年金不安を抱える世代の老後資金準備の第一歩

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少子化が進む日本では若い人ほど年金に対する不安感・不信感が大きい

7月29日、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の平成27年度の運用実績が公表されます。
平成26年度より、株式や外貨資産への運用比率を高めましたが、平成27年度は、ギリシャ財政不安、中国株価下落等の影響による株安、年初の株価下落&円高により、従来よりもある程度大きな損失の発生が予想されます。
年金制度は世代間扶養制度であるため、少子化の進行により、若い人ほど年金に対する不安感・不信感が大きいものです。
今回は若い世代が将来、年金不安に対する生活防衛手段の第一歩を提案します。


若い世代の生活防衛手段の第一歩「貯蓄習慣」をつけること

毎月の給与等から、一定割合(例えば10%、15%)を貯蓄する目標を立てましょう。
毎月の収入から使った残りの金額を貯蓄しようとしても、なかなかお金は貯まりません。
だからこそ「いつまでに、いくら、何のために、毎月いくら貯蓄する」という計画を立て、貯蓄額を先に決め、残りを使うという生活スタイルを取り込みましょう。

このメリットは2つ。
1つめは、貯蓄習慣をつけると、借金体質になりにくくなります。
毎月、計画的に貯蓄できていることで気持ちにも余裕が生まれますし、万一、生活が苦しくなった場合には貯蓄を一時的に中断したり、減らしたりすればよいという「クッション」があることも安心材料です。
2つめは、一定割合を貯蓄する場合、収入が増えれば、毎月の貯蓄額も増えていきます。


老後資金向けの貯蓄で活用したい制度・商品は?

若い世代は、結婚資金、住宅購入資金、子どもの教育資金・・・と様々なライフイベント資金を準備していくニーズがあると思いますが、老後資金は税制を味方につけて有利に準備したいものです。

例えば、確定拠出年金。
平成29年1月からは要件を満たせば、現在は加入できない公務員やサラリーマン世帯の専業主婦も含めて、多くの方が加入することができるようになります。
確定拠出年金は自らが運用商品を選択して老後資金を準備する制度であり、運用成果に応じて将来の年金額が異なりますので、損失を被る可能性を心配する方も多いようですが、毎月の掛金は所得税・住民税を減らす効果があります。
具体的には、支払った金額の15%〜55%の所得税・住民税が少なくなります。
「節税効果=運用益」と考えると、普通に預貯金をするよりも有利といえそうです。

また、確定拠出年金で投資信託を選択すると、運用環境に応じて大きな利益が出ることもあれば、損失を被る可能性もありますが、定期預金や保険を選ぶこともできます。
定期預金や保険を選ぶことで、掛金の節税効果を受けつつ、損失を被る可能性を小さくすることもできます。
なお、確定拠出年金は、原則として60歳に達するまでは引き出すことができません。

老後資金以外の用途に活用したいのであれば、ほかの商品・制度も検討しましょう。
会社員であれば、給与天引きで貯蓄する「財形年金貯蓄」も1つの選択肢です。
利子非課税制度のメリットは現在小さいですが、目的外解約にはペナルティもあり、積立中断や解約するには、社内で手続きする手間がかかるため、継続しやすいのが強みです。

生命保険会社の個人年金保険は、所得税・住民税の節税効果は魅力的ですが、新規に契約する場合には、マイナス金利の影響で、金利がある程度上昇してから始める方が有利といえます。

最後に重要なポイントを1つ。
収入が増えても、あまり生活レベルを上げないことも重要です。
定期的に家計を見直して、家計がメタボ化しないよう、定期健診を実施しましょう。
お金の健康も、体の健康も同じです!


【益山 真一:ファイナンシャルプランナー】


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