遠くになんかある……。というワクワク感が人を動かすんだろうか。

心の奥底に澱のように溜まるもやもやを上から目線でセラピっていく「女のもやもやセラピー」。本日のテーマは「独身OLとポケモンGO」です。

7月22日から日本でも遊べるようになったポケモンGO。配信スタートから、たった数日にもかかわらず、街はTシャツ短パンの少年少女からスーツ姿のポケモントレーナーで溢れ、今や、歩きながらスマホを覗いている人は、全員ポケモンGOに興じているのではと思われても仕方がないという非常事態です。

各地ではポケモンGO事故が多発してニュースになっています。昨日の段階で盗難、暴行、事故の通報が全国で100件超えたとか。私も先週末、車を運転しているときに、手に持ったスマホをガン見しながら片手でハンドルを握って自転車を漕いでいる少年が一瞬ヨロっとしたと思ったら助手席のドアをコツンとやられて肝を冷やしました。この程度のトラブルは大量に発生しているのでしょう。

中学生のころ、毎週火曜日に週刊少年ジャンプを読みながら自転車を手放し運転をしている男の先輩がいて、カッコイー! と思ったものですが、そのころの自分を全力で殴ってやりたい。自転車はハンドルを両手でしっかり握り、進行方向はもちろん、後方左右の安全確認を絶やさずに乗るもの。ポケモンに気を取られて事故にでも遭ったら、本人もうかばれないでしょうが、こっちだって未来ある若者の命を奪いたくはありません。

今日も3階建ての駐車場の中で3匹捕まえたのですが、近所の子どもたちがこの場所に気づきませんようにと願うばかり。薄暗いし、GPSが不安定で画面に映っているのに近づけなくてウロウロ必須だし、危ない危ない。

ネットでは、「電子動物保護区 密猟者は退学」という警告をした大学や、「ポケモンとのバトルは節度を持って。ゴミを投棄したら職員とのリアルバトルが発生します」と張り紙した神社や、「ここにはポケモンはいないので面会目的の来館はご遠慮願います」というような内容のツイートをした警視庁など、小粋な注意喚起が話題です。

このように、大人は節度をもった態度で「ここではやるな」を告知することにしのぎを削り、プレイそのものは現役少年少女と少年の心を持ったまま大人になった人たちと、そして話題になってるもんにはとりあえず首を突っ込んでおきたい人(←私はココ)だけのもの。「女のもやもやセラピー」で考えるモノなし、と思っていたら担当編集女史から「ウチの後輩が神楽坂でポケモンGOナンパに遭遇した」とのタレこみが。

一般アラサーもけっこうなボリュームでポケモンGOにハマっているんだそうで、「女のもやもやセラピー」関連案件として浮上したのです。

見ず知らずの男性に「一緒にポケモン探そうよ」と声をかけられたという話を聞いて、「かわいい女の子は新しいサービスに参加するだけでチャンスが増えるものである」と改めて世の無情観にさいなまれたわけですが、動かないと何も始まらないというのは現実世界でも同じです。

自室でポケモンGOをダウンロードしたものの次に何をしていいのかわからず、おんなじ場所でクルクルと方向だけ変えているのを見ていたら、リアル自分のまんまかよ、と重苦しい気分になってしまいました。

お出かけすれば、たとえポケナン(ポケモンGOナンパの略)されることはなくとも、少なくともポケモンは捕まえられます。この「ついで感」。自意識が過剰すぎてこじらせぎみの子女の方々におきましては、自身にかけるエクスキューズの魔法としては最適じゃないでしょうか。「目的はポケモンハンティングですから」。

道端で「お茶でも」とキャッチされるときは不信感が先立ちますが、何個ボールを投げてもモンスターにかすりもせず、ただカウント数だけ消耗させている女子なら「1発で仕留めてあげるよ」と声をかけてくれる男性は救世主かもしれません。ルックスが綾野剛であればエクセレントですが、そうでなかったとしてもポケモンGOをやらなければ絶対出会えない相手であることは確実ですし、少なくともボールを手に入れるために課金しなくてすみます。

しかもポケモンGOは、ふつうに生活していたら、たとえ近所であろうとも絶対立ち寄らない場所へもいざなってくれますから、おのずと行動エリアが広がるということだけは間違いない。常日頃「いい男はどこにいるのよー」とお嘆きの独身OLのみなさんは、ポケモンGOの地図を片手に旅に出てはいかがかな。万が一、おめがねにかなう男性はいなかったとしても、トレーナーレベルは上がります。

 「合コンの出会いは直接的すぎて引く」という人にはポケモンGOコン。ポケモンを探すことが目的なら、ガツガツ感も軽減されるというもの。きっとすでにどこかの婚活会社が企画を練っているに違いありません。ポケモンGOがご縁で結婚までいきつくカップルもきっと現れ、近い将来「ポケ婚」なる言葉も生まれるでしょう。ひと組目のポケ婚カップルとして、ネットなどで紹介される「巨大ピカチュウのウエディングケーキに笑顔で入刀する新郎新婦の姿」は想像に難くありませんが、「ケーキ入刀の代わりに」と赤いボールを投げつけるという「ちょっと趣向を凝らした形」で行なわれるのかもしれない。と、どうでもいいことはいくらでも浮かびますね。

今後、ポケモンGOは独身OLのライフスタイルにもぐいぐいと食い込んでくるでしょう。ポケナン、ポケGOコン、ポケ婚以外にも、 「ポケモンいたよ!」とうっかり位置情報を公開してしまった女性に付きまとうポケストーカー、「一緒にポケモンハンターになろう」というポケローズ、上司にしつこくポケモンGOのやり方を聞かれるポケハラなどなど、枚挙にいとまがありません。なぜならポケモンは造語にするにもリズムがいいのです。そんなところもポケモンGOが社会現象になりやすい理由ではないでしょうか、というのは強引ですかね?

ポケモンGOは独身OLに新たな出会いを生み出すのか? あずき総研のインタビューはその2に続く

■プロフィール

 白玉あずき

東京都出身。清泉女子大学卒。学生時代より活字メディアに携わり、四半世紀にわたり女性のおしゃれと恋愛とダイエットについて考察、記事にする。現在は雑誌や単行本の編集、制作に加え、女性コンテンツのプロデュースやディレクションなど多分野で活動。最近の生きるテーマは社会貢献と女性支援。