専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第58回

 日が長い季節になりますと、ゴルフはラウンドの最終スタートが14時とか、14時半に伸びて、ワンハン(1.5ラウンド)プレーが可能となります。しかも、15時からの薄暮プレーでハーフラウンドができたり、しまいにはナイターゴルフもあり、の世界になってきます。

 そんなわけで、今回は"ゴルフの夜遊び"と言ったらこれ、というナイターゴルフの醍醐味に迫ってみたいと思います。

 話はよく聞いていると思いますが、意外と知られていない世界です。この機会に情報を蓄えておくのも悪くないのではないしょうか。

 過去、私がナイターゴルフに行ったのは、千葉や神奈川のコースです。そのつど、しっかり18ホールラウンドしましたよ。夏の暑い盛りであったにもかかわらず、とても涼しくプレーできたのが印象的でした。

 まず、ナイターゴルフに関する質問で、友だちによく聞かれるのが次のようなことです。

「ボールはよく見えるのか? そして、ちゃんと当たるのか?」

 みなさん、必ずと言っていいほど聞いてきます。で、答えから言いますと、昼間とはやや違ったニュアンスのプレーとなり、最初は戸惑うこともあります。

 以前、練習もしないでいきなりプレーしたとき、最初のホールはダフりまくって、ゴルフにならなかったです。ボールは見えているのですが、いざ立って構えると、打ちづらいのです。やる前は「夜の練習場と一緒じゃん」と思っていたのですが、それよりもやや暗い感じでしょうか。

 それでも、2、3球打てば、慣れてきます。いきなりナイターゴルフをする方は、ひとホール目は練習ということで、スコアは勘定しないほうがいいかもしれませんね。

 堅実にナイターゴルフを楽しみたいなら、夕方スタートをお勧めします。ナイターとはいえ、早い時間帯を選べば、夕方のまだ明るいうちからスタートできます。そうすれば、最初はちょっと暗くなりかけの薄暮でプレーし、次第に照明が灯りはじめて、気がつくとナイターゴルフをやっていた、という感じでしょうか。これなら、自然にナイトプレーに移行できます。

 照明は、場所によってムラがあります。ですから、ボールもピンクとかオレンジとか、派手で見えやすいカラーボールを使ったほうがいいです。

 林に入って、ボールを探すのはどうでしょう。正直、探しづらいです。その場合、ローカルルールか、プライベートルールなど、ラウンド仲間とあらかじめ決めておいて、うまく対処するのが無難かと思います。あまりボールを探していると、元気な虫たちに刺されたりしますからね。

 そうそう、9月頃にナイターゴルフに行くと、虫が大合唱してお出迎えしてくれることも。その雰囲気もまた、情緒があって結構いいです。

 さて、ナイターゴルフに来られる方ですが、どのような方が多いのか。

 朝が苦手な人にとっては、福音でしょう。仕事柄、昼間に時間が取れない人にもいいかも。あと、極端な汗っかきとかね。

 個人的には、酷暑時はゴルフをしません。でも、避暑地やナイターなら、と思いますね。

 プレーしているときの気分はどうか? 優越感に浸れるのか?

 個人的な感想ですが、案外淋しく感じます。周りを見渡すと、フェアウェー以外は真っ暗です。「こんな暗い山の中に来て、オレは何をやってるんだろう......」「今頃みんな、テレビで『天才! 志村どうぶつ園』や『秘密のケンミンSHOW』なんか見ているんだろうな」なんて思ったりして、妙に家族の団らんが恋しくなります。

「淋しい」と記しましたが、それはコースの話であって、クラブハウス周りは結構にぎやかです。納涼屋台村みたいな演出をしているコースもあって、お祭りムードとなっています。自動車を運転しない方は、ビールもありますから、休憩時間に焼き鳥をつまみながら一杯とか、もろ縁日気分ですね。

 ナイタープレーは、男女2人ずつのダブルデート方式で行ったりすると、結構盛り上がります。気づくと、夜の公園を散歩している状態ですから。

 でもゴルフを終えて、次に流れていく場所も、時間も、案外ありません。ラウンド終了が21時としても、そこは郊外の山の中。家に帰るにも、1時間半くらいはかかりますか。帰宅途中、ちょっとやましいことを考えても、「明日早いから」とか言われて、終わってしまいそうです......。

 ナイターゴルフの一番つらいところは、帰り道です。高速道路に乗る頃には、22時過ぎ。友だちを送って......なんてやっていると、日付が変わっていることもあります。「もっと近くにあったら、頻繁に行くのに」って思います。

 そう考えると、新木場駅からすぐ近くの、若洲ゴルフリンクス(東京都)にナイター施設があったら最高ですね。あそこなら、夜景がきれいで淋しくないですし。

 ナイターゴルフ場を造ってくれる都知事候補がいたら、絶対に投票します!......って、なんで都知事選挙の話になっているのか。おかしいなぁ......。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa