デパ地下ですぐ実践できるおいしいイタリアンチーズの見極め方!

古代より世界中の人々に愛される乳製品・チーズ

近年では、健康食への関心の高まりや、国際貿易網の充実に支えられて、プロセスチーズだけでなく、ナチュラルチーズを気軽に手に入れられる環境が日本国内でも整えられつつあります。

中東地域やヨーロッパを中心に、様々な原料や製法の美味しいナチュラルチーズがたくさんありますが、今回は南欧のチーズ大国イタリアに絞って、おいしいイタリアンチーズを紹介したいと思います。

また、カンタンな見極め方も覚えれば、次にデパ地下で見つけた時には迷うことなく美味しいチーズを手に入れられることでしょう!

■モッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ- Mozzarella di bufala campana

モッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ
{ CC BY-SA 3.0| Popo le Chien}

フレッシュチーズの王様モッツァレッラは、カプレーゼなどのサラダや、ピザには欠かせないチーズです。

そんなモッツァレッラの最上級とも名高いのがモッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ。イタリア南西部のカンパニア州にて、Bufala Mediterranea Italianaという名のイタリア育ちの水牛のミルクを使って製造されます。

滑らかな舌触りで有名な通常のモッツァレッラに比べて、さらに滑らかなのがモッツァレッラ・ディ・ブーファラ・カンパーナ。どれほど滑らかなのか上手く想像できないという方は、値段は少し張りますが、ぜひ一度食べてみてください。舌の上でとろけていく甘いモッツァレッラの味わいは、決して忘れられるものではありません。

種類や価格は異なりますが、“カンパーナ”を取ったモッツァレッラ・ディ・ブーファラという名前でも販売されていますので、見つからない場合はそちらをお試しください。

ちなみに、初めての方におすすめの食べ方は、“そのまま”です。

■アジアーゴ- Asiago

アジアーゴ

続いては、アジアーゴというヴェネト州出身のナチュラルチーズ。

世界史に親しんでいる人なら、第一次世界大戦中の“アジアーゴの戦い”の戦地として聞き覚えがあるかもしれません。
塩分は控えめなのでパスタやサラダなどに削っても味を邪魔せず、新鮮なものはパンのスライスに挟んで食べても美味しいです。

ヴィチェンツァ県とトレント県の全域、もしくはパドヴァ県とトレヴィーゾ県の一部で飼育されたウシから取られたミルクを使って同地域内で製造されたチーズのみが、アジアーゴの名を冠することができます。

軽くておいしいチーズを楽しみたいなら、アジアーゴはお勧めです。

■ゴルゴンゾーラ- Gorgonzola

ゴルゴンゾーラ
{CC BY-SA 3.0| Dominik Hundhammer}

イタリアのみならず世界中で名高いブルーチーズ・ゴルゴンゾーラ

日本での人気も高く、チーズの存在自体は説明するまでもないですが、豆知識なところを共有させてください。

元々はミラノ県内にある同名コムーネ・ゴルゴンゾーラにて製造が開始されました。しかし、現在ではお祭りのとき以外に同地域のゴルゴンゾーラが販売されることはなく、ロンバルディアやピエモンテのいくつかの地域で製造されるゴルゴンゾーラが市場に出回っています。

ちなみに、甘いゴルゴンゾーラ(ドルチェ/ Dolce)と辛いゴルゴンゾーラ(ピカンテ / Piccante)と言い分けることがありますが、味の違いというよりも製造方法の違いによるものです。

リゾット、パスタ、ピザ、チーズフォンデュなど、チーズを使った料理ならどこでも登場するのがブルーチーズの王様・ゴルゴンゾーラです。

■グラナ・パダーノ - Grana Padano

グラナ・パダーノ
{CC BY 3.0 |Tamorlan}

最後に紹介するのは、幅広い料理に最適なハードチーズ・グラナ・パダーノ

言い伝えによると、ミラノ近郊で1134年に誕生したとされています。現在の製造地域は、北イタリアの数州(ヴェネト、エミリアロマーニャ、ピエモンテなど)で、厳しい温度・湿度・空気循環の管理で有名です。

熟成期間は最低でも9か月、しばしば20か月以上を超えます。熟成期間中は、15日ごとに掃除され、適度に振動を与えるなどの気の長い作業が求められます。

お店で見かけた際は、ぜひ粉末状のものではなく、100グラム単位で切ってもらって自宅で削るようにしましょう。新鮮でより風味豊かです。

■最高品質のイタリアンチーズを示すDOPとPAT

“超簡単!おいしいイタリアン“サルメ”を見極める方法“の記事でも説明したのと同様に、イタリアンチーズにも品質管理と産品保護のための”目印“があります。

DOP

代表的なものは全部で2つで、1つはDOP(Denominazione di origine protetta)「保護原産地呼称」です。チーズだけでなく、サルメやワインにも適用され、EU統一の呼称・ラベル表記です。「原産地を食品名に使用しても良い」と認可された証で、厳しい登録基準を満たした製品のみ得ることができます。ちなみに、今回ご紹介したチーズは全て、DOPを取得しています。

PAT

2つ目は、PAT(Prodotti agroalimentari tradizionali italiani)で、「イタリア伝統農産品」と訳すことができるラベル表記です。

イタリア政府によって導入されたこのラベル表記は、イタリアに古くから伝わる伝統的な製造過程を経て世に出る製品を保護する役目を持ちます。

例えば、モッツェレッラ(Mozzarella)はPATを取得しています。

ナチュラルチーズのお店に立ち寄った際は、ぜひこの2つのシンボルを目印に、美味しいイタリアンチーズを見つけてみてくださいね。

以上、おいしいイタリアンチーズとカンタンな見極め方でした!

たくさんのナチュラルチーズを前に圧倒されないで、まずは今回紹介したチーズから始めてみてくださいね!

文/諸原龍之介