派遣拒否の一報を聞いてひどく落ち込んでいたという久保。夢見てきた五輪の舞台を踏むことはできるか。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 手倉森ジャパンにわずかな光明が差し込んできた。久保裕也の派遣拒否を表明したヤングボーイズとの交渉のため、スイスに飛んだ霜田正浩ナショナルチームダイレクター(ND)が帰還。現地29日、ブラジル戦の前日練習前に状況説明を行なった。
 
 ヤングボーイズのGMとのミーティングで、「条件次第では、招集に協力するというところまで差し戻してもらうことができた」(霜田ND)。ヤングボーイズは主力に故障者が続出しており、すでに開幕しているスイスリーグの2節ルガノ戦(7月30日)後に、もう一度話し合いの場を設けることになった。
 
 クラブが派遣拒否のリリースを出した当初、「非常に落ち込んでいた」(霜田ND)久保は、「ヨーロッパで活躍することが一番ですけど、このオリンピックはずっと夢見てきた大会なので出場したい」と話したという。
 
 手倉森監督が「悩みに悩み抜いて18人に絞ったメンバーなので、俺の気持ちは裕也を待ちたい」と話すように、チームとしては31日にヤングボーイズと電話かメールで交渉を行ない、可能であれば結論を出す意向。しかし、「僕らは1日でも早く来てもらいたい」(霜田ND)なかでもヤングボーイズ次第では、メンバーの入れ替えが可能なグループリーグ初戦のナイジェリアの24時間前まで待つ覚悟だ。
 
「FIFAから新しいサーキュラー(案内・通達)が回ってきて、初戦の24時間前までなら怪我でなくても(選手を)差し替えられると変わりましたので、そこまでに裕也を呼べるか、呼べなかった時に代わりをどうするということを踏まえて総合的な判断をしなければいけない」(霜田ND)
 
 わずかに可能性が復活した久保のオリンピック出場は実現するのか、手倉森ジャパンの命運を握るだけに、運命の時が待たれる。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト特派)