親友の定義は決まっていない。本誌が女性200人にアンケートで聞いてみたところ、多かった答えは「何でも話せる」だった。児童文学から時代小説まで、幅広いジャンルを描く小説家のあさのあつこさん(61才)に、親友について聞いた。男の子同士の友情を描いた『バッテリー』は累計1000万部のベストセラー。3児の母でもある。

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 私が親友と呼べるのは2人。1人は長女が中学生の時のママ友で、もう1人は大学時代の友人です。ママ友は出会って30年、大学の友人は40年以上になりますから、長いつきあいです。

 私にとっての親友とは、居心地のいい人です。一緒にいて、気持ちがいい。取り繕わなくていい。

 でも、ただふわふわしているだけではなくて、ぶつかって本音も言えます。ママ友とは、子供に関することでけんかしたことがあります。私の思いをぶつけたら、すぐに自分の非を認めて謝ってくれたんです。その時、この人はすごいなと思いました。それで仲直り。15年ほど前のできごとです。

 知人は知っている人ですよね。こちらの意思とは関係なくつきあう。ご近所や仕事のつきあいが含まれていると思うんです。一方、友人や親友は、「こちらからおつきあいしたい」「私が一緒にいたい」という自分の気持ちが入ってくると思うんです。その度合の強さで、友人と親友の線引きができると思います。

 だから、私は「自分がこの人は親友だ」と思ったら、その人は親友だと思っています。もしかしたら相手は自分を親友だと思っていないかもしれない。すれ違いがあって裏切られたということもあるかもしれないけど、それは当たり前のことのような気がします。

 いちばん大事なのは、自分がどう思っているのかなんです。相手にどう思われたいかを気にしてしまうと、いい関係性が築けないと思います。

 もちろん、「親友だよね?」なんて確認し合ったことはありません。人との関係に名称をつけて確認するのは、若い人の特権です。年を取ってからいちいち、その関係性に名前をつけて確認し合うことは、大人はやってはいけません。

※女性セブン2016年8月4日号