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鍼灸師・若林理砂さんが、あなたの近くにいそうなキャラたちの健康相談に答えるこの連載。第3回は、酒とたばこは仕事の相棒、なベテラン編集者さんです。

○本日の患者さんの悩み「飲み会翌日の疲れがとれない」

男性、40代後半、出版社編集職:
痩せ型よりの標準体型。 飲み会が多く、アルコールを摂取しない日のほうが少ない。喫煙者。若い頃に効いた無茶が効かなくなり、疲労がとれなくなった。

さて、3回目の患者さんはバリバリ働く編集者さんですね。どうされました?

「先生、オレも歳ですかねえ。最近疲れが取れなくて。飲む量は増えてないんだけど、翌日がめちゃくちゃつらいんだよなあ……」

おや、お疲れですか。胸ポケットに見えるの、それ、タバコですね。喫煙者ですか、今時珍しい。昔わたしも喫煙者でしたけど、今のタバコって結構高いですよねえ。一日何本くらい吸われます?

「だいたい一箱ですね。飲み会があると吸う量、増えるけど」

ふむふむ、疲労がひどくなっている理由、だいたいわかってきましたよ。その症状、わたしは若い頃に経験済みです。20代でしたけど。

○タバコとお酒は悪魔の組み合わせ

「え、年取ったせいじゃないの?」

はい、「飲んだ後のだるさ」が起こるのに、年齢は関係なさそうです。こっちは後でお話しするとして、昔よりつらく感じるのは、長年の喫煙習慣で末梢血管が固くなって循環が悪くなっていて、さらに肺の機能自体が喫煙のせいで年齢なり以上に低下しているんですよ。

さっき、お酒を飲むときにタバコの量が増えるっておっしゃいましたよね?宴席の次の日、なんとなく全身が筋肉痛みたいな、だる重い感じに苛まれていませんか?……あら、図星。やはりそうでしたか。

タバコって、ニコチンが入ってるでしょう。あれは、毛細血管をキュッと縮める作用があるのですよ。逆に、アルコールは毛細血管を緩めて、パーっと広げてやる作用があるわけです。タバコ を吸って血管壁を縮めて、お酒を飲んで血管を広げて ……をずっと繰り返した結果、全身が疲労してしまったんですよ。

わたしも20代の頃、宴席の次の朝に、二日酔いとは違う妙な筋肉痛みたいな感覚があって、一体これはなんだろう……と不思議に思っていたんですね。20代の終わりに喫煙をやめたらパタッと症状が止まって、タバコを吸いながら飲んでいたのが原因だったんだってわかりました 。 体の中があっちこっち筋肉痛になったみたいなだるさは、アルコールと喫煙との複合作用で起こっていたんです。

○たばことお酒、どっちをとる?

さらに言うと、喫煙すると全身が酸欠に陥って、疲労度が増すんです。血液に酸素が含まれていない状態を引き起こすわけだから、いろんなところで新陳代謝すべきものがうまくいかなくなるの、わかりますでしょう? だから、お酒を飲みながらタバコを吸うって行為は、ホントに最悪なんですよ。

お酒かタバコか、どっちかにしたほうがいいです。わたしのオススメは、禁煙ですけどもね。

「そ、そんなぁ、手厳しいな。でも、タバコ絡みのコミュニティがあるからやめるなんて無理だよ」

タバコで常に末梢の血管がキュッと締められた状態になってると、男性は結構困ったことが起こりますよ?あっちの方がうまく立たないとか。頭髪の脱毛とか。

「え!あ、えぇっ?!そういえば最近、生え際がさみしくなってきたような……」

ね、だからタバコやめましょう? コミュニケーションは酒席でも取れますし、食事もお酒も絶対今より「味がする」ようになりますから。

○タバコがまずくなるツボ

「そ、そこまで言うなら、試してみてもいいけど、なんか禁煙が楽になるツボとかってないの?先生、鍼灸師でしょ ?」

残念ながら「禁煙に有効なツボ」ってないんだけど、依存症を治すのによく使われる耳つぼはあるんだわ。耳の図の黒く指示されている点に、米粒やビーズなどの小さな突起物を貼り付けて、吸いたくなった際に押してやります。

こうすると、タバコを吸ったとき、ひどく不味く感じるんです。依存自体を消すわけじゃないんだけど、禁煙の補助にはなると思いますよ。

では、養生してね。お大事に!

(若林理砂)