今季の女子メジャー第4戦、全英リコー女子オープン(7月28日〜31日/イングランド)が開幕した。

 今年はロンドンから北へ車で1時間半ほどの、ウォバーンGCのマーキーコースで開催される。最近はあまり聞かないコースだが、同クラブが舞台となるのは今年で10回目。ウォバーンGCには3つのコースがあって、過去9回はデュークコースで行なわれてきた。

 1976年から始まった同トーナメント。2001年からメジャー大会となったが、それまでは欧州ツアーの1戦として行なわれてきた。メジャーになる前、1984年大会では岡本綾子が優勝している。そのときの舞台が、ウォバーンGCだった。

 今年のマーキーコースは、2000年にオープンしたアメリカンタイプ。丘陵地でアップダウンが激しく、背の高い松や樫の木でコースがセパレートされている。メジャー大会となってからは、セントアンドリュースやターンベリーなど、"全英らしい"風の強いリンクスコースで行なわれてきたが、今年は例年とは趣の違った全英女子オープンとなりそうだ。

 日本勢は今年、米ツアー組から宮里藍(31歳)、横峯さくら(30歳)、宮里美香(26歳)、野村敏京(23歳)、そして日本ツアー組からは西山ゆかり(34歳)、上田桃子(30歳)、鈴木愛(22歳)、柏原明日架(20歳)と、総勢8人が出場する。


 なかでも注目されるのは、やはり日本代表としてリオデジャネイロ五輪(8月18日〜21日/ブラジル)に出場する野村。今季はツアー2勝を挙げ、賞金ランク7位と絶好調だ。

 先週も、国別対抗戦のインターナショナル・クラウンに日本チームの一員として出場し、最終日のシングルス戦で勝ち点を挙げるなど、高いレベルで調子を維持している。

「ここは木が高いので、普通の全英とは違う。(コースは)左ドッグレッグが多いから、(自分のような)ドローヒッターには有利」と、野村はパワーヒッターらしく、今大会に向けても上位進出へ自信をのぞかせる。

 全長6463ヤード(パー72)のコースは、4つあるパー5の距離が短く、すべて2オンが狙える。そこでどれだけスコアを稼げるかが、勝敗のカギを握りそう。逆にパー3はやや距離が長いため、スコアメイクのうえでは注意が必要だ。

 練習ラウンドを終えた野村が語る。

「今のような、風もないコンディションだったら、毎日3〜4アンダーは出ると思う。優勝スコアは、11アンダーぐらいになるのではないでしょうか」

 日本勢のメジャー制覇へ、誰よりも大きな期待がかかる野村。ここで結果を残して、五輪に向けても弾みをつけたいところだ。

「メジャーに勝ちたいのはみんな同じ。でも、メジャーだからといって、何も変わらない。(平常心で)がんばりますよ」

 一方、わずかな差で五輪出場を逃した宮里美香。厳しい代表争いの重圧から解放されてか、「(今は)だいぶ気持ちが楽になった」と笑みをこぼし、新たな気持ちで挑むメジャー大会での巻き返しが期待される。

「五輪のことでずっと変なプレッシャーと戦ってきて、これまではいろいろなことを背負いすぎていた。でも今は、ようやくひとつの試合に集中できる」

 とはいえ、難コースでの戦いを前にして油断はない。

「アメリカ本土のコースと似ているけど、下は硬い。そこは、イギリスのコース。毎ホール、気が抜けない」

 昨年の大会では、3日目を終えて首位と2打差の4位という好位置につけていた宮里美香。しかし最終日に伸ばせず、涙を飲んだ。今年はそのリベンジなるか、必見である。

 日本ツアー組でモチベーションが高いのは、2013年大会以来8回目の出場となる上田。今年は背中痛を抱え、出場できるかどうか微妙な状況にあったが、ギリギリで出場権を獲得した。

「(2014年から)日本に戻ってプレーし、それから自分がどれぐらいレベルアップしたのか、それともしていないのか、それを確かめるためにも(全英には)出場したかった」

 そう語った上田。もともと「全英が好き」という彼女の奮起に期待したい。

 昨年の覇者である朴仁妃(28歳/韓国)は、左親指痛で欠場。優勝候補となるのは、メジャー初戦のANAインスピレーションで優勝し、世界ランキング1位のリディア・コー(19歳/ニュージーランド)、そして同2位でメジャー第2戦の全米女子プロ選手権を制したブルック・ヘンダーソン(18歳/カナダ)。ともに今季メジャー2勝目を狙う。

 また、今季はここまで韓国勢のメジャー勝利がない。全英女子オープンでは、その韓国勢をはじめ、アジア勢の逆襲があるのかどうかも、注目される。

武川玲子●文 text by Takekawa Reiko