最近、中国国内で報道されているニュースの多くが南シナ海に関するものだ。その内容は日本や米国がフィリピンに加勢し、フィリピンが申し立てた南シナ海をめぐる仲裁裁判を不公平な判決に導いたとの論調だ。(イメージ写真提供:123RF)

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 最近、中国国内で報道されているニュースの多くが南シナ海に関するものだ。その内容は日本や米国がフィリピンに加勢し、フィリピンが申し立てた南シナ海をめぐる仲裁裁判を不公平な判決に導いたとの論調だ。

 そんななか、中国メディアの外匯聨盟は、日本の金融政策や外交政策は「腹に一物ある」ものであり、「日本は他国の富で自国の債務を補填している」と主張する記事を掲載した。

 記事は、日本銀行の金融緩和政策や日本が署名した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)政策に言及し、これらは日本円を円安に誘導し、日本が国外でさらに富を得るための政策であると主張。

 日本は海外に莫大な資産を保有しており、それは対外純資産残高からも見て取れるが、円安になれば外貨建ての資産が膨れ上がることになる。実際に日本の対外純資産は円安によって14年末時点で3年連続で過去最高となった。15年末は海外からの投資が増えたことで減少に転じたが、それでも日本の対外純資産残高は世界一の規模だ。

 記事は、日本は東南アジア諸国からも莫大な富を得ていると主張し、「日本は他国の富で自国の債務を補填している」と主張、「これこそ真の通貨戦争である」と論じた。

 中国国内での報道は一般的に、日本の政策が中国に不利益になっているとの内容や、日本政府が右傾化しているとの内容が多い。しかし今回の記事は、日本の政策が東南アジアにとっても不利益をもたらしているとの内容で書かれており、日本と東南アジア諸国が連携し、親密な関係を構築することに対する中国側の苛立ちと、東南アジア諸国に対して日本との関係を再考するよう迫る意思が表れていると言えよう。日本が海外に莫大な資産を保有し、そこから莫大な富を得ているとしても、それは現地の富を搾取しているものではなく、現地に雇用などの利益を生み出しているものであり、記事の批判は的はずれでしかない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)