手倉森流をOA組に直伝…ミーティングの成果が出た“プランB”に指揮官も笑顔

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 ディフェンスラインから攻撃を組み立ててシュートまで持ち込むハーフコートのトレーニングを終えたあと、給水タイムを取ったのち、選手たちはビブスをまとう者、まとわない者に分かれて、フルコートに散っていく。

 リオデジャネイロ・オリンピック日本代表のアラカジュ合宿5日目、ブラジル入りしてから初めてとなるフルコートによる紅白戦が行われた。

 大島僚太(川崎フロンターレ)が発熱のため、3日間続けて欠席し(スタッフによれば、熱は37度1分。回復に向かっているという)、久保裕也(ヤング・ボーイズ/スイス)もまだ合流していないため、秋葉忠宏コーチとスタッフのふたりがトレーニングパートナーの4人とともにビブス組に参加。一方、主力組と目されるビブス未着組のメンバーは以下のとおりだ。

GK:櫛引政敏(中村航輔)
DF:室屋成/塩谷司/植田直通/藤春廣輝
MF:南野拓実/遠藤航/原川力/中島翔哉
FW:浅野拓磨/興梠慎三

 2日前に行なわれたハーフコートゲームでは興梠(浦和レッズ)が1トップを、浅野(アーセナル)がトップ下を務める4−2−3−1が採用されたが、この日はふたりが前線に並んだ4−4−2が採用された。

 手倉森誠監督は2日前の練習後、「いろいろ試したい中での第一弾がこれ」と語っていたが、興梠が1トップの4−2−3−1が第一弾=プランAだとすれば、興梠と浅野を前線に並べた4−4−2は第二弾=プランBといったところだろうか。

 興梠のポストプレーを基準点にしてスピーディな攻撃を仕掛けるという狙いはプランAもプランBも変わらない。だが、興梠が最前線に張っていた2日前とは異なり、中盤に下がってきてタメを作り、中島(FC東京)や原川(川崎)とパス交換したり、サイドに流れたりする動きを披露した。

 実はこの日の午前、手倉森監督は興梠、塩谷(サンフレッチェ広島)、藤春(ガンバ大阪)の3人を呼び出し、「オーバーエイジミーティング」を開催。ホワイトボードでマグネットを動かしながら、戦術面のレクチャーが行われた。その成果について指揮官が笑みを見せる。

「慎三は一番前にいてセンターバック(CB)の間でプレーしたいようだけど、我々としてはギャップを作って、そこを使いたい。だから、『降りてきてCBを食いつかせたり、サイドバック(SB)の裏に流れたりもしてほしい』という話をしたら、彼はそれを簡単にやってくれた」

 興梠も、手倉森監督とのミーティングについて明かす。

「自分のチーム(浦和)では真ん中にいてほしいという要求があるから突っ立っているだけだけど、このチームではやることが違うので、そういう確認をしました」

 一方、塩谷と藤春には「ノーマルのブロックの守備と前から行くときと、いつどういうタイミングでやるんだということと、隣同士の距離感についての話をした」と手倉森監督は説明。塩谷は所属する広島で3バックの一角としてプレー。藤春の所属するG大阪では逆サイドから攻められたとき、SBは中央まで絞るルールがあるため、守り方の違いを確認させたというわけだ。

 その後、興梠が抜け、植田(鹿島アントラーズ)、岩波(ヴィッセル神戸)、室屋(東京)、亀川(アビスパ福岡)が加わって、DF陣だけのミーティングへと移行。前日の練習のビデオを見ながら「ラインコントロールやSBの絞り方について」(藤春)の説明を受けたという。

 27日(日本時間28日午前3:15)には、地元クラブのC.S.セルジェッペとの練習試合が予定されている。オーバーエイジを組み込んで迎える初の実戦は、こうしたトレーニング、ミーティングの成果を試す格好の機会となるはずだ。

 リオ五輪日本代表はその後、中部ゴイアニアに移動して、30日(日本時間31日午前4:30)にブラジル代表との国際親善試合を戦い、いよいよ8月4日(日本時間5日午前10:00)に北部マナウスでナイジェリアとのリオ五輪初戦を迎える。

文=飯尾篤史