地元食材を使ったピザ店  日本統治時代の建物を再利用/台湾・員林

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(彰化 28日 中央社)日本統治時代に建設され、銀行として使われていた建物を再利用したピザレストランが彰化県中部・員林市にある。創意工夫を凝らし、台湾ならではの食材を取り入れた独自のピザを提供し、連日大勢の若者でにぎわっている。

台湾鉄路員林駅に近い目抜き通りにあるピザ・ファクトリー員林店。外壁にはかつてここに入居していた大手銀行「台湾省合作金庫」の文字看板が残るほか、2階には赤レンガの壁が客席から見えるように保存されている。また、1階の厨房には以前金庫があったとされる場所に分厚い壁の跡がはっきりと見て取れる。いずれも貴重な歴史の記憶だ。

同店を切り盛りする林盈孜さんによると、建物は86年前に建設。数年前から放置されて荒廃していたものの、日本統治時代の面影を色濃く残す外観に魅了され借り上げたという。内装は極力元の姿を残すように心がけ、カウンターは銀行の窓口を彷彿とさせるデザインにした。

ただ、建物は地元に住む個人が所有しており、現在も改築に関する制限がない。壁には戦後の入居者によってタイルが貼り付けられるなど原型が失われた部分もある。だが、林さんは「それも台湾の文化」と考え、変更が加えられた部分もあえて残した。銀行から飲食店へ建物の用途は変わったが、時代の移り変わりを今に伝えている。

(齊藤啓介)