KinKi Kids「薔薇と太陽」の抜け感…20周年でも気張らない2人

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 今年デビュー20周年を迎えたKinKi Kids。36枚目となるシングル「薔薇と太陽」が7月20日にリリースされ、すで15万枚を超えるヒットとなっています。

◆テキトーに放置しあう関係がいい

 作詞・作曲を手掛けたTHE YELLOW MONKEYの吉井和哉の特長もよく出ており、ゆったりとした色気が心地よい一曲です。「悲しき願い」に「東へ西へ」が合わさったようななつかしい歌謡テイストに、タイトなビートが無理なく絡むアレンジにも余裕が感じられます。

 リリースに先がけ披露されたパフォーマンスも興味深いものでした。舞台を半分に割って別々の出し物をやる。バンドを従えてギターを演奏する剛に対して、光一は女性陣とともにキレのある踊りを見せる。

 お互い絡み合う演出もなく、キャリアの中でそれぞれが追求してきた芸を淡々と確かめているだけのように見えました。でも、そこにはこの二人にしかない奇妙な一体感があったのです。

 ベタベタとした関係性でなく、テキトーに放置し合える付き合いとでも言うのでしょうか。いちいちチェックしなくても、ヘタなことはしないだろうという安心感。ともかく、楽曲同様思わせぶりなところがなく、さらっとしたステージングが気持ちよかったのですね。

◆20周年でも気張らない“抜け感”

 「KinKi Kidsをアイドルだと思ったことはない」と語る光一ですが、確かに彼らには“やらされている感”をあまり感じません。その一方で、それぞれの表現欲求はソロ活動で上手いこと消化されて、KinKi Kidsでやるときにはニュートラルな二人を楽しめる。

 そこで改めてディスコグラフィーを振り返ると、様々なタイプの楽曲があるのに気づきます。YO-KINGの骨っぽさ(「Hey! みんな元気かい?」)から、涼やかなスウェディッシュポップ(「薄荷キャンディー」)に至るまで実に幅広い。コンビとしての主張がないからこそ、成せる業でしょうか。

 曲によって歌が変わらないのも、面白いところ。もっとも、それも良し悪しかもしれないのですが……。

 ともあれ、「薔薇と太陽」の抜け感は貴重です。記念イヤーなのに、“いつもの新曲”といった具合でひょうひょうとやってしまうところに、彼らの底力を見た思いがします。

<TEXT/石黒隆之>