「キッチンベジ・タネまきはじめてセット」セットの中には必要なものがすべて揃っています【写真:山下祐司】

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道具をそろえてみよう



 科学を進歩させる新発見のしっぽをつかむには、変化に気づける観察力が欠かせません。夏休みは観察力をみがける野菜の栽培にチャレンジです。

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 夏休みの難敵といえば自由研究。「自由」という名の強制を受けてきた?世代にとっていかに早く、手をかけずに終わらせるかばかり考えていましたが、せっかくなのでサイエンスの基本の「キ」、もっとも重要な観察にレッツ・チャレンジです。

 大人と子どもが一緒に簡単に取り組め(もちろん1人でもOK)、1か月ほどで成長という変化を目の当たりにでき、そして報酬も得られる優れものが植物の栽培です。
 
 土いじりの経験がほとんどない、何も知らない初心者でも手軽に育てられるように、手を貸してくれたのは株式会社サカタのタネ・広報宣伝部長の清水俊英さん。

 直営ショップのガーデンセンター横浜を訪ねました。清水さんの自宅のベランダでは、いままさにミニトマトやナス、キュウリ、トウガラシが実をつけ、バラまで咲かせているベテランです。

 そして、もうひとつの心強い味方がサカタのタネから販売されている植物栽培の入門キット、「キッチンベジ・タネまきはじめてセット」。

 科学の進歩は素晴らしく植物のタネと土、プランター、肥料、説明書がセットになり、あとは水と太陽さえあれば(じょうろはあったほうがいいです)育てられる優れもの。インターネットでも購入できます。(タネや土、プランターなどを個別に揃えても栽培はできます)

 これからタネから育てて1ヶ月ほどで「成果を得る」という厳しい条件。

「8月の暑い時期はタネから植物を育てるのにあまり適した時期ではない」と話す清水さんのやさしく厳しい目が光ります。

 この時期に適している植物はコマツナ、西洋ふだん草などの葉っぱもの。

 たくさんの種類がある「キッチンベジ・タネまきはじめてセット」から選んだのは西洋ふだん草(スイスチャード)。はじめて聞く名前ですが赤や黄、オレンジ色のあざやかな茎に目をひかれました。

 では、スタートです。

<用意するもの>

・西洋ふだん草のタネがセットになった「キッチンベジ」
・じょうろ
・水
・手の汚れが気になる人は手袋
※このセットを使わなくとも一般に市販されている容器やタネ、培養土を使っても育てられます。

タネをまいてみよう



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 まずは培養土をプランターに入れます。後でタネのうえに土をかぶせるのですべて入れない。

 プランターのヘリから3僂曚匹旅發気泙如B海い独醂舛痢屮泪哀.鵐K」をすべてふりかけます。そして、肥料と土をよく混ぜます。

(清水さんからのアドバイス)
「土と肥料を入れたらプランターの一番下にある土を掘り返すように、しっかりと混ぜてください」

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 星の砂を大きくしたような西洋ふだん草のタネ。このタネをプランター一面に均等に散らばるように置きます。

 ただし、ナーバスになる必要はありません。多く芽が出たら後で引っこ抜いて調整できるので大丈夫です。

 一袋の半分、おおよそ30粒くらいをまきました。このタネはまくと土と見分けがつきません。

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うえからやさしく土をふりかけます。高さにしてだいたい5mmほど。

(清水さんのアドバイス)
「土をドバドバと勢いよく入れると、せっかく並べたタネが動くので優しくいれてください。

 発芽に小量の光が必要な植物もあるので、かける土の高さは5mmほどにしてください。

 水もあげることを考えて、土はプランターの縁から2〜3僂曚匹旅發気泙任砲靴討ださい」

観察しながら成長を見守ろう



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 じょうろの先端にはハス口をつけてください。水がやさしくかかります。めんどうだからとコップであげるのは御法度。なぜなら、せっかく並べたタネが移動してしまうから。

 清水さんオススメのテクニックはプランターの外でじょうろを傾けて水を出し、じょうろの先の角度を調節して勢いをセーブしてから、プランター内に水をかける方法。これなら間違いなくやさしく水をあげられます。

(清水さんのアドバイス)
「このセッティングのときにはプランターの下から水がポタポタとしたたり落ちるほどたっぷりと水を与えてください。

 葉が出てきて触ってぐらぐらしないほどしっかり根づいたらコップで水をやっても大丈夫です。もちろんやさしくしてくださいね」

 セッティングはすべて終了。10分もかかりませんでした。

 これから大切な日々のお世話です。夏休み中の収穫に間に合わない可能性もありますが、それを含めて考察して楽しみましょう。清水さんから育て方のポイントを聞きました。

ポイント  粗々のお世話〜

・できるだけ太陽光があたるところで育てる。風通しも非常に重要で不可欠です。

・タネをまいてからの2週間ほどは根は土の浅いところで成長するので、表面が乾かないように水やりに注意する。目安は少なめの量で朝と夜の1日2回。

・西洋ふだん草が成長してきたら水やりは1日1回でOK。ただし、プランターの下から水がしたたるほどたっぷりと。

(清水さんのアドバイス)
「よくある失敗例は水が少なすぎること。植物を育てるにはみなさんが思った以上に水が必要です。

 成長したら水がプランターからしたたり落ちるほどたっぷりとあげてください。その理由は水の供給以外にもあります。

 ひとつは肥料を水で溶かして吸収できるようにするため。もうひとつは土の中に酸素を含ませるため。水やりには大気中の空気を土の中に取り込ませる役割もあります。

 そして、水が通過した道は空気の通り道にもなります」

ポイント◆ 礎遏病気対策〜

・虫や病気に強い健康な植物を育てるために、日々の水やり、風通しが重要。

・虫対策には農薬か虫除けネットを使う。

(清水さんのアドバイス)
「正しく使えば農薬をいたずらに恐れる必要はありません。

 最近ではデンプンなど食品成分由来の農薬もあります。気になる人は虫よけネットを使いましょう」

ポイント 〜2回目のチャレンジ〜

・余ったタネは袋に入れたまま、開封口をテープで止めて冷蔵庫で保管。保証期間内に、なるべくはやく使い切りましょう。

・「キッチンベジ・タネまきはじめてセット」の場合、2〜3回は栽培出来る量のタネがセットされています。

(清水さんのアドバイス)
「2回目に挑戦するときには、土をほぐしてください。1回目の植物の根を取り除いて、必要であれば新しい土を足しましょう」

失敗を恐れずチャレンジしよう



〜清水さんからのメッセージ〜
「自分で育てて食べることで、嫌いな野菜を食べられるようになることもたくさんあります。

『いただきます』の意味を考える機会にもなります。毎年天気もちがうので、農家さんも小学一年生と同じ気持ちでやっていると聞きます。失敗を恐れず、育ててみてください」

●もし失敗してしまったら

清水さん
「栽培に関する本を1冊だけ購入して指示どおりに育ててください。失敗しても2回目、3回目になると必ずうまくなります。子ども向けの本も見やすくてオススメです」

●ステップアップの植物は?

清水さん
「バジルやディルなど1年性のハーブ類は比較的に簡単です。これからの季節ならコマツナ、チンゲンサイ。ハツカダイコンやカブもいいですね」

〜清水さんオススメグッズ〜

.汽法璽掘璽
どうしても作業をすると土がこぼれてしまうので、ベランダを汚さないように前もって敷くシート。四隅を立てられるので土がこぼれることもありません。

園芸用はさみ
間引きや葉っぱの収穫に必需品の園芸用のはさみ。刃渡りが短いので使いやすい。

プラスティック土入れ
土を掘ったり移動させたりと効率的に動かせます。

取材・文 山下 祐司