ウィスコンシン州ミルウォーキーにあるハーレー・ダビッドソン博物館に、サビサビのハーレー・ダビッドソン”ナイト・トレイン”が展示されているそうです。

それも手入れは行われず、朽ち果てていくままにされながら。これはどういうことなんでしょうか?

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このナイト・トレインは、2012年にカナダ・ブリティッシュコロンビア州のある島の海岸に打ち上げられたコンテナの中に入っていたそうです。ナンバープレートから、これは日本の車両ではないかと推測した現地の方が調べたところ、オーナーは日本のヨコヤマ・イクオさんという方でした。

なぜそのバイクがカナダの海岸で発見されたのか。2011年3月11日に東北地方を襲った大津波によって、ヨコヤマさんがバイクを保管していたコンテナごと海に流され、6000km以上離れた北米にたどり着いたのでした。そのニュースを伝える動画があります。

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すでにナイト・トレインはダメージを受けていました。それを受けて、ハーレー・ダビッドソン博物館のスタッフは、ヨコヤマさんに、きれいなナイト・トレインを贈ろうというオファーをします。

しかし、ヨコヤマさんはそれを断りました。

ヨコヤマさんは家族3人を含めて、多くのものをその津波で失っていたそうです。しかし、大切なものを失ったのはヨコヤマさんだけではありません。彼の友人、周囲のひとも同じように多くのものを失いました。

ヨコヤマさんは、そのナイト・トレインを、津波の犠牲者への追悼として、ハーレー・ダビッドソン博物館に展示してもらえないか、という返答をしたそうです。

ハーレー・ダビッドソン博物館では、そのナイト・トレインを引き取り、修理することはせずに、そのまま展示することにしました。塩による腐食は少しずつ進んでいるそうです。

その動画は次のページでどうぞ。

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最初にこのエピソードを知ったときには「せっかく津波を生きながらえたハーレーなんだから大事に保存してあげればいいんじゃないかな」と思いました。

でもこの動画を見て、ヨコヤマさんは、あの日海に流されたハーレーと再会するには、あまりにも多くの、もっと大事なものを失ってしまったのかな、と私なりに想像しています。

ヨコヤマさんのバイクは、ミルウォーキーのハーレー・ダビッドソン博物館で少しずつ姿を変えながら、訪れたひとに津波の恐ろしさを伝えています。

(まめ蔵)

感動!博物館にボロボロのハーレー・ダビッドソンが展示されている理由【動画】(http://clicccar.com/2016/07/28/388962/)