練習試合で早速、結果を出した興梠。「今後は収めるのは重要視しているところ」と課題も見据えた。

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 リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー男子日本代表が7月27日(日本時間28日)、直前合宿地のブラジル北東部アラカジュで同国4部セルジッペと練習試合を行ない、1-1で引き分けた。
 
 4-4-2の陣形で2トップに入ったオーバーエージ(以下OA)の興梠慎三が、開始35秒で先制点。同じOA枠の藤春広輝と塩谷司と一緒に先発した初実戦で、いきなりチームに得点をもたらした。
 
 中盤で遠藤航のパスを受けた中島翔哉が、ワンタッチで最終ラインの裏へパスを出す。これに反応した興梠が抜け出し、GKと1対1になると右足でチップキック。倒れ込むGKの上に浮かせて、五輪代表初ゴールを決めた。初の対外試合で若手に難なく合わせ「オフサイドにならないよう、遅めに走り込んだ」と冷静に見極めての得点だった。
 
 ただ、本人が「得点の時間帯が早すぎて難しくなった」と話したように、その後は劣勢が続く。4部とはいえ、身体能力に優れたブラジル人に押し込まれていく。45分の同点弾を浴びた場面も、興梠が派手に倒されながらファウルを取られず、足が止まったところを突かれた形だった。
 
 出場は前半の45分間だけ。浅野拓磨との2トップには「距離感が良くなった」と好感触だった。練習では1トップ、1.5列目に浅野が下がる形を試したが「拓磨がサイドや裏に流れるタイプなので、横にいるほうがやりやすかった。今日で、いけるなと思った」と納得。本大会に向けて「動きがかぶった部分を修正したり、(サイドハーフの中島)翔哉や(南野)拓実を、もっと使えるようになれれば」と明確な課題を口にした。
 
 まだ連係は手探り状態だが、全体としても「思ったより後ろがボールを回してくれたので、休む時間があった」と感じた。手倉森監督が築き上げてきた、ボールを奪ってから縦に速く攻めるサッカーを「奪ったら常に動きださないといけないと思っていたし、それが続けば一気に疲れる」と少なからず心配していたが「実際は休む時間を作ってもらえたし、自分としては収穫しかない」と言った。
 一方、シュートは先制点の1本だけにとどまった。「物足りないし、ワンタッチ、ツータッチでバイタルエリアを崩せなかったのは課題」。手倉森監督からも「慎三の足下やフリック狙いの一辺倒になってしまった。決まれば鋭い攻撃はできるけど、もっとコンビネーションを落とし込んでいかないと」と指摘された。
 
 そのなかで改善すべき点を問われると、興梠は、持ち味として期待されるボールキープに言及した。「今後は収めるのは重要視しているところ。もっと身体を張ってキープできれば、サイドバックも上がれたと思う。センタリングも1本くらいしかなかったと思う」。

 そう反省したうえで、30日の国際親善試合ブラジル戦について「どこまでキープできるか個人的には楽しみ。もっともっと守備に回る時間が多くなると思うけど、五輪同様、1、2本の少ないチャンスを決めないと。その点で、今日は1回のチャンスをモノにできて良かった」と手応えを語った。
 
 本大会でコンビを組む算段だった23歳以下のエースFW久保裕也が、所属のヤングボーイズ(スイス)から五輪派遣を拒否されている。クラブと日本協会が28日に交渉予定だが、事態は流動的。最悪の場合は興梠にかかる負担が一気に増す。開幕まで時間はないが、31日に30歳の誕生日を迎える最年長への期待は日に日に高まっている。