六本木にできた「宇宙の入り口」 幻想的な「宇宙と芸術展」に行ってみた
この夏、六本木に"宇宙の入り口"ができます!
森美術館(六本木ヒルズ内)で、2016年7月30日から開催される「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」です。
自称宇宙マニアの記者が、内覧会で観て体感した"壮大な宇宙ワールド"をレポートします。
宇宙好きは絶対行くべき!
このイベントのテーマは、宇宙そのものというより、人間が宇宙を信仰や研究の対象としてどのように表現してきたか、というものです。
たとえば、隕石や化石、ダ・ヴィンチやガリレオ・ガリレイ等の歴史的な天文学資料から、曼荼羅、現代アーティストによるインスタレーションや、宇宙開発の最前線に至るまで、古今東西、ジャンルを超えた約200点の出展物がそろうのです。
会場は、4つのセクションに分けられていて、どこも見どころばかりです。
セクション1ではこの展示の注目ポイントでもある「竹取物語絵巻」が展示されています。"日本最古のSF小説"ともいえるこの物語。竹から生まれた女性が、最後には月に帰るという奇想天外なストーリーは、科学が発展するはるか昔から人間が月を不思議な存在としていたからこそ生まれたのでしょう。今なおその存在が議論され続けている "宇宙人"の発想にも似ています。
ほかにも、日本初公開のレオナルド・ダヴィンチの「アトランティコ手稿」は有名な鏡文字で記されたメモで、まだ望遠鏡すらなかった時代にダ・ヴィンチが地球と月の関係を探ろうとした様子がわかります。
360度すべて宇宙!
さて、今回記者が会場を離れがたかった1番のアートを紹介します。
それが、チームラボの新作「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく - Light in Space」。
美しい光をつかった映像が360度ぐるりと囲ったスペースに映し出され、音楽と一体化するインスタレーション作品です。
真っ暗な空間に立ち、インスタレーションが始まると、その瞬間から宇宙に入り込んだような不思議な空間になるのです。
床にも映像が映し出され、まるで宙に浮いているよう。あっという間に時間は過ぎますが、余裕があればたくさん角度から見てみるのがおすすめ。視点を変えるたびに、新しい"宇宙"が目の前に広がります。
場所はカーテンの奥のスペースなので見過ごさないようにご注意を。
宇宙飛行士7人全員が亡くなった「チャレンジャー号爆発事故」
残念ですが、宇宙は楽しいことばかりではありません。
1986年、アメリカの「チャレンジャー号」は、打ち上げから73秒後に空中分解し乗っていた宇宙飛行士7人全員が亡くなりました。世界に衝撃を与えた事故なので覚えている人も多いと思います。
この「チャレンジャー号爆発事故」を受けて作られたのが、現代美術作家、トム・サックスの「ザ・クローラー」です。間近でみるとその精密さがよくわかります。サックス氏は、この作品によって宇宙飛行士の夢を叶え、想像上の銀河を旅しているそうです。
最後に。展示は眺めるだけでももちろん楽しいのですが、宇宙と人間のつながりをより強く感じたい人には、音声ガイド(550円)を使うのもおすすめです。作品がつくられた背景などをタレントの篠原ともえさんがわかりやすく解説してくれるので、イメージが湧きやすいですよ。
歴史という時間軸と宇宙という空間の両方を考えるとスケールが壮大すぎて、帰り道も興奮が冷めませんでした。今も昔も人間を魅了し続ける"宇宙"の魅力改めて感じられるので、宇宙好きは必見です。
2017年1月9日まで開催されています。
詳細は公式サイトへ。