【格安スマホの超基本◆ 通話?それともデータ?「格安SIM」の選び方

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「格安SIM」の通信プランは、大手キャリアと比べて割安な月額料金が魅力です。しかし、一般消費者向けの格安SIMを提供する会社は30社近くあるため、通信プランの選択肢は膨大。いざ契約を検討したくても「どれを選べばわからない」と悩む人も多いことでしょう。そこで、本記事では、格安SIMを選ぶ際に必ずチェックしておきたいポイントを紹介します。

格安SIMの回線はNTTドコモ or au?

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現在、一般向けに提供されている格安SIMには、大きく分けてNTTドコモの回線を使っているものと、auの回線を使っているものの2種類があります。「mineo」のように、どちらも利用できる格安SIMでは、使用予定の端末がどちらに対応しているかを最初にチェックしましょう。なお、こちらの詳細は第3回で解説する予定です。

 

WS000101 「mineo(マイネオ)」では、NTTドコモまたはauの回線を使ったプランを選べる

 

使う予定の端末で、SIMカードのサイズをチェック

SIM(シム)カードとは、スマホで通信を利用するのに必要なICカードのこと。このカードは大きい順に「標準/マイクロ/ナノ」の3サイズがあります。現在、一般的にスマホで使われるのは「マイクロ」と「ナノ」の2種類です。

 

写真 2016-07-21 15 05 10 マイクロSIM(左)、ナノSIM(右)

 

例えば、iPhone 6sで使えるのはナノSIMのみ。SIMカードを入手するときには、まず使用する端末で使えるSIMカードのサイズを確認しましょう。一般的に、サイズ違いのSIMカードを購入してしまうと、交換するのに別途手数料が掛かります。

 

目的に応じてSIMカードの種類を見極めろ!

SIMカードは「音声通話対応・SMS対応・データ通信専用」の3種類に分けられます。それぞれ利用できる機能が異なっているので、使用目的に応じて選び分ける必要があります。

 

OCN SIMカードの機能ごとにパッケージも異なっていることがある。上記はOCNモバイルONEの例

 

各SIMカードの特徴を説明する前に、ポイントとなる下記の機能に注目しましょう。

音声通話SMSデータ通信

「音声通話」というのはいわゆる通話機能です。という番号を使って、固定電話や携帯電話宛てに発信できます。

「SMS(ショートメッセージサービス)」とは、電話番号を使って短いメールを送受信する機能です。通信量を使いすぎたり、海外旅行に行ったときなど、キャリアからお知らせ通知が届いたりしますよね。アレです。

「データ通信」とは、インターネットを利用する機能です。地図アプリで道を検索する、メールを送受信する、YouTubeで動画を視聴する、などの行為は全てデータ通信を利用しています。

さて、それではSIMカードの違いを見ていきましょう。

データ通信専用SIM

データ専用SIM_パッケージ画像 OCNモバイルONEのパッケージ(データ通信専用)

 

「データ通信専用SIM」は、その名の通り「データ通信」しか利用できません。基本的には、SIMカードに対応したタブレットや、モバイルWi-Fiルーターで使う際に選ぶとよいSIMカードです。スマホで利用する場合には、アンテナ表示に問題が起きたり、電池消費が異常に早くなったりする可能性があるので、あまりオススメできません。また、FacebookやLINEなどのサービスを使う際には、本人確認の認証が「SMS」で送られてくることが一般的ですが、データ通信専用SIMは「SMS」に対応していないので、SMSを用いた認証が行えません。

 

SMS対応データ通信専用SIM

20150327_SMS_micro_SIM_a01_MI 2_ol-01 OCNモバイルONEのパッケージ(SMS対応)

 

一方、「SMS対応SIM」はSMS機能を利用できます。データ通信専用SIMで発生する問題が解消されるので、スマホで使っても安心です。アンテナ表示や電波消費の問題は起きません。ただし、090・080・070などから始まる電話番号を使った音声通話は利用できません。通話を利用したい場合には、インターネット回線上で音声データをやりとりする「IP電話」アプリを使う必要があります。音声品質が劣り、110や119などに電話をかけられないデメリットがあります。月額利用料金は、データ通信SIMと比べると月130〜150円前後高くなります(金額は税込換算、以下同)。

 

音声通話対応SIM

音声対応SIM_パッケージ画像 OCNモバイルONEのパッケージ(音声通話対応)

 

そして、「音声通話対応SIM」では、データ通信、SMS、音声通話の全てが利用できます。データ通信SIMと比べると、月額利用料金は700円前後高くなりますが、メインの端末として利用するなら、なるべくこちらを選びましょう。

SMSや音声通話機能は、MVNOによっては「オプション」という表記で記載されており、契約時に追加選択するようになっています。しかし、入手するSIMカードは、それぞれ根本的に機能が異なるということ。購入したデータ通信専用SIMに、あとからSMS機能を付け足すことはできないので注意しましょう。

 

月額の基本料は使える高速通信の量で決まる!

格安SIMの月額料金は、使える高速通信のデータ量で決まります。音声通話対応SIMの場合、月額料金の相場は月1GB通信できるプランで1300〜1400円、3GBで1600〜1800円程度、5GBで2000〜2300円程度、7GBで2800〜2900円程度、使い放題で3000〜3300円程度となっており、頻繁に価格競争が起きています。

 

DMM mobileのサイトより、音声通話対応プランごとの月額基本料

 

ソフトバンクのwebサイトに記載された情報を参考にすると、1分あたり4MBを消費するストリーミング動画を9時間視聴すると、約2GBが消費されます。節約を重視するのか、大容量の通信を行うのか、使用スタイルに合ったプラン選択が重要です。

もし定められた通信量をオーバーすると、通信速度が低速化します。この状態では、ストリーミング動画を視聴したり、SNSでシェアされた画像を表示しづらくなります。なお、多くの格安SIMでは、追加で通信量をチャージできますが、毎月の基本料と比べると割高になるので気を付けましょう。

 

IIJmioのサイトより。低速時でも快適に使える「初速バースト」の仕組みや、通信量をチャージできるオプションについて記載されている

 

ちなみに、ここでいう高速通信とは、約3Mbps(※Mbpsは通信速度の単位)以上の速度で利用できる通信のこと(LTE・3G)。一方、低速通信は、500kbps(※kbpsは通信速度の単位で、1Mbps=1000kbps)を下回ることが一般的です。

 

余った通信量は、翌月に繰り越せる前提で選ぶべし!

格安SIMでは、使い切れなかった通信量を基本的に翌月に繰り越せます。例として、月5GBのプランを利用していて、月末までに3GBしか使えなかった場合を考えてみましょう。通信量が繰り越せる場合には、翌月に余った2GB分が上乗せされ、計7GBが利用可能。無駄なく通信量を利用できてお得です。

 

画像はIIJmioの公式サイトより。繰り越しが可能かどうかは必ずチェックしよう IIJmioのサイトより

 

昨年まではサービスによって対応・非対応の差がかなりありましたが、最近ではほとんどの格安SIMが、このような繰り越しに対応しました。新しく出てきた格安SIMや、マイナーなサービスの契約を検討する場合は、チェックしてみてください。

 

「通話定額」が最近のトレンド

従来、「格安SIMは通話料金が定額ではないので、通話を利用すると損をする」と言われてきました。しかし、最近は格安SIMでも「通話定額」のオプションを提供することが増えてきています。

 

WS000096 楽天モバイルのサイトより。「楽天でんわ」の5分かけ放題オプション

 

例えば、楽天モバイルでは「楽天でんわ・5分かけ放題オプション」を提供しています。月額918円で、5分以内の国内通話が何度でもかけ放題になるので、通話を頻繁に利用する場合にはお得です。音声通話SIMを選ぶ場合には、こうしたオプションを必ずチェックしましょう。

ただし、一回の通話に時間制限がある場合、超過分は従量制で通話料が発生します。長電話をしがちな人は、気を付けましょう。

 

WS000103 IIJmioも8月3日より通話定額オプションの受付を開始

 

ちなみに、通話定額は他にも「DTI SIM」「FREETEL」「もしもシークス」「mineo」「BIGLOBE SIM」「U-mobile」「NifMo」などの格安SIMで提供されています。ひと口に“通話定額”と言っても、専用アプリを使うものや、IP電話のものなどがあり、提供元によって料金や条件が異なるので留意してください。

 

ユニークプランも検討の価値あり

さて、ほかにも格安SIMには、下記のようにバリエーション豊かな通信プランが存在します。自分の使用スタイルに合わせて柔軟なプラン選びをすることが大切です。

日割りプラン

一日単位で通信量が定められているプラン。例えばOCNモバイルONEの110MB/日コースでは、一日あたり110MBの高速通信が利用可能です。速度制限は当日限りで、翌日になると制限が解除されます。毎日コンスタントに通信量を消費するタイプのビジネスマンにオススメ。

WS000098 日割りプランの代表例は、OCNモバイルONEの110MB/日コース

 

段階性プラン

使った通信量に合わせて料金が段階的に上がっていくプラン。例えばFREETELの「使った分だけ安心プラン」や、So-netの「0SIM」などがこれに相当します。使用頻度の少ない2台目のタブレットなどにオススメ。

 

WS000099 段階性プランの代表例は、FREETELの「使った分だけ安心プラン」

 

変則型使い放題プラン

一定時間だけ使い放題になるプラン。例えば、スマモバの「ナイトプラン」では深夜1:00から翌9:00までが通信し放題になり、それ以外の時間帯は低速化します。夜に使用頻度が高い人にオススメ。

 

WS000100 変則型使い放題プランの代表例は、スマモバの「ナイトプラン」

 

今回解説したポイントを抑えておけば、情報にあふれる格安SIMのホームページも怖くありません。自分に合った通信プランをじっくり検討してみましょう。続いて、第3回は「格安SIMはどんな端末で使えるの?」について解説します(8月5日更新予定)。

 

(文/井上 晃)

いのうえあきら/ライター いのうえあきら/ライター

スマートフォン関連の記事を中心に、スマートウォッチ、ウエアラブルデバイス、ロボットなど、多岐にわたる記事を雑誌やWebメディアへ寄稿。雑誌・ムックの編集にも携わる。モットーは「実際に触った・見た人だけが分かる情報を伝える」こと。編集プロダクション「ゴーズ」所属。