神奈川県相模原市の障害者施設で26日未明、施設利用者らが次々と刺されて19人が死亡するというショッキングな事件が発生した。この情報は中国国内でもリアルタイムで報じられ、議論を呼んでいる。中には悲しいことに、「愛国」を振りかざして「ざまあみろ」とする言論もネット上では見られたようだ。(イメージ写真提供:123RF)

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 神奈川県相模原市の障害者施設で26日未明、施設利用者らが次々と刺されて19人が死亡するというショッキングな事件が発生した。この情報は中国国内でもリアルタイムで報じられ、議論を呼んでいる。中には悲しいことに、「愛国」を振りかざして「ざまあみろ」とする言論もネット上では見られたようだ。

 中国メディア・東方網は26日、「日本の福祉施設襲撃を喜ぶことが『愛国』だと言うのか」と題した文章を掲載した。文章は今回の事件に関して中国のネット上で喜ぶ声が出ていることに触れ「理性的な愛国への道がなおも遠いことが分かった」としている。

 文章は、生命は最も尊重されるべきものであり、理由もなく他人の生命を傷つける行為が責められるのは全人類に共通する道徳の最低ラインであると説明。にもかかわらず、ネット上では「祝電」が寄せられ、「犠牲者が少なすぎる」といった感想まで飛び出したと指摘し、「道徳の最低ラインすら守れない奴を、どうして『人』と呼べようか」と憤った。

 さらに、このような「人でなし」な狂気を「愛国」と定義するうえ、犠牲者に哀悼を示す人びとを「売国奴」扱いする風潮を「まさに笑止千万だ」と糾弾。「いつからわれわれの『愛国』は悪人を応援することによって表現されるようになったのか」と疑問を呈した。

 文章は、日中両国には歴史的な恩や恨みが存在し、今もなお食い違いがあることを認める一方で、「しかし、われわれが人類の持つべき最低限の良知を捨てる理由や言い訳にはならない」と主張。「もうこれ以上、『愛国』の旗印で『愛国』の2文字を汚してはならない」と締めくくっている。

 もちろん、今回の事件の情報に触れた中国国内の人びとの多くが罪を憎み、犠牲者に対する憐みの気持ちを抱いたはずだ。「そんな言論はごく一部だ」、「言いたい奴には言わせておけ」という意見もあるだろう。しかしそれでも、あまりに低レベルな「愛国行為」に嫌悪感を抱かざるを得ない。このような一部の人間の行為が、中国人全体のイメージを悪くし、民度が低いという印象を抱かせる大きな要因となっていることを、当事者たちは認識すべきだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)