ネガティブな気持ちもエネルギーに変える! 乃木坂46・生駒里奈の挑戦。
人気アイドルグループ・乃木坂46の中でも、爽やかなショートヘアと凜としたたたずまいで特別な存在感を醸し出す生駒里奈。昨年、映画初主演を果たした学園ホラー『コープスパーティー』の続編『コープスパーティー Book of Shadows』で、再びスクリーンに帰ってくる。慣れない演技の仕事、さらに本業のアイドルの仕事について語る生駒からは、意外なことにネガティブな言葉が次々と溢れ出す。彼女が特別なわけは、そんな不安を懸命に受け止めて、仕事へのエネルギーに変えていける強さにあるのかもしれない。

撮影/川野結李歌 取材・文/新田理恵 制作/iD inc.
ヘアメイク/松田蓉子



映画主演2作目は、初めてよりも恐かった!



――続編となる『コープスパーティー Book of Shadows』、前作に引き続き恐かったです。

ありがとうございます!

――今回は主演2作目ということで、前作より余裕をもって演じることができたのでは?

前回の撮影で共演者の皆さんのすごさを目の当たりにして、今作では「足を引っ張っちゃいけない」という思いがあり、そういった面で新たな不安が…。

――前回は「わからない」で通用したことでも、今回はそうはいかないと思ったからですか?

前回は「演技経験がまだ浅いのに、映画に出させてもらえる。どうしましょう!? ゴメンなさい!」という不安な気持ちだったんですが、今回の場合は、またみんなと共演できるという嬉しさもありつつ、上手くなっていなきゃいけないっていう焦りもありました。

――主演という責任感もあったのでは?

とにかく、前回より成長していないとダメなので…。そういうところは、すっごく恐かったですね。




――その恐さを克服するために、何か準備はしましたか?

乃木坂のメンバーを誘って、お芝居のワークショップに参加したりしました。エチュードをやったりして、ちょっとでもお芝居のやり方を自分の中で生み出せたらなと。なので、前回よりは準備をして臨めたかなと思います。

――前作と比べて、自分が成長できたと手応えを感じた部分はありますか?

わからないです。成長したと言えるほどの“腕”はまだ持っていないです…。



「アイドルだから」という印象を壊したい



――今回も首が落ちたり、顔の崩れた人が現れたり、恐いシーンが盛りだくさんでした。そういった場面でのリアクションは難しかったですか?

特殊メイクをしてる青木(玄徳)さんがホントに恐かったので、リアルに恐くなっちゃいました(笑)。そういう演技ができる人が目の前にいるっていうことも、すごくいい経験になりました。

――アイドル主演の映画でこんなことやっていいんだ! と思うシーンがいくつもありました。

「アイドルだから」ってよく言われるのですが、それを壊したいっていう思いは、今の時代、アイドルやってる子はみんな持ってると思うんです。



――なるほど。

やっぱり、本業として俳優をされている方がいるのに、アイドルっていう立場があるからこういう機会を与えてもらっている。だから、お芝居の仕事をもらった以上、ホントに恐い作品や、ホントに寂しい作品とかも、ちゃんと作っていかないとすごく失礼だと思うんです。

――今回、後輩にあたる欅坂46の石森虹花さんも出演されていましたが、先輩としての背中を見せなきゃという意気込みはありましたか?

自分だけで精一杯。そんなアドバイスをできる人じゃありません。ただ、前回の私がそうだったので、「経験豊富な人たちのなかにポツンと入るのは緊張しちゃうかもしれないけど、一生懸命、おっきな声で、まず頑張ってやってみよう!」ということは言いました。

――先輩後輩というより、「一緒に頑張ろう!」という感じだったんですね。

はい、「私と一緒に頑張って!」っていう感じでしたね。お芝居のことを言える立場ではないので。



ベリーショートヘアを希望!? 個性派アイドルの苦悩



――生駒さん演じる中嶋直美はすごく強い女の子で、ショートヘアが凜々しい生駒さんにぴったり。そういえば、生駒さんはずっとショートですよね。

ホントはベリーショートにしたいんですけど…。やっぱり、今のアイドルは可愛いほうがいいので。

――そうなんですか!?

今は、『コープスパーティー Book of Shadows』がヒットするように、願掛けでちょっと伸ばしてるんです。昔から自分の髪の毛を神様に奉納して、願掛けをするじゃないですか。ちょっとそれとは違うかもしれないけど(笑)。



――今のショートヘアが、ちょうどこだわりの長さなのかな? って思っていました。

ホントはもっと短いのが大好きなんですけど…。やっぱりこういう職業をやっている以上、あんまりそれは、良くないので。いつかやりたいです。

――やっぱり男性ファンは気になります?

アイドルって可愛いものらしいので…。

――十分可愛いですよ!

うん…(と、苦笑いする生駒さん)。

――では、自分の好みの長さと、ファンの好みの妥協点を精一杯さぐって、今の髪の長さに落ち着いてるんですね。

アイドルをやってるうちは、(現在の長さくらいに)伸ばしていようかなと思います。



――アイドルの枠を越えて、お仕事の幅は広がっていますよね?

仕事をしている瞬間だけが、自信を持てる感じです。

――そんなネガティブな感情も、表現者として大きなエネルギーになるのではと思います。

そうですよね。それが私の一番のエネルギーです(笑)。



「女優の仕事が楽しい」なんて、おこがましくて言えない!



――主演映画を2本経験して、秋にも舞台出演が控えています。女優のお仕事は面白くなってきました?

すごく楽しいし、勉強になります。でも、だからといって女優さんのお仕事が「楽しい」とは、まだ言えないです。それを言っては、おこがましいと思っています。乃木坂にいるからこそ、チャンスをいただけてるわけで…。

――まだ「女優をやっています」と言えるレベルではないと感じているということ?

はい。まだ、まったく到達してないので。



――でも、努力はしたい?

そうですね。まだまだ勉強中という感じです。またお芝居をやる機会がいただけたら、やりたいと思うので、その日のために勉強はしていきたいです。

――AKBグループからは、「女優を目指したい」と言って卒業された方が何人もいらっしゃいます。生駒さんにも「ゆくゆくは女優もいいな」という考えがあったりしますか?

まだわからないです。何か「これをやるんだ!」って言えるほどの力もないですし。

――じゃあ、今はまだ与えられたお仕事を精一杯やりたいという気持ち?

そうですね。