増税の止まらない相続税!意外と知られていない生命保険による節税効果

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夏の参議院選が与党大勝で幕を閉じた。消費税増税の先送りによって、胸をなでおろしている方も多いのではないだろうか。しかし一方で去年から、着実に増税しているものがある。それは、「相続税」である。具体的には基礎控除額が減額され、最大55%まで相続税が課せられるようになった。宵越しの銭は持たない訳ではないが、子どもに残したお金が残させてもらえないようになっているのが現状である。そこで「教えて!goo」には、相続税のために一つの可能性を模索する質問「生命保険に加入する理由」が寄せられている。

■生命保険=遺族の生活を支える資金、というイメージ

質問は、どうして生命保険に加入するのかというものだった。それに対する回答の多くは、本人の死後、その葬儀費用や扶養内の遺族の生活費を賄うためであると答えている。

「病気・ケガ・死亡などでお金が必要となるときや、老後の生活資金など将来への備えのために加入するものです」(poppo898さん)

「一般的には死んだ時の葬式費用などと、それから経済的に扶養している人がいる場合はその人の当面の生活費などでしょう」(lionking22さん)

一方で、「蓄財」という興味深い回答も見られた((3)に注目)。

「目的は3つに分類できるでしょう。
(1)死んでしまった後の金銭リスク(遺族の生活費、葬祭費、負債など)
(2)生存中の金銭リスク(医療費、就業不能時の所得補償など)
(3)蓄財(中期の預金、老後の生活資金、相続税対策など)」(TT142GTTRさん)

この「相続税対策」としての生命保険とは、具体的にどうのような仕組みになっているのだろうか。生命保険による保険には相続税の課せられ方が違うのだろうか。

■子どもが多ければ多いほど、お得な生命保険節税!

前項で触れた生命保険による節税の仕組みについて、わかりやすい解説を提示しておきたい。そのために、元国税調査官で現在は税理士をしている松嶋洋氏に話を伺った。

「死亡保険金については、保険料の負担者が被相続人(被保険者)であれば、相続税の対象になります。このため、仮に被保険者である被相続人が自己の死亡保険金として1000万円の保険に加入し、被相続人が保険料を900万円支払った場合、その受取人に対し、1000万円の保険金が相続税の対象になります。この死亡保険金ですが、実際には1000万円全額に相続税が課税されることはありません」

同じ額面を相続するとしても、被相続人の貯蓄から直接相続するか、保険金として受け取るかによって、税率が適用される元金の額が異なっていくるわけですね。では、具体的にどれくらの差が生じるのでしょうか。

「受取人が相続人である場合、死亡保険金については、以下の金額が非課税とされています。
500万円×法定相続人の数=非課税限度額。
このため、仮に被相続人に2人の相続人(妻と子ども一人など)がいれば、受取人を相続人とすることで1000万円(500万円×2人)まで非課税となります。先の例に当てはめると、保険を使わなければ支払った900万円は現金として相続税の対象になる反面、死亡保険金を活用すれば900万円は保険料として支払ったため相続税の対象にはならず、1000万円の受取保険金は相続税の対象になるものの非課税となる、という有利な取扱いになります」

先の非課税限度額算出のための式によると、法定相続人の数が多ければ多いほど節税になることがわかる。そのため、生命保険に遺産の大部分を預ける節税方法は、子どもの多い方にオススメできる方法とも言える。相続税対策には、他にも様々な方法がある。賢い資産運用のためにもまずは専門家に相談してみることが始めてみよう。

●専門家プロフィール:元国税調査官の税理士 松嶋洋
東京大学を卒業後、国民生活金融公庫を経て東京国税局に入局。国税調査官として、法人税調査・審理事務を担当。現在は税理士として事務所を運営する傍ら税務調査対策のコンサルティングにも従事。

(樹木悠)

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