『お客に言えないまさかのウラ事情』(〈秘〉情報取材班:編集/青春出版社)

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 多くの人が飛びつく商品やサービスには、真の意味でお客様本位の品質がよいものもあれば、利益重視のからくりでそれっぽく見せているだけのものもある。だから、得をするためには本当によいものを見極める目が必要だ。そこで、売れ筋商品や人気サービスの裏に潜むからくりを教えてくれる本『お客に言えないまさかのウラ事情』(〈秘〉情報取材班:編集/青春出版社)をご紹介したい。

言葉のイメージでだまされるな!

 スーパーなどで売られている食品の中には、一文字違いで中身に大きな差が出るものがある。例えば「焼肉セット」と「焼肉用セット」、「活魚」と「活〆魚」などがそれだ。焼肉セットと焼き肉用セットは、適当に付けられている場合があるから、どちらがどうという言い方はできないが、焼き肉用として売られている肉には生鮮品扱いになるものと加工品扱いになるものがある。味付けしてあって後は焼くだけの肉や、味付けされていなくても牛、豚が一緒にパックされているもの、カルビとロースが一緒にパックされているものなどは加工品、種類が単一で味付けがされていないものが生鮮品だ。生鮮品は産地を細かく表示する必要があるのに対して、加工品はその必要がない。刺身のサクと盛り合わせの関係と同じだ。

 これに対して「活魚」と「活〆魚」は明確な違いがある。どちらも新鮮そうに見えるが、活魚は生け簀などで生かしておいた魚で、すぐに調理しても品質的に問題がないように何日間も絶食させていることがある。また、天然ものではなく養殖の場合が多い。一方、活〆魚は、天然ものを釣り上げてすぐに〆て血抜き処理をしたものだ。新鮮さで比較すると明らかに活〆魚の方が新鮮だと言える。

高い服を買わせる意外な戦略

 高級ブティックの中には、買うつもりのなかった高い服を衝動買いしたい気分にさせる店がある。と言っても店員が巧みなトークで売り込むのではない。実はディスプレイの仕方に仕掛けがあった。人は高いところに飾られているものほど高価なものと判断する。逆に低い位置にあるものは安いと感じるのだ。その心理を利用して、高級ブティックでは、もともと値段の高い商品を高い位置に置き、上等なものと感じさせている。同じ値段でも低い位置にある商品より高いところにある商品の方が高級品と感じられるため、多少値段差があっても気にせず高い位置にある方を選んでしまうのだ。

衝動買いを誘う客動線のからくり

 スーパーで買い物をする人の約8割は店についてから買うものを決めている。そのため、スーパー側は買わせたいものを客動線上に分けて配置する。なるべく隅々まで店舗内を歩かせたいスーパー側は、通路の幅を手前と奥とで変えているのだが、それは、狭いと感じながら歩いているところで広い通路を見かけたらついそちらに行きたいという心理がはたらくからだ。お客は自分の意思で歩く通路を決めているつもりでも、実は店に誘導されているのかもしれない。

国産と書かれている貝でも実は海外産かも?

 アサリやシジミなどの貝の場合、実際に採れた場所が原産地として表示されるのが当たり前なのだが、韓国産や中国産の貝が国産と表示されていることがある。実は、輸入のアサリやシジミを一時的にでも日本の砂浜で養殖すれば国産と表示できるようになってしまうからだ。このからくりは貝だけでなくウナギなどでも行われている。「国産はやっぱりおいしい」などと言いながら、意外と外国産を口にしているのかもしれない。種類によって「国産」と表示できる範囲が異なることをきちんと理解して、書かれていることを鵜呑みにして珍重しすぎないことも大事だろう。

 この本には消費者としてあまり知りたくはなかったウラ事情もけっこう載っていたが、知らずにいることの方が怖い。知ってしまったからにはその手口に引っかからない賢い消費者になりたいものだ。

文=大石みずき