連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第17週「常子、花山と断絶する。」第100話 7月28日(木)放送より。 
脚本:西田征史 演出: 藤並英樹


花山(唐沢寿明)のスカートは1回限りだったかー。
スカートで盛り上げた翌日は、花山がなかなか出てこなくて、あんなに誇らしげに立ち上がった「あなたの暮し」も苦境を迎えていた。常子(高畑充希)は“ためいきで充満した部屋”の空気を変えようとしたが、そのギャグは相変わらず滑っていた。
ようやく出てきた花山はバストショットが続き、スカートかスカートでないのか思わせぶり(カメラが)だったが、スカートでないことが判明し、ちょっと残念。このへんが、髪にパーマをかけスカートを着用していた異色のカリスマ編集者・花森安治はあくまで“モチーフ”だというところなのか。ただ、この回の花山のシャツは襟の感じがかなりルパシカに近づいていた。男女共用である東欧の民族衣裳・ルパシカは花森のスカート代わりになっているように思う。当時、ルパシカを着用する人はある思想を共有する知識人が多かったことからも、花山の人物像が想像できるというものだ。さりげなくすばらしい衣裳ワーク(黒澤和子さん)!

100回に突入したこの日、昭和23年秋の設定で、ちょっと浮かない出来事が描かれ続ける。甲東出版も大手に吸収されてしまった。戦中の困難も乗り越えた(休業状態ではあったが)にもかかわらず。この出版不況、現代にも通じるものがある。水田(伊藤淳史)も辞めざるを得なくなってきて・・・広告をとる選択を余儀なくされるが、花山がそれを受け容れるのか・・・で続く。

心配ごとが多い中、唯一の光は、森田屋夫婦(ピエール瀧、平岩紙)の再登場。まつ(秋野暢子)も亡くなって、いまは東京に戻って洋食屋を開くという。「おまえら誰も嫁にいってねえんだな」と今ならセクハラととがめられかねない発言をしてしまう宗吉(ピエール瀧)。「あなたの暮し」を毎号読んでいると取り出して見せたのはなぜか創刊号、ここは最新号をもっているほうが自然だと思うけれど・・・な照代(平岩)。ふたりはまたドラマにかかわってくるのだろうか。
この回、気になったのは、淘汰されていく雑誌の表紙たち。「非常事態」「情炎マダム」「桃色漫画帖」「愛楽」など色っぽい系のもののひとつと思われる一冊の「旋律」というタイトルが洒落ていた。
(木俣冬)