■連載/阿部純子のトレンド探検隊

◆ビールのために開発した独自技術「スゴ泡タップ」をコーヒーに応用

 昨年あたりからアメリカでブレイクしている窒素ガスを注入して泡を立てたコーヒー「ニトロコーヒー」が日本でもいくつかのコーヒーショップから発売され、話題になりつつある。クラフトビールを提供するオールデイダイニング「スプリングバレーブルワリー(SVB)東京」では、7月27日から夏季限定(毎日10:00〜17:30)で、ニトロコーヒー『泡プレッソ Ultra Creamy Iced Coffee』(税込750円)を発売した。

ビールで使う独自技術のタップをコーヒーに応用した、最強のニトロコーヒー「泡プレッソ Ultra Creamy Iced Coffee」

 ニトロコーヒーは水出しコーヒーに窒素ガスを混ぜて作るが、「泡プレッソ」で使用されているのは、ビールに窒素ガスを含ませた泡を作り出す、独自の技術を搭載したタップ「スゴ泡タップ」(特許出願中)。通常、ビールのつけ泡は炭酸ガスを使って泡を作るが、「スゴ泡タップ」は炭酸ガスを窒素ガスに置き換えている。

 もともとビールに使うはずだった「スゴ泡タップ」だが、SVBではビールの味や温度に合う出し方を検討している段階で、まだビールには使われていない。しかし、SVBの泡に対するこだわりと知見、新技術の「スゴ泡タップ」の魅力を伝えたいと、近年高まっているコーヒーに対する本物感のニーズに対応すべく、ビールに先立ちコーヒーの「泡プレッソ」を販売することになった。

 窒素ガスを液体と混ぜるだけではなくて、圧力を高めた窒素ガスを液体に混ぜることで、非常に細かいマイクロバブルを作り出すことができる。通常のビールの泡の半分以下ぐらいの細かい泡なので口に入ったときにクリーミーさは抜群。さらに泡が細かいことで、上に浮きにくく、液中に漂っているため、長時間泡を含んだクリーミーな味が楽しめる。浮いている泡はボリュームダウンはするものの、1時間経過しても完全には消えないという。

ビールで使う独自技術のタップをコーヒーに応用した、最強のニトロコーヒー「泡プレッソ Ultra Creamy Iced Coffee」

 写真ではわかりにくいが、重なった断層のようになっている“カスケード”が細かく出ているのが特徴。ずん胴のグラスではカスケード現象が起きないそうで、シェイプした形のグラスを使っている。

ビールで使う独自技術のタップをコーヒーに応用した、最強のニトロコーヒー「泡プレッソ Ultra Creamy Iced Coffee」

◆ブラックコーヒーなのにクリーミーでほんのり甘い

 使用しているコーヒーはキーコーヒー社の「氷温熟成珈琲」。8時間ほどかけて水で抽出することで、甘い香りとまろやかな味を引き出し、そこにクリーミーな泡をのせることで、マイルドで飲みやすいコーヒーになっている。ミルクは入っていなくてもラテのようなクリーミーさで、コーヒーの苦味を適度に抑えた自然なコーヒー豆の甘みが感じられ、普段ブラックコーヒーが飲めない人でも、とても飲みやすい味になっている。ターゲットは情報感度の高い20代後半から30代の女性だが、ビール愛好者、とくに黒ビール好きの人にもぜひ試してもらいたい味だ。普段はラテやカプチーノを愛飲している人や、甘味やカロリーが気になる人にもおすすめ。

ビールで使う独自技術のタップをコーヒーに応用した、最強のニトロコーヒー「泡プレッソ Ultra Creamy Iced Coffee」

【AJの読み】ビールのようにごくごくと飲みたいアイスコーヒー

 ニトロコーヒーは他店で何度か飲んだことがあったが、こんなにもきめ細やかな泡のニトロコーヒーは初めて。飲んでみるとわかるが、泡が本当にクリームのような味わいなのだ。

 コーヒー豆のほんのりとした甘さとさっぱり感で、ごくごくと飲めるまさに夏向けのアイスコーヒー。テイクアウトは検討中とのことだが、できれば泡が立っているできたてを味わいたい。

 SVBではビールと相性の良い「ペアリング」のおすすめフードがあるが、「泡プレッソ」と一緒に楽しみたいのは、黒ビール「アフターダーク」のペアリングである「SVB特製焼きチョコレートケーキ」(税込800円)。フレークソルトをかけて食べると甘みがより感じられる温かいチョコレートケーキだが、こちらが「泡プレッソ」と相性バツグン。

ビールで使う独自技術のタップをコーヒーに応用した、最強のニトロコーヒー「泡プレッソ Ultra Creamy Iced Coffee」

 SVBで販売しているビールは注ぎ方に工夫をして泡を立てており、後のせの泡はまだ使っていないとのこと。「スゴ泡タップ」のビールへの使用は検討している状況だそうだが、やはり黒ビールの「アフターダーク」でぜひ「スゴ泡タップ」を味わってみたい。

文/阿部 純子

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