海外と日本の融合! 憧れフラワーアレンジメントの裏側を探る

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圧倒的な存在感で目をひく「Yukari Sato」のフラワーアレンジメント。日本の常識にとらわれない、大胆で斬新な色使いやデザインが人気です。

(Waltz)

フリル咲きのピンクのラナンキュラス、サーモンピンクのバラ、イエローグリーンのチューリップをぎゅっと詰め込み、ホワイト&グリーンのコデマリの流れるラインを生かして制作したという「Waltz」。飲食店の開店祝いに、春の明るくかわいい花たちをふんだんに盛り込んだ作品なんだそうです。お店に入った瞬間にハッと目に留まりますね。

どこか日本離れしているようなダイナミックなデザインが素敵……! 今回は、製作者のフラワーアーティスト・佐藤友香里さんにインタビュー。印象的な美しさを生み出すその理由を探ってきましたよ!

■バックパックで旅したヨーロッパで広がった視野



──佐藤さんのフラワーアートは、日本離れしていてとっても個性的ですよね。

「そうかもしれません。そもそも、お花を扱い始めたのは日本で生花を習ったからですが、パリやニューヨークでフラワーアレンジメントをしていたこともあります。これまで見たり触れたりしたさまざまなものを通して、感じたことを自分なりに活かしてデザインしているんです。

海外ではきっちりとした“型”を習得したわけじゃないので、だからこそ自由に作ることができるんだと思います」

──海外で活動をされていたのには、どんな経緯があったのでしょうか。

「小さいころからハイブランドのファッションショーを見るのが好きで、海外に憧れがあったんです。専門学校卒業後、そのまま学校に残り、アルバイトをしていましたが、生涯やりたい仕事というわけではなくて。『ずっと海外に行きたいのに、なんで行ってないんだろう?』と思い始めました。

それから貯金をして2カ月半、バックパッカーとしてヨーロッパをめぐったことで視野が広がったのがきっかけです」

■パリでのアシスタント募集を発見し、すぐさま応募してみた



──そのまま海外でフラワーアレンジメントを始められたのですか?

「いえ。海外に出てみて『もっと自分のできることを増やしたい』と思ったことから、帰国後、習い事を始めました。その中の1つが生花で。

2年ほど続けたころ『海外でフラワーアーティストとして活動している日本人っているのかな?』と、ふと思ったんです。インターネットで探してみたら、ちょうどパリで活動している方がアシスタント募集しているのを見つけました。

ブーケも束ねたことがなければ、フランス語もしゃべれない。でも行きたいという熱意をメールで伝えてみたら、すんなりOKが出ました」

──検索してメールをしてみる。たったそれだけの行動で人生が変わっちゃったんですね!

「そうですね。パリでは3カ月ほど、ホテルに通ってレストランやパブリックスペースのフラワーアレンジを作っていました。

その後、一旦帰国してから行ったニューヨークでは、飛び込みでお花屋さんやブランダルのアトリエに頼み込んで働かせてもらいましたよ。ニューヨークでも3カ月を過ごしました」

■独自の感性で印象に残るフラワーアレンジメントを創りたい


(The Secret Garden)

──日本の生花と、パリやニューヨークのフラワーアレンジメントには、どんな違いがあるのでしょうか。

「海外のフラワーアレンジは空間装飾のために生まれたので、建物や会場に合わせて作ります。空間の真ん中など全体から見える位置に置くので、360度の美しさが求められます。花を集合体として捉えているんです。

一方で、日本の生花は土間などの“間”に飾るものですよね。だから、一定の角度から美しく見えるように顔、そして後ろ姿を作るんです。花を個として見ているんですよね」

──日本と海外、それぞれのアレンジを自由に組み合わせて作っているんですね。

「これがパリ流で、これがニューヨーク流……という違いは、わたしには明確にはわかりません。だからこそ、型にはまらないフラワーアレンジを続けたい。そのために、常に感性を磨くことを続けています。映画や美術、本から刺激を受けることもあれば、旅に出てインスピレーションを受けることもあります。

ずっとお花が好きな人はもちろん、今まで興味がなかった人に『こんなお花見たことない!』って記憶に残してもらいたい。それがきっかけでお花が身近になるとうれしいです」

■ひとときの儚い美しさを共有。お花を贈ることは愛おしい


(El mode)

──どんなシーンで贈るお花が人気なのですか?

「バースデーやウエディング、開店祝いや店舗のディスプレイが多いですね。それから、舞台やライブのお祝いとか。

働く女性や主婦の方はもちろん、アパレルや美容関係、インテリア関連などクリエイティブなお仕事の方からのご依頼も多いです」

──お花をプレゼントするって素敵なことですよね。

「そうなんです。お花は生きていますよね。生き物を贈るってすごく愛おしいことだと思うんです。絶対に枯れてしまうものなんだけど、そのひとときの美しさを誰かに見せたいという気持ちってすごく素敵ですよね。

わたしは、贈るお花と同じお花を1輪だけ自分の手元に置いておくことをおすすめしているんです。少しずつ蕾が開いたり、枯れてしまったりする過程を、離れていても共有できる。相手のことをふと思い出せる。そういう感覚って、愛おしいなと思います」

日本で学んだ生花と、海外で培った自由な発想。それがオリジナリティ溢れるフラワーアートを生み出しているんですね。常に感性を磨き、愛おしさを込めて新しいデザインを創り続ける友香里さんのフラワーアレンジメント。大切な人に贈ってみてはいかがでしょうか。自分への1輪のプレゼントも忘れずに。

(かみむらゆい+ノオト)

<取材協力>Yukari Sato