松嶋奈々子と尾野真千子の「子育てドラマ」2作が夏イチのおもしろさ

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【夏ドラマ評 木曜編】

 2016夏ドラマの木曜日は「母親」がキーワードだ。番宣で見る関西弁のサバサバ感が気持ち良い尾野真千子が、継母に。ドラマお久しぶりの松嶋菜々子は、職場復帰後、仕事と奮闘するワーキングママに。

 すでにネットでは“悲惨フラグ”が立っていると話題の夏ドラマだが、木曜だけは“推し曜日”だということを、芸能ライターのスナイパー小林がビシッと解説する。

◆あの「あんちゃん」が久々に??

はじめまして、愛してます。
(テレビ朝日/木曜21時〜/出演:尾野真千子、江口洋介)

 結婚して10年。子供がいない夫婦の元に突然現れたのは、幼児虐待を受けて心を閉ざした5歳の男の子。ただ、自宅でピアノ教室をしている梅田美奈(尾野真千子)の演奏だけには、反応を示す。そんな男の子を見て信次(江口洋介)は彼を養子に迎えようと決意。特別養子縁組によって親子になろうとする3人の行方を描く。

 脚本は「家政婦のミタ」「偽装の夫婦(いずれも日本テレビ放送)」を手がけた遊川和彦。ホームドラマ脚本の名士と言われる彼が描く新境地は、特別養子縁組。不妊が巷で話題となっている昨今、重いテーマかと思いきやそうでもない。むしろ梅田家や美奈の実家が、男の子を通して家族の「何か」を見つけていくという内容(と推測)。

 夫役の江口洋介はやたらお人好しの不動産営業マン。これが「ひとつ屋根の下(フジテレビ)」のあんちゃんとかぶる、かぶる。でも久々にあんちゃんに会えたような錯覚でいい。やたらうるさい小姑役の坂井真紀はもうこのキャラが定番化。料理ばかりしているわけでもなかった速水もこみちは、ビジュアルを活かし切ったチャラ男役。このキャスティングが実にあっぱれだなーと感心。尾野真千子が子供嫌いという役どころ、自然に演じられていて良い。すでに次週が楽しみ。

◆菜々子はやっぱり美しかった

営業部長 吉良奈津子
(フジテレビ/木曜22時〜/出演:松嶋菜々子、松田龍平、原田泰造)

 大手広告代理店のクリエイティブディレクターとして勤務していた、吉良奈津子(松嶋菜々子)。出産、育児で3年ぶりに職場復帰を果たすと、いきなり営業部の部長に異動を命じられる。慣れない仕事に、かつてのアシスタントからは冷たい扱い、部下たちとのすれ違い……。さらに育児や姑との確執と問題が続く中、負けず嫌いの性格で立ち向かう。

 アラフォーが結婚、出産、育児に奮闘する、という時代を反映した設定は共感を呼ぶんだろうなというのが第一印象だ。目が離せなかったのは、ベビーシッター役で奈津子の家庭に淡々と近づく伊藤歩の悪そうな感じ。この人、意地悪な役が本当にハマっていて怖いのがむしろ素敵。きっとストーリーをかき乱すキーパーソンになると思う。脚本があの「昼顔〜平日午後3時の恋人たち(フジテレビ系)」の井上由美子とくれば、その期待値も上昇だ。

 また、覇気もやる気もなさそうな高木啓介役に松田龍平はベストすぎる。奈津子のクリエイティブ局時代のアシスタントで、今は人気クリエイティブディレクターとなった高木。できれば奈津子に惚れてほしい……。

 松嶋菜々子も、さらりと嫌味な感じでムダに自信家な奈々子が適役。中途半端な容姿なら許せないけど、あれだけきれいだとストーリーにも溶け込んじゃうのよね。

<TEXT/スナイパー小林>
【スナイパー小林 プロフィール】
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k