「天才はヒットの理由を説明できない。僕はできる」。イチローに学ぶ、能力を引き出す方法

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イチローが前人未到の境地に達したのは、彼が生まれもってアスリートとしての能力を持ち合わせていたからではありません。彼に才能があるとすれば「自らの能力を活かす」ことではないでしょうか。

彼の野球に対する姿勢は、私たちの仕事にも応用できることばかりです。今日からできるイチローの仕事術を児玉光雄さんの著書『イチロー流 準備の極意』から厳選し、紹介します。

01.
「自分の武器」を磨く

「視力はよくないのですが、動体視力になるといいです。こういうことは、自分で能力を見つけないといけません」

私たちは自分の武器を磨くことに無頓着です。自分の最大の武器は?残念ながら誰も教えてくれません。自分の武器は自ら見つけるしかないのです。

同じ能力を持つ2人の人間が、同じ仕事量を同じ時間内に始めたとき、自分の武器を見つけて徹底的に磨きあげたほうが圧倒的に効率よく仕事を進められます。自分の武器を磨きあげる時間を惜しまず、強みを見い出した人こそが「できる人」になれるのです。

02.
「継続」は才能を上回る

「いままで自分がやってきたことを、しっかり継続することが、イチローという選手の能力を引き出すためには、はずせないことです」

イチローのプロアスリートとしてのキャリアを簡単に整理すると、1992年から2015年の24年間で、1万2981打数4213安打、通算打率3割2分5厘。文句のつけようがない輝かしい数字であり、「継続性」の成果と言えます。

彼はひとつのことに集中し、継続することでヒットを量産できる実力を身につけました。ひとつのテーマに絞り、黙々と作業していく。そういった積み重ねこそが、他者と差をつける切り札になり、仕事の質そのものも高めてくれるでしょう。

03.
「妥協したい自分」との

向き合い方

「妥協はたくさんしてきたし、自分に負けたことはいっぱいあります。(中略)ただ、野球に関してはそれがないというだけで、野球以外のことは、もう、妥協のほうが多いだけです」

妥協は趣味の世界であれば許されます。そこで満足や達成感を得られるのであれば、問題がないからです。しかし仕事においては、徹底して妥協という誘惑と対峙しなければなりません。

妥協は努力することを遠ざけるだけでなく、目標を達成したあとの向上心を阻みます。「素人」はある程度の妥協点でそれ以降の努力をやめてしまうのに対し、「達人」は一切の妥協を排除して、さらなる努力を積み重ねる。この思考パターンの違いが両者を大きく隔てているのです。

04.
「天才」の弱点

「天才は、なぜヒットを打てたか説明できない。ぼくは、きちんと説明できる。だから天才じゃない」

彼は、血の滲むような鍛錬の裏付けがあってこそ、偉業を成し遂げたのだと言います。だから、天才ではないのだと。

確かに生まれもった筋肉の組成に適した競技を選択すれば、それ相応のアスリートになれるかもしれません。しかし、持って生まれた才能だけでは一流にはなれません。

これは、仕事においてもまったく同じで、何事も器用にこなせる人間が努力をしないままでいれば、仕事のできない部類の人間となることが多く、むしろ不器用でも努力を怠らない人間のほうが、結局仕事のスキルが上がっているものなのです。

05.
仕事に「何を」
追い求めて働くべきか?

「ポテンシャルだけでやってきた39歳と、いろいろなものを積み重ねて、さまざまなことを考えてそこまできた39歳とを一緒にしないでほしい」

そこそこのレベルでいいのであれば潜在能力、つまりポテンシャルだけに頼るのもいいかもしれません。しかし、さらなる上を目指す努力に持続性をもたせるためには、モチベーションを付加する必要があります。

モチベーションには、自らの探究心による内発的なものと、金銭や肩書きによる外発的なものがあります。外発的なモチベーションは「働かせること」はできても「働きたいと思わせる」ことはできないため、限界があります。

だから、イチローのような一流の仕事人には、資質のひとつとして「探究心」が備わっているのです。

Top Photo by Duane Burleson/Getty Images Sport/Getty Images

『イチロー流 準備の極意』 著:児玉光雄

なぜ、イチローはその道の頂点に上り詰めることができたのか。そのヒントは、彼の日々の目立たないルーティーンの中に隠されていました。あなたの独自の成功習慣を構築するために役立つ、イチロー流の「仕事論」。彼の名言とともに仕事で大きな成果を上げるコツを多数掲載。