動神経を介しているので、ウオーキングの刺激で脳の認知機能の向上・改善を期待することができます。もちろん、将来的な認知症の予防にもなります」

ウオーキングをオフの時間の習慣にすることは脳力アップ、ひいては仕事力アップにもなりそうなのだ。

「外で歩く場合は、できたら、不整地がいいです。多少のデコボコがある、公園などの砂地や芝生を歩きましょう。路面が不安定なので、自然と倒れないよう重心を維持してバランスを取るため、インナーマッスルが鍛えられやすいのです」

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予防医学研究者 医学博士 石川善樹
1981年生まれ。東京大学医学部を経て、ハーバード大学大学院修了。企業・組織の健康づくり調査・研究などを行うCampus for Hおよび、がん検診の受診率をあげる、キャンサースキャンの共同創業者。近著に『疲れない脳をつくる生活習慣―働く人のためのマインドフルネス講座。
 
帝京大学医学部 外科准教授 新見正則
1959年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、オックスフォード大学大学院に留学、98年博士課程修了。2002年より現職。医学博士。漢方も使える臨床医、移植免疫の研究者でもあり、13年イグ ノーベル賞受賞。著書に『3秒でわかる漢方ルール』『長生きしたけりゃデブがいい』ほか多数。

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(大塚常好=文)