不倫が原因で離婚した際に、請求できる3つ!

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不倫など痴情による男女の縺れは、いつの時代も双方で血なまぐさい議論を生む。そこでは、不倫の被害者の言い分はもちろん、不倫をはたらいた有責者からも独特の言い分が展開される。しかし、単なる不倫に終われば、大人たちによる話し合いの世界で完結する。もし不倫に加えて隠し子や非嫡出子が絡んできた日には、どうなってしまうのだろうか。地獄絵図である。先日「教えて!goo」で配信したコラム「浮気&隠し子がバレた……嫁の復讐が辛い」でも厳しい意見の応酬が見られた。

■「これでも足りない」派vs「やり過ぎだ」派

質問の背景として、質問者は不倫とそれによる隠し子が妻の知るところになり、妻から突きつけられた今後の制約という不倫の代償に耐えかねているということである。この状況に関して回答者の意見は、夫と妻のそれぞれの側につく意見で割れてしまった。

「わー!! 恐ろしい復讐ですね……。(中略)…好きになってしまったのはしょうがないですし、私はそもそも一人の人を永遠に愛し続けるというのは不可能に近い事だと思っているので浮気に対して怒り狂う人達の意味がわかりません」(natnat1107さん)

「養育費として月額10万円。どうしてこんなに払うんですか? 貴方の浮気のせいで、なんで家の収入が10万円も減るんですか。許せませんね」(ll0157さん)

といった、妻に同情する意見、夫に加担して逆上する意見と様々であるが、現状として当事者に離婚の意志がないのであれば、結婚生活は継続される。しかし、このまま結婚生活または婚姻を続けることに意味はあるのだろうか。したがって、この生活が破綻した時、妻の課したルールが実効性を失った時が、どちらかが離婚をきり出す瞬間である。そうなった時お互いの関係はどう精算されるのだろうか。

■知っておきたい不倫離婚に関する3つの請求権!

今や日本でも、結婚した夫婦でも3組に1組は離婚する時代になっている。その原因の多くは性格の不一致と、男性側の不倫、経済的理由によるものとされている。こうした事実は、離婚に関するトラブルが私たちから遠くないことを意味している。私たちは、そのつもりがなくとも備えなくてはならない。そこで、今回は不倫離婚の際に当事者間で請求できる内容について、藤沢かわせみ法律事務所代表の松永大希弁護士に解説していただいた。

「一般的に不貞行為を原因として離婚する場合、相手方に請求することができるものとしては、
(1)財産分与
(2)慰謝料
(3)年金分割が挙げられます。
財産分与は、婚姻生活中に夫婦で築き上げた財産を、離婚時に分配することです。財産分与の対象となる財産を算定する基準時は夫婦の別居時とされています。また、財産の名義が夫婦の一方の名義であったとしても、財産分与の対象になることがあります。
ただし、婚姻前に築いた財産や、相続によって取得した財産等は「特有財産」として財産分与の対象から外れますので注意が必要です。慰謝料は、離婚をすることで必ず発生するものではありませんが、不貞行為を原因として離婚する場合には、相手方に請求することができる場合が多いでしょう。慰謝料の金額は、離婚の原因、婚姻期間等の事情を総合的に考慮して決められることになります。年金分割は、婚姻期間中の厚生年金(あるいは共済年金)の夫婦の保険料納付記録を当事者間で分割する制度です」

財産分与や年金分割は、両者に分配されるものとして理解できる。しかし慰謝料も両者にそれぞれ認められているのだろうか。それとも、片方のみの慰謝料請求が通るのだろうか。

「不貞を行った当事者は有責配偶者と呼ばれていて、有責配偶者からの離婚請求は認められにくいことが多いです。同時に不倫相手に対しても、慰謝料を請求することができます。ただ、配偶者が結婚していることを隠していて、既婚者であることを不倫相手が知らなかった場合や、夫から既に十分な金額の慰謝料を受け取っていた場合、不倫相手に対して、さらに慰謝料を請求することはできません」

今回のコラムで紹介したケースの場合、慰謝料の請求権はもちろん妻の側にある。ただし、日本の離婚は破綻主義という結婚生活継続の可否に重点を置く。そのため、いくら離婚の原因を夫の不倫としても、裁判所の判断によって、その制裁である厳しいルールが結果として、結婚生活が破綻することに加担したと見なされれば、慰謝料の減額も考える必要があるだろう。

(樹木悠)

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