女性セブンの名物記者“オバ記者“こと野原広子(59才)が、世の中の腹立つトピックをぶった斬る! 今回は貧困対策と奨学金の問題を取り上げます。

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 どんなに働いても貧乏から抜け出せない“ワーキングプア”。正社員の6割の収入しかない“非正規社員”。そして“奨学金の延滞者が19万人”。

 右を向いても左を見ても、日本全国、貧困だらけ。それなのに厚生労働省は先日、平成26年は1世帯当たりの平均所得が前年比2.5%増の541万9000円で、3年ぶりに増加したと胸を張る。

「年間所得が約550万? 誰がそんな稼いでいるんだ」という声があるけど、ま、あくまで平均だから。高収入世帯も、食うや食わずの世帯も、全部まとめてガラガラポン。こんな数字、いくら眺めたって腹のタシにはなりませんって。そしたらやっぱり、収入増なのに「生活は苦しい」と答えた子育て世帯は増えている。

◆金持ちにも児童手当を支給するのはなぜ?

 それにしても政府のすることって、わかんないねえ。たとえば児童手当。0才児から3才未満の子供に1万5000円ずつ、3才から小学生までは、第1子・第2子は1万円ずつ、第3子は1万5000円。中学生は1万円支給──とここまではいいとしても、年収960万円以上の世帯にも一律5000円って何?

 政策決定をする場に、貧乏とはどういうものか、知っている人がどのくらいいるんだろう、と思う。

 貧乏のつらさは出口が見えないこと。やっと保っている誇りを、傷つけられること。お金がないことで、守りたい家族・子供に不憫な思いをさせること。生活のあらゆる場面でナーバスになるから、息をしているだけでくたびれる。

 そこに現金が降ってきたら、間違いなく特効薬になるけど、特効薬はいつまでも使い続けちゃダメでしょ。まともな政治家なら、手当を最小限にする国を目指すのがまっとうだと思うけど、違うのかしら。

◆学びたい学問もなく、「人並みに大学くらいは」ってどうよ!?

 わからないのは、“奨学金の延滞者が19万人”も同様。これだけの人が返せないって、よほどきつい金利なのかしらと調べてみたら、最大でも3%で、昨年の年利は0.6%前後だったとか。これを払う見込みがない人が、なんで大学に行くのよ。借金してまで学びたい学問があるならともかく、「人並みに大学くらいは」程度の動機と覚悟で青春を謳歌したなら、泣きごと言わずに払おうよ。

 15才から住み込み店員になって、高校に通った私は、この手の話になると、やたら鼻息が荒くなるんだわ。そういえば20代の頃、都内にビルを何棟も持っているマダムとひょんなことで親しくなって、何を見込まれたのか人生相談を持ち掛けられたの。

 その時、思ったね。お金持ちはお金で解決することはみんなして、どうにもならないことだけ手の上に乗って動かない。たとえば愛情の行き来とか、健康の浮き沈みとか。

 それは貧乏人だって同じなんだけど、「お金さえあれば」と思える余地がある。そう考えれば、貧乏も悪くないか。

※女性セブン2016年8月11日号