トイレで手を洗わないとどれくらい汚いの?専門家が解説

写真拡大

先日、「教えて!goo」で「トイレ後に手を洗わない人は何を考えているの?」という記事を配信した。
特に男性の場合は、洗わずに済ませるという人も多いかもしれない。しかし、手の平には何億、何兆という菌が付着しているという話も……。
そこで、衛生用品メーカーであるサラヤを直撃。トイレの後に手を洗わないと、手の平に菌はどのくらい付着しているものなのか聞いてみた。

■トイレットペーパー10枚を重ねても、ウイルスは手に付着する!?

「一概にどのくらい付着しているとは言い難いですが、健康な人の便中には1グラムあたり約10兆個の細菌が含まれているとも言われています。多くは人に無害な細菌ですが、食中毒をおこすような細菌やウイルスに感染すると、それらは人のお腹の中(小腸など)で増え、便中に排出されます」(村松さん)

と教えてくれたのは、東京サラヤ株式会社食品衛生学術室室長・村松寿代さん。例えばノロウイルスに感染すると、下痢などの症状がある人の便中には1グラムあたり1億個以上、症状がない人の便中でも1グラムあたり10万〜100万個以上のノロウイルスが含まれると言われているのだそうだ。

「ノロウイルスは10〜100個程度が口に入ると感染するとされています。目で見て手に汚れがついていなくても、ほんのわずかでも多くの人を感染させ、病気をおこす量のノロウイルスが手に付着していることになります。トイレットペーパーを10枚重ねても、手指からウイルスが検出されたという報告があります。また、ドアの取っ手や水洗レバー、ペーパーホルダーなど多くの人が触れるところを介して、細菌やウイルスが手に付着する場合もあります。トイレ使用後は、多くの細菌やウイルスが手に付着しているということを認識しましょう」(村松さん)

自分では清潔だと思っていても、知らぬ間にウイルスが増殖している場所に触れていることはありそうだ。

■石鹸+アルコール消毒で、菌を退治できる?

筆者は毎回手を洗うが、水洗いで済ませることが多い……。毎回石鹸で洗った方がよいのだろうか?

「食中毒や感染症を予防するためには、トイレの後は毎回、石けんで手洗いをすることをお勧めします。手洗いによる大腸菌群の検出実験で、手洗い前の検出数を100%とすると、石けんで手を洗い、ペーパータオルで拭いた場合で62.5%、石けんで手を洗い、ペーパータオルで拭いて、アルコール消毒をした場合で0%という結果になりました(2011年 サラヤ実施)」(村松さん)

水洗いだけでは不十分。石鹸、アルコール消毒まで行うことが望ましいとのこと。また、男性と女性で、菌の付着の仕方に違いがあるのだそうだ。

「トイレの手指温風乾燥機の汚染状況の調査で、女子トイレでは腸内にいる細菌が、男子トイレでは皮膚にいる細菌が多く検出されたという報告があります。男性でも、個室を利用する場合は腸内にいる細菌やウイルスの付着が考えられます。皮膚にいる細菌の中には、食中毒をおこす黄色ブドウ球菌もいます。男性の小便の場合に付着することがありますので、個室を利用しなくてもトイレの後は必ず手洗いをしましょう」(村松さん)

食中毒が心配な時期だけに、より一層手洗いを徹底したいもの。特に男性諸君、ご注意を!

(酒井理恵)

●取材協力:サラヤ株式会社
さまざまな事業を通じて世界の「衛生、環境、健康」に貢献。「知っておきたい!家庭の感染と予防」では、感染症や食中毒対策に役立つ情報を提供。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)