『見た目だけで人を見抜く技術』(石丸賢一/PHP研究所)

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 顔の特徴は人それぞれだが、なんとなく顔の特徴と性格が一致する傾向があると思ったことはないだろうか? 実はそれは思い込みや偏見ではなく、科学的に正しい認識なのかもしれない。顔を見ただけで人の反応を予測することを可能とするこの学問は人相科学(パーソノロジー)といい、『見た目だけで人を見抜く技術』(石丸賢一/PHP研究所)では人相科学の一部が解説されている。人相科学は2万人以上を対象にした統計で85%以上の精度をたたき出した実績を持っている最新の学問だ。この学問及び本書は「他人をよく理解してよりよい人間関係を築くこと」を目的としている。

 人相は本書では3パターンに分けられている。

1.思考の法則→額(おでこ)→前頭葉

2.感情の法則→耳・眉・目→側頭葉

3.本能的行動の法則→顎・鼻・口→小脳

これら3箇所のうち、最も顔の中での比重が大きい部位がその人のタイプとなる。例えば額が広い人は感情に左右されない冷静な思考型となるわけだ。本書では25パターンに細分化されたパーツ別人相法則が解説されているが、まずはその一部を紹介しよう。必ずしも正しいわけではないということを念頭に置いた上で、とりあえずは占い感覚で見て ほしい。

・おでこが出ている→想像力・独創力が優れている(孫正義、ベッキー、デヴィ夫人など)

・丸顔→いわれのない自信を持つ傾向(みのもんた、薬師丸ひろ子、トミーズ雅など)

・耳が下にある→妥協できない性格(島田神助、やしきたかじんなど)

・目と眉の間隔が狭い→親しみやすい性格(トム・クルーズ、平井堅、布施明など)

・えらが張っている→責任者タイプ(田中角栄、片桐はいり、光浦靖子など)

・鼻先が上がっている→人を信じる傾向(小堺一機、水野美紀、竹内結子など)

・歯が出ている→秘密を隠せない傾向(明石家さんま、久本雅美、柴田理恵など)

・首が太い→肉体派になる傾向(マツコ・デラックス、松村邦洋、石塚英彦など)

 いかがだろう、自分や周りの人でこれに一致する人はいただろうか。本書では全体ページの約半分がこの25パターンの解説に当てられている。パーツの特徴を誇張したユニークなイラスト(例に挙がっている有名人のもの)も添えられており、非常にわかりやすくおもしろいものとなっているので是非読んでみてほしい。各パーツの特徴がそれぞれの性質に至る理由や当人との上手い付き合い方もしっかりと解説されているが、もちろん例外の人もいることをしっかりと理解すべきである。

 後半の章では「幸せ顔と不幸顔はあるのか」というテーマが展開されている。 人相科学的な観点だと幸せな人というのは「自分らしく生きている人」であり、それは顔に出ているらしい。不幸な人もまた同様に顔にその傾向が出ている。例えばストレスが増えると左右アンバランスな顔になったり、三白眼(さんぱくがん)【黒目が小さく白目の面積が多い】になったりするようだ。周りで元気のない人がいたら、あなたは何を基準にそれを判断するだろうか。雰囲気や空気感で察するのが大抵の場合だと思うが、やはり「元気のない顔」というの を私たちは感覚的に察知している。 人相科学に基づいた具体的な特徴はわからずとも、自然と察することができるのだ。 人相科学はある意味ではそれらを明確にしたものとも言える。

 本書のメインは前述のパーツ別解説だと思われるが、科学的な根拠は前半の章 の「男女の顔の比較」「赤ちゃん顔と大人顔の比較」という項目で解説されている。しかしこれについては非常に細かい特徴データが箇条書きで並んでいるため、興味のわいた方は是非本書を読んで理解を深めてほしいと思う。こちらもイラストつきでとてもわかりやすい内容となっているので、読んでいて飽きないはずだ。また、冒頭でも述べたが本書は「よりよい人間関係を築く」ことを目的としている。パーツ別データも全て正しいというわけではなく、偏見の材料にしてはいけないのだ。 人相科学は学問として成り立っているが、過信して人間関係にヒビを入れたりすることのないように願いたい。

文=Nas