「怒鳴らないと言うことを聞かない子」になるのは何故? しつけを始めるタイミングとコツ

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「子どもは犬猫と同じ。小さい頃からやって良いことと悪いことを厳しくしつけた方がいい」と考える親もいる一方、「自由に伸び伸びと育てたい」とほったらかしている人もいます。いったい、どちらの対応をしたら子どもはうまく育つのでしょうか?

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今日は『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』の著者の立石美津子がお話します。

過去には“狼に育てられた子”も

過去に野生動物が人間を育てるという出来事が起こっています。

有名なのは1920年、インドのジャングルで発見された2人の少女“狼少女 アマラとカマラ”のお話。元々、二人は知恵遅れがあったという説もあるので真相は定かではありませんが、こんな話です。

“生まれた時から狼に育てられた姉妹は発見時、推定8歳と2歳。アマラ、カマラと名付けられた少女達は狼のような振る舞いした。二足歩行することはなく、動物のような格好で歩き、食事は生肉を好み、食べるときは手を使わず地面に置かれた皿に顔を近づけてなめるようにして口に入れた。目は暗闇の中でもぎらりと光り、夜になると遠吠えをし、狼そのものだった”野生児の記録 1 狼に育てられた子

“しつけ”って0歳からする必要はあるの?

人間として生まれた子が人間らしく育っていくにはしつけは必要です。そうしないと“狼に育てられた子”みたいになってしまうかもしれません。でも、何歳からスタートしたらよいのでしょうか?

答え:生まれた直後から始めましょう。

人の子は本能としてお乳を吸うこと、お腹が空いたときや熱があって具合が悪いときは泣くことなどを知って生まれてきますが、テーブルに足を上げていいこと、絵本を破ってはならないことなど知らないまま生まれてくるからです。これらを親が子育てしながら教えていくのが“しつけ”ですね。

“しつけ”という言葉の意味

“しつけ”は漢字で“躾”と書きます。身体を美しく見せる、つまり人に不快感を与えない身のこなしです。これは服や髪形だけでなく、言葉遣い、態度も含まれます。

また“裁縫”するとき「仕付け=仮縫い」をしてあらかじめ目安になるような縫い取りをすることも“しつけ”といいます。

人として人間社会、集団の中で生きていく上での規律やマナーを学んでいくことが“躾”という漢字にも“しつけ”という言葉にも表れているのかもしれません。

古新聞は破いてもいいけれども絵本はダメ、家にある自分の絵本はクレヨンで何か書いてもいいけれど、兄弟姉妹で共用している場合や図書館で借りてきた絵本に落書きをしてはならないことは、子どもは知らないまま生まれてきます。決められた登園時刻を守るなども含まれます。

なぜ「叩いたり、怒鳴らないと言うことを聞かない」子になるのか

「子どもを躾ける」と称して足やお尻をペーンと叩いたり、大声で怒鳴っている人をたまに見かけます。でも、なぜ、叩いたり怒鳴らないと言うことを聞かない子に育ってしまったのでしょうか。

それは、途中から躾をしたのが原因なのです。

けれども、0歳後半になって歩き始めたとき次のような対応をすると、まだ言葉をしゃべることができない赤ちゃんだってわかります。

・絵本を破ったときさっと取り上げて「「絵本は読むものだから破らないでね」と絵本を取り上げる。

・テーブルの上に足を乗せたとき「テーブルはご飯を乗せるところ、食事をするところだから足を下ろそうね」とテーブルから引きずり降ろす。

こんな体験をしているうちに「ああ、絵本は破ってはいけないんだ」「テーブルは乗ってはならないんだ」と身体で覚えていきます。そして、次第にやらなくなります。

ところが、「赤ちゃんだから絵本を破ってもOK」「赤ちゃんだからどこに乗ってもOK」としていると、やって良いこと、悪いことの区別がつかなくなります。

でも、親は子どもが3歳、4歳になってくると人目もありそれを許しているわけにはいかなくなります。そうなると急に態度を豹変させて「もう、3歳になったんだから図書館の絵本に落書きしてはなりません!破いてはいけません!テーブルに乗ってはいけません!」と口で伝えます。

けれども、子どもにしてみれば、今まで許されていたことを突然ダメだと言われても、なかなかすんなりと「はい、わかりました。今日からそうします」とはならないわけです。すると、親は大声をあげたり時には叩いたりして躾ける手段を取らざるを得なくなります。

こうして「こら!ダメ!いい加減にしなさい!」と怒鳴らないと言うことを聞かない子に育っていくのです。それでも、とりあえず子どもは怖いから、痛いからの理由で言うことを聞きはしますが親が見ていないところでやったりします。これで躾ができたと思うのは大人の錯覚なのです。

幼児でも「決められた時刻を守る」ことは大事

登園時刻を守ることも同じです。

「まだ義務教育が始まっていないし、小学生じゃあないんだから、まあいいわ」といつも遅刻させていたとしましょう。お友達が部屋にいて皆で朝の歌を歌っている最中にガラリとドアを開けて入っても「なんだか気まずい」という感覚が持てなくなってしまいます。

大人でもいつも必ず遅れてくる人っていますよね。口では「ごめん、ごめん」と言いながら毎回繰り返す人。そういう人は時間に遅れても焦ったりすることはありません。みんなの時間を奪う“時間泥棒”になっている自覚がないんですね。小さい頃からの悪習慣の積み重ねだったりします。幼児でも「決められた時刻を守る」ことを体験させていきましょう。

それから、提出物もいつも親が出し忘れて「ママに持ってくるように伝えて」なんて先生から子どもも言われ続けると「別に期日なんか守らなくてもいいんだ」と思ってしまうかもしれませんよ。

マニキュアや染髪も、“幼児のだけいい”は無理

小学生になるとマニキュアをしたり髪を染めたり巻いたりするのを禁止されます。

そんなとき「これが許されるのは幼児の間だけだから」とこれらをさせていたとします。

でも、これも親の勝手。子どもは今まで良しとされていたものを6歳になって禁止される意味がわかりません。それから、皮膚が大人とは違う子どもですから、身体の健康のためにも化粧、髪の毛を染めること、マニキュアなども避けた方がいいですね。

まとめ

生まれたまま本能の赴くままに自由に伸び伸び育てすぎると、物事の善悪がわからない子に育ちます。これでは人間社会の中で生活するのに困ったことも多くなります。そこで、生まれてから4年も5年も経過して親がしつけをスタートしたとします。

でも、この段階では子どもは素直には従いません。そうなると、親のしつけの方法もエスカレートせざるを得なくなり、罰を与えたり、怒鳴る叩く方法をとるしかなくなります。ちょっと開始するのが遅すぎたのですね。

ただし、その中でも例えば「食事を手づかみで食べる」など、まだ手先が器用ではないのでできないことまで要求しないように年齢に応じてしつける内容を変えることも大切です。0歳からまだその段階ではないのに「しつけ!しつけ!」と極端に走らないように注意することも必要ですよ。