『一鬼夜行 鬼の福招き』

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 2016年7月5日(火)、大人気小説『一鬼夜行』シリーズの最新刊である『一鬼夜行 鬼の福招き』が発売された。累計25万部突破の明治人情妖怪譚シリーズ待望の第二部開幕作となる今作には「待ってました!」「即買ったぜ、読むのが楽しみ!」「サイン会当日に購入しようかと思ってて、少しの我慢。そわそわ?」と、多くのファンから注目が集まっているようだ。

 『一鬼夜行』シリーズは、1984年東京都に生まれた若手女性時代小説家・小松エメルによる作品。小松は母方にトルコ人の祖父を持つクォーターで、エメルという名前は、トルコ語で「強い、優しい、美しい」という意味を持っている。あさのあつこ、後藤竜二両選考委員の高評価を得て、ジャイブ小説大賞初の「大賞」を受賞した『一鬼夜行』で2010年にデビューした。

 古道具屋店主で妖怪も恐れるほどの閻魔顔の“人間”喜蔵と、見た目は小さな子供で可愛らしいが元・猫股の“妖怪”小春の凸凹コンビが、世の中の妖怪沙汰を解決していく笑えて泣ける『一鬼夜行』シリーズは2010年より発売開始。「人と妖怪の存在、距離感が良かった」「本当は相容れないはずなのに少しだけ重なってしまう小春と喜蔵の関係が素敵」「喜蔵と小春の会話はコントのようで楽しかった」と好評を博し、『この時代小説がすごい! 文庫書き下ろし版』では第2位にも輝いた。同シリーズは計7巻の続編がリリースされ、14年に第一部が完結。

 小松は『一鬼夜行』シリーズ以外にも、弟の体に宿った妖怪うわんによって九百九十九の妖(あやかし)たちを捕らえることを余儀なくされた名医の娘・真葛の活躍を描く『うわん』シリーズを13年から発表。「主人公の葛藤がリアルでしっかり描かれている」「一つひとつの物語で露わになる悪意と、さりげなく描かれる優しさのバランスが絶妙」「一鬼夜行に比べてシリアスだけど、これも好き」と、こちらも支持を集めた。

 さまざまな作品を発表してきた小松たが、特に注目を集めたのは、14年に発売された新選組の活躍を描いた異色の物語『夢の燈影』。新選組と言えば、近藤勇、土方歳三、沖田総司、斎藤一、藤堂平助、原田左之介、永倉新八など幹部以上の名の知れた人物の活躍を描かれることが多いのだが、同作は彼らの華々しい活躍の陰で語られることのなかった、無名隊士の人生を描いた作品。

 『夢の燈影』は6つの短編に分かれており、それぞれ一人の人間にスポットを当てて、夢、希望、そして家族と生活のようすが細やかに描写されている。作者の小松自身も「好きでいつか描いてみたい」と語っていた新選組をテーマとした作品だけあり、新選組ファンからも絶大な支持を得て「新選組モノの中で頂点に位置する作品。まさかこれ程のものが出てこようとは」「新鮮かつ色々な発見があり楽しめた、と同時に切なさも感じた。通勤電車の中で読んでいて、涙が出てきた時は隠すのが大変だった」といった感想が相次いだ。

 そんな小松が満を持して、自身の代表作『一鬼夜行』シリーズの第二部を描いた『一鬼夜行 鬼の福招き』。力を失い、強面の若商人・喜蔵の営む古道具屋に居候することになった小鬼の小春が開業した「妖怪相談処」には、様々な事件が舞い込み――というあらすじで、ファンならばこれを読んだだけでもワクワクがとまらないだろう。

 また、同作の帯についている応募券と140円分の切手で、『一鬼夜行 鬼の福招き』の後日談の書き下ろし小説が応募者全員にプレゼントされるほか、第二部スタートを記念して、7月23日(土)には渋谷の大盛堂書店で小松のトーク&サイン会を開催、とファンには嬉しいこと続きだ。さまざまな書店のTwitterでも『一鬼夜行 鬼の福招き』を推すツイートが多く、本好きの書店員も大満足のようす。未読の方は、これを機に手にとってみてはどうだろうか。

■『一鬼夜行 鬼の福招き』

著:小松エメル

発売日:2016年7月5日(火)

出版社:ポプラ社