「スイカの種を食べると盲腸になる」って本当?医師を直撃

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スイカがおいしい季節がやってきた。子どもの頃、兄弟や友人と種を遠くまで飛ばし合った経験がある人も多いのではないだろうか。そんな懐かしい記憶を辿った際に思い出したことがある。それはスイカの種を食べると盲腸になったり、お腹からスイカの芽が生えてくる……という嘘か本当かわからない都市伝説である。そんな不思議な説を生み出すスイカの種について、「教えて!goo」には「皆さんは、スイカの種ってどうしてますか?」という素朴な疑問が投稿されていた。

寄せられた回答を見てみると、「出します。理由:種がガリと行く感覚が嫌なので」(Ja97KGさん)という人もいたが、「問題無く飲み込みます」(noname#97419さん)、「盲腸は中学生の時に取ったので、心配していません」(wakarananさん)など、食べる派の意見が多く寄せられた。筆者は当然種を出していたので、この結果には驚きである。

だが前述した通り、スイカの種に関しては飲み込むと盲腸になると囁かれている。その一方で種を食べてしまう派が多数を占めている。盲腸になる説が本当であるならば、種を食べる派の人に教えなければならない。そこで真偽のほどを確かめるべく、医師に聞いてみることにした。

■発祥はヨーロッパ?

上本町わたなべクリニックの渡邊章範(たかのり)医師によると、この話は、ヨーロッパの古い言い伝えが元なのだそうだ。

「ヨーロッパには、ブドウの種を食べると盲腸(虫垂炎)になるという言い伝えがあるようです。ブドウの種が盲腸に入り込むことで、虫垂炎を引き起こすと考えられていました。諸説あるので真偽のほどはわかりませんが、この言い伝えが東洋に入った時、スイカの種に変わったといわれています」(渡邊医師)

盲腸と呼ばれる病気は正式には虫垂炎といい、虫垂という部分が炎症を起こした状態のことである。便が固まって石のようになったもの(糞石)が詰まると虫垂が炎症を起こすとの説があるが、糞石を種と見間違えたことがこの迷信のはじまりだともいわれている。

「ただ、糞石が本当に虫垂炎の原因となるかはまだはっきりしていません。現在では、虫垂炎は細菌などの炎症が原因で起こるのが主体で、種や糞石は少しは関係しているかもしれませんが、ほとんど関係ないとされています。昭和の時代、虫垂炎の治療は外科手術が広く行われていましたが、現在は抗生物質などの開発などにより、内科治療でほとんど完治しています」(渡邊医師)

スイカやブドウの種を食べて虫垂炎になる可能性は低いようだが、両者の関連性はまだ解明された訳ではないらしい。どうやら迷信とも言い切れないのかもしれない。

■毒にも薬にもならないスイカの種

では、種を食べてしまっても体への影響はないのだろうか?

「スイカの種には、様々な栄養素が含まれていることはわかっています。しかし、スイカの種を食べても、消化されずに便として出てくるので、栄養分は人の体に入りません。スイカの種をそのまま食べても問題はほとんどないですね。ただ、食べても栄養にもならない。つまるところそのまま食べても毒にも薬にもならないということです」(渡邊医師)

せっかく栄養が豊富な種であるが、そのまま食べても意味がないことが判明した。

「食感を考えると、食べない方が良いのかもしれませんが、間違って食べてしまっても心配ありません」(渡邊医師)

ちなみに、スイカの種を好んで食べている国もあるという。中国では、スイカの種をすりつぶして漢方薬のように使用しているとのこと。いずれにせよ今回のリサーチ結果からわかったことは、スイカの種を食べても体内からそのまま排出されるということだ。よって食べる派のみなさんはとりあえずご安心を!

(酒井理恵)

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)