世の中のオバさんたちに健康かつ美しく生きていくために、ファッションプロデューサーの植松晃士さんがアドバイス。今回は、“古着のリフォーム”について語ります。

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 皆さま、ご機嫌よう!

 いよいよ夏本番ですね。暑がりな私はクーラーの設定温度を最低に、パワーは最強モードにしてガンガン冷やしていたのですが、それも若いころのこと。最近ではちょっと設定温度を間違えると寒くて寒くて。

 これも歳月の重みでしょうか。資源の大切さと同時に、“冷え症”という言葉の意味を、しみじみとかみしめている今日この頃です。

 さてさて、ここ数回、巷では1970年代風ファッションが流行っているとお話ししました。そして「はるか昔の、たんすの肥やしを引っ張り出して着るのはNGですよ」と、繰り返し申し上げました。にもかかわらず、“古着妖怪”の目撃談が後を絶たないのはどうしたことでしょう。

 とても残念なことですが、たとえばトレンドのペイズリー柄ひとつとっても、20年前に流行っていたものと、今、流行っているものは似て非なるもの。別物といっていいほどシルエットが違います。

 いくら気持ちは若いからといって、私たちは長〜い歴史を顔に刻んだ年代物であるという現実を忘れてはなりません。

 悪いことに、ご本人はビンテージのつもりでも、他人から見たらただの古物、ということもよくあります。それを得意げに見せられたら、周囲は「あら〜」としか言いようがありません。

 脅かすのが目的なら、妖怪として成功ですが、頭をフル回転させて「何て褒めようかしら」と悩むお友達の身にもなってくださいな。

 確かにワインなどは、熟成を売りにしているものもありますよ。しかし旬のもの、初物のありがたさは格別で、新キャベツ、新米、新じゃが、そしてボジョレー・ヌーヴォー…。あげたら、きりがありません。

 旬がものをいうファッションの世界では、なおさらのこと。特に夏は“新物”が輝きを増します。とはいえ、とても上質だったり、思い出深いお洋服は捨てがたい、心が痛むという気持ちはよくわかります。私自身、古いものをなかなか捨てられない性分ですから。

 そこでご提案です。どうしても昔のお洋服を着たいのならリフォームしてはいかがでしょうか。

 たとえば、たっぷりしたシルエットのプルオーバーは、袖を7分丈など、今風の半端丈に詰めてしまうだけでも、印象が変わります。チュニックの丈を短くしたり、フルレングスのパンツをクロップド丈に直してしまうのも、アリですね。

 私のお友達は丈が短くて着られなくなってしまったシルクのワンピースを、ブラウスにリフォームして、とても素敵に着こなしていました。ワンピースをブラウスにするなど、大がかりなお直しはそれなりに費用がかかりますが、丈詰めくらいならお手軽です。

 そして、ここからは少し先のお話なのですが、ルーズなシルエットのトレンドの次は、必ず“タイトな時代”がやってきます。ボディコンシャス、略してボディコン。懐かしいでしょう?

 いずれにしても、ゆるゆるシルエットが流行する幸福な時は長く続かないことを、頭の片隅に留めておいてください。そして必ず来る次の時代に備えて、ボディーを整えておくことをおすすめします。

 まだ少し先だから、焦らずゆっくり、確実にね。

 オバさん、万歳!

※女性セブン2016年8月4日号