一発芸を仕込んだ藤春、しかし… 「誰も俺に振ってこない」

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 選手だけによる食事会が25日に開かれた。19日に千葉県内でスタートさせた合宿では、オーバーエイジが初めてチームに合流したものの歓迎会は開催されず。ようやく訪れたコミュニケーションを深める場で、リオデジャネイロ五輪代表DF藤春廣輝(G大阪)は一発芸を仕込んでいたようだが、それを見せることなく会は終わった――。

 発起人はチーム最年長となるFW興梠慎三(浦和)だった。「スタッフのいない食卓で選手だけで話すこともたくさんある。テグさん(手倉森誠監督)がそういう時間を設けてくれた」(興梠)。場所はホテル近くのシュラスコの美味しい店。長いテーブルに背番号順に座り、コミュニケーションを深めたという。

「メダルに向けてチームが一つになる会になった」(DF塩谷司)、「チームが一つになるためのきっかけになったと思う」(FW浅野拓磨)、「皆でコミュニケーションを取りながら、良い夜になったかな」(興梠)と、これから本大会を戦うチームの一体感を高めるための貴重な時間となったようだ。

 オーバーエイジの一人として招集されている藤春も、「いろんな人と喋るようにして、選手同士の距離がだいぶ縮まった。それは本当に大事なこと」とU-23世代との距離を、より縮められたことに笑顔を見せた。

 しかし、一つだけ心残りがあるようだ。オーバーエイジとして自己紹介や一発芸を振られるのではと考えていた藤春は、「振られたら何かしようと思っていた」。だが、その機会は訪れないまま、会は終わりを迎えてしまう。「誰も俺に振ってこなかったので、一発芸ができなかった。ちょっとだけやりたかった」と苦笑。果たして、藤春の一発芸はこのまま封印されてしまうのだろうか。

(取材・文 折戸岳彦)


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