長年“赤プリ”と呼ばれ愛されてきたあのホテルの跡地に、本日7月27日、『ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町』がオープン。

そこで完成したての館内に『東京カレンダー』ホテル担当のライター・大石智子が潜入。その全貌を撮りおろし写真とともにリポートします!



ホテルが位置するのは、同じく7月27日にオープンする複合市街地『東京ガーデンテラス 紀尾井町』の高層フロア。

つい最近まで、“赤プリ”の解体工事(2012年6月〜2013年7月)が行われていたかと思ったら、いつの間にかこんな立派なビルが…。溶けるように、徐々に静かに姿をなくした解体工事も話題を呼びましたね。



運営は前ホテルと同じプリンスホテルズ&リゾーツです。そう聞くとどうしても従来のプリンスホテルのイメージが浮かびますが、この新ホテルは、正直そのイメージを覆す別モノなのでした。




クルマ寄せに着くと、ホテル名の下に“THE LUXURY COLLECTION”の文字。実はこのホテル、スターウッドの最高級カテゴリーである「ラグジュアリーコレクション」に東京で初めて加盟したのです。



エレベーターでいよいよ36階のレセプションへ。そしてその扉が開くと…



「おぉ…、どこに来た??」となるような光景が広がります。

一瞬にしてこのホテルにかけるプリンスの気迫を感じました。近年稀にみるコンサバじゃないデザイン。宇宙船のようなミュージアムのような、アジアの景気のいい都市にいるような気持ちにもなる。従来のイメージのプリンスホテルじゃありません。

見ての通り、一番の違いはインテリアデザイン。内装は世界のさまざまな建築プロジェクトを手掛ける「ロックウェル・グループ・ヨーロッパ」が担当し、同社が日本のホテルをデザインするのはこれが初めてのことです。



「ロックウェル・グループ・ヨーロッパ」がまず本領を発揮したのが、ホテルの顔とも言えるラウンジ。天井高9mに渡る空間の両壁にグラスアーティスト・野口真理さんの作品を配し、滝のように連なるガラスの向こうにはバーカウンターと夜景を臨む巨大な窓があります。

35階に位置するバーカウンターのスツールに腰かけてみると未体験の浮遊感に包まれ、あっという間に時間が経ってしまう。巨大な額縁の内側にいるようでもあります。

そう初っ端から気分が上がりますが、この浮遊感は次に見るお部屋でも感じることに。


客室はなんと全室デイベット付き、こりゃリラックスできますね!



まずは、「グランドデラックスプレミアキング」(62屐法お部屋は全種類見ましたが、一番泊まってみたいと思ったのがここでした。部屋に区切りがない分、スイートよりもベッドルームが広くて解放的だし、ベッドが巨大な窓に向かって置かれているのもいい。



そして何より、窓際に設置されているこのデイベッドが最高!なんと約3.5mもの長さがあり、カップルが縦に寝そべることだってできてしまう。

これまで都内のホテルの窓際にソファが置かれることはあっても、これだけ長くすっきりしたデザインのデイベッドが置かれることはそうそうありません。それも窓が巨大で、無駄な窓枠がないのもいい。

ここに腰かけて外の景気を見ていたら、まるで自分が宙に浮いているような気持ちになって、完全に思考停止。だらける〜。「このままダメな人でいさせてください…」となりますよ。

近くに視界を遮るビルがないのもポイントが高く、ホテルにおいてロケーションと窓を重要視する自分にとって、まさに理想形でした。



バスルームも同じ大手町方面を臨みます。窓全開のバスタイム、なんて開放的!

そしてシャワーを浴びたあとに滑りこむシーツがまた凄い。スペイン王室御用達の“BASSOLS(バソル)”というブランドを採用しており、これは日本のホテルとしては初めて。

高品質なエジプト綿で、エントリーレベルの部屋でスレッドカウント300、スイートではなんとスレッドカウント600!(1インチの正方形の中に600本もの糸が入っているということ)。

一般家庭で使用されるシーツで120くらい、都内の限られた5つ星ホテルで300、最近オープンした大手町のあのホテルでも500だから、600は規格外です。カラダを包んだときの素肌との一体感は他に比類のないもので、裸で潜りこんだらその気持ちよさに出られなくなりそう。



と言いつつ、このホテルはパジャマやガウンにもこだわりあり。同じく高品質なエジプト綿で、カシミアのような柔らかな風合いも感じられます。だらだら読書して寝落ちするにはうってつけの肌触り。



そして、スタンダード(42屐砲らの眺めも十二分に気持ちがいい。こちらも同じく窓際にデイベッドが設置されており、ここに腰掛けたら今度はギラギラした東京の夜景に鼓舞されそうです。1泊6万円〜(日により変動あり)


注目のレストランフロアは内装がお洒落すぎる!



次はダイニングスペースをご紹介。オールデイダイニングの『オアシスガーデン』は“空中庭園”がテーマで、6:30から23:00まで通し営業です。



©Yu Nakaniwa

『オアシスガーデン』で特筆したいのが、すべてのゲストに朝食のコーヒーをハンドドリップで提供するということ。108席もあるのに凄い!

それもコーヒーハンターとして有名な川島良彰さんがプロデュースするグアテマラ産の特上豆「サン ミゲル」を使用。いい一日のスタートがきれそうです。



ちなみに『オアシスガーデン』は90度を窓に囲まれたこのコーナー席が狙い目!



そして、35階の和食『蒼天SOUTEN 』 内には、こんなSAKEバーや・・・



寿司カウンター、そして鉄板カウンター、ダイニングエリア、個室があります。



個人的にいいなと思ったのがこのふたり席。ちょっとした鉄柵があって隣の席と離れているおかげで1/4くらい個室感あり。狭い個室ってなんか窮屈で嫌じゃないですか?

ここなら35階からの眺めが超開放的だし、ふたりきりの世界も味わえ、話を聞かれることもない。ビジネストーク、口説き文句、別れ話(?)とか何でも使えそう。



『蒼天SOUTEN 』ではデザインのアクセントに氷をイメージした装飾を使用。「ロックウェル・グループ・ヨーロッパ」のデザイナーが築地市場を歩いていてヒントを得たとか。確かにこんな氷、見たことある。



そして、グッと夜遊びに使える『ザ・バー イルミード』は湾曲した天井が印象的。



こちらのシグネチャーカクテルは赤プリ時代からの名物「ゴールデンブライト」。エルダーフラワーのリキュール、バカルディ エイトなどからなるカクテルで、当時の味を再調整し復活。この一杯を考案した当時のバーテンダー・荒井誠次郎さんも11年ぶりに赤坂に戻ってきました!


やっぱり気になるプール、ジム、スパエリアもラグジュアリー!



30階はジム、プール、バス&スパエリア。レセプションの天井は水銀をイメージ。ここのデザインはちょっとWホテルズみたいに感じました。



ジムは24時間営業。



いざ、プールへ!



プールはそんなに広くはないですが、とにかく眺めがいい。プールサイドのデッキチェアにいるだけでリフレッシュできそう。



そして好きになってしまったのが、この男性用のバスからの眺め。ああ、入ってみたい(涙)。

男女ともに、バスエリアは大きな窓とふたつの浴槽(お湯と水風呂)、サウナを備えます。広い空とビル郡を眺めながら、ほどよい加減の湯に身を委ね、暑くなったら水風呂でクールダウン。同じくサウナのあとの水風呂も格別でしょう。

絶景の中で感じる温度差を、何度でもリピートしたい…。



同じく30階に位置するスパでは、ふたつのトリートメントに注目です。



ひとつは、このスパ特製の黒壇を使用したトリートメント。身体の曲線にそってカーヴィングされた黒壇は適度な硬さと重さがあり、背中をさすったりするとリンパの流れがよくなります。

これ、軽くやってもらったんですが、人の手とも違う硬くて丸みのある感触がなんともたまらない! 身体の溝にも絶妙にフィットします。

そしてもうひとつは、スイスの科学者たちが作り“究極のアンチエイジング”とも評されているコスメ「スイス・パーフェクション」を使用したトリートメント。



ぐるぐるとホテル内を隈なく見学して、最後に、改めて36階のレセプションに。ランダムに椅子とテーブルが置かれたレセプション前のラウンジは、カジュアルで気楽に座っていられる雰囲気。



頭上にアートが配された、チェックイン・カウンター。珍しいのが、このレセプションと同じフロアにも客室が展開されていることです。これは、“より距離感の近いサービスを提供したい”というホテル側の意図によるもの。ひとり旅で行ったことがあるような、異国の小ぢんまりしたホテルを思い出します。

以上、“赤プリ”跡地に誕生する『ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町』の全容でした。

写真に表せること以外で思うのが、やっぱり単なるニューオープンのホテルではないということ。55年の歴史をもち、いろいろなことがあった“赤プリ”の跡地ですから。

クリスマスを“赤プリ”で過ごすのがトレンディな時代もあったし、著名人の結婚式も多数行われ、歴史的な記者会見もこの場所で行われました。そして、東日本大震災の際は被災者の避難施設ともなりました。この地を行き交った人々の数、それぞれの経験は計り知れません。

その場所が、いまモダンなデザインに生まれ変わり、新たなスタートをきろうとしています。すでに予約も順調に入っているとか。

私も、今回バーや客室で感じたこのホテルならではの浮遊感を、宿泊でゆっくり堪能したいと思いました。窓際のデイベッドに佇んで、東京の景色を前に何も考えないという贅沢を味わう。たまのホテルステイで一番欲しいのはそんな時間かもしれません。

『ザ・プリンスギャラリー 東京紀尾井町』
住所:千代田区紀尾井町1-2
TEL:03-3234-1111 計250室 ※料金はホテルへ問い合わせを