連続テレビ小説「とと姉ちゃん」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第17週「常子、花山と断絶する。」第97話 7月25日(月)放送より。 
脚本:西田征史 演出: 藤並英樹


新雑誌「あなたの暮し」創刊号は3万部を超える売り上げを達成し、その「あなたの暮し」が誕生した16週の平均視聴率は24・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、これまでの最高を記録。各話視聴率も93回が25・3%で93回中最高になった。盛り上がる「とと姉ちゃん」。93回は「あさイチ」で柳澤秀夫が「女性の服にあれだけのめりこむってある?」発言した回で、花山(唐沢寿明)が直線断ちを発見するエピソードだった。
日本中がこんなにも熱望していた雑誌が生まれ、明けて17週。あなたの暮し出版は社員がふたり増えた。
経理の水田(伊藤淳史)と庶務の岡緑(悠木千帆)だ。悠木千帆は2代目。初代は樹木希林。とはいえ、師弟関係ではない。樹木が芸名をオークションで売って現・悠木が引き継ぐという希有なケースだ。ドラマよりこの実話のほうに興味が沸くのを抑え、意識をドラマに戻そう。

次号の準備をする編集部に東堂チヨ先生(片桐はいり)からの手紙が!
常子(高畑充希)がその住所を訪ねると、綾に次いでまたしても貧しい暮しが営まれていた。常子が旧知の人々の家を訪ねて貧しい暮しを目撃することをパターン化するつもりだろうか。
「とても狭いので・・・」と先生の言うそこは、書道家の夫(利重剛)の親戚宅にある物置(6畳)。たとえ物置でも、脱いだ靴をちゃんと向きを変えて揃える常子。なぜか靴の描写だけは執拗に描く「とと姉ちゃん」。
先生は直線断ちに興味をもって「あなたの暮し」を買ったものの、直線断ちワンピースを着ていない。そこまで貧しいのか、着るような華やいだ機会がないのか。次回登場するのか。何はともあれ、彼女は常子の前でひたすら明るく凛としている。この雑誌は女性の友であり同志であると讃える先生に、常子は、先生の教えによってこの雑誌ができたと感謝を述べる。
50歳になってもなお先生を続けていると言う先生に、

常子「あと10年はできますね」

東堂「いいえ50年です」 
笑うふたり。彼女たちの会話はユーモアもありながら、礼儀を決して忘れず、師弟間の強い尊敬や信頼が感じられる。
先生は少しリラックスしたのか、居心地のいい昔の住まいを懐かしみ、まさかこんな暮らしになるなんて・・・と本音を漏らす。
教え子三姉妹を自宅に招くことにする先生。物置だけどせいいっぱいもてなそうとする心意気は、さすが。
この東堂先生との再会が次号のヒントになるらしい。

デニムからお召し替えした花山(ルパシカの応用みたいなシャツ? さすがオシャレです) 。先週末から引き続き、ちょっといやなキャラモード。住まいのネタ探しをしていたところ、水田の「壁のすきまから猫が入ってきて追い出そうか一緒に暮らそうか・・・」という悩みを頭ごなしに否定。え〜。こういう悩みも悪くないと思うけれど・・・。96回の常子への対応といい、これといい、【黒山】だよなあ・・・。ここのところあまりにも花山の株が上がっていたので、ちょっと調整しているのだろうか。はたまた、「あまちゃん」最終回の勉さんの「琥珀なんかより」発言的な、人にはいろんな面がある的なことだろうか。
(木俣冬)