リオ五輪代表を率いるシアシア監督は、P・ウタカをナイジェリア代表に「招集してくれた」人物。広島のエースは、「モチベーションを高めて100%で試合に臨めるように働きかけてくれる」とその手腕を評価した。

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 日本時間8月5日の10時に、リオ五輪のグループステージで手倉森ジャパンと対戦するナイジェリア代表。サンフレッチェ広島に所属する元ナイジェリアA代表のピーター・ウタカに、ナイジェリアのリオ五輪代表チームについて訊いた。
 
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 ナイジェリアではサッカーが一番だ。子どもたちはみんな試合を見ているし、代表の試合がある時は、街に誰もいない状態になる。ナイジェリアにとってサッカーとはそういうものだから、今回の大会もみんなが期待している。
 
 強いチームがたくさんいるし、ブラジルはナイジェリアと気候がまったく違うから、難しい戦いになるだろう。ただ、ナイジェリアのオリンピックチームは、準決勝に上がるくらいの実力を持っていると思う。まあ、どれくらい期待を持てるチームかは、初戦の日本との試合を見れば分かるはずだ。
 
 五輪で思い出すのは、やはり金メダルを獲得した96年のアトランタオリンピックだ。あの時は本当にタレントが豊富だった。カヌ、オコチャ、ダリボ・ウェストなどがいたからね。
 
 彼らのような選手が今のチームにいるかどうかは分からないけど、チームを率いるシアシア監督のことはよく知っている。私をナイジェリア代表に招集してくれたのが、当時にコーチを務めていたシアシア監督だったんだ。
 
 森保監督と同じで監督としてはまだ若いけど、すごく規律を重んじる。ただ、性格はすごくオープンで、選手の良いところを引き出す声をかけ、モチベーションを高めて100%で試合に臨めるように働きかけてくれる。私は彼の指導もあったからアフリカネーションズカップの予選でゴールを決めることができたんだ。
 
 シアシア監督はすごくオフェンシブな考え方を持っているので、きっとオフェンシブなサッカーを展開していくのではないかと思っているよ。ディフェンスは1対1で相手をマークして、それ以外の選手はオフェンスに出てくるだろう。そして、普通だったら自軍まで戻ってくるような場面でも攻撃陣は前に残っているんじゃないかな。
 攻撃は個々が力を発揮しながら、チームとしても力強くゴールへ向かっていくはずだ。ただ、ディフェンスはコミュニケーションに欠けるところもあるだろう。日本の選手たちのようにカバーし合うということはあまりなく、それよりも個人で守るというサッカーになると思う。
 
 日本との試合はフィジカル対メンタルの戦いになるはずだ。初戦ということもあって両チームにとって難しい戦いになるが、ナイジェリアはどんな状況でもフィジカルを生かしてどんどん前に出てくるはずだ。日本はそれに負けないメンタルが重要になると思うね。

文:寺田弘幸(フリーライター)