中国で最近注目されている言葉の1つに「匠の精神」を挙げることができるだろう。匠の精神とは「細部まで妥協せず、こだわる精神」といった意味で使用されており、一部の中国メディアは「匠の精神は過去の中国人も持っていた」と主張している。事実、中国の古代王朝の文物を見れば、同主張は正しいと言えよう。

 しかし現代の中国においては「匠の精神」を持つ企業はほとんど存在しないのではないだろうか。中国メディアの同花順財経はこのほど、匠の精神と言えばドイツが有名であり、質の高い製品を作る日本といえどもドイツを前にすればかなわないと主張する一方、中国は匠の精神の元祖でありながら、今では中国製と言えば粗悪なパクリ品というイメージが定着したと嘆いている。

 記事はまず、ドイツ製造業の歴史を振り返り、工業革命で先頭に立っていた英国に対し当時のドイツは模倣者だったと指摘、だがドイツは次々と新たな技術を開発し、模倣者という立場から脱したと紹介した。

 一方の中国製品は、「質が悪く野暮ったいパクリ」というイメージが定着していると嘆きつつも、「模倣やパクリを恐れる必要はない」と主張。理由はドイツも英国の模倣から始まったからだろう。そのうえで革新能力がない状態では「パクリこそが最大の革新」だと主張。中国の一部企業も模倣の段階から革新の段階へと移行し始めていると主張した。

 記事は「模倣やパクリを恐れる必要はない」と主張しているが、模倣される側はたまったものではない。特に中国の場合は法を無視した模倣が横行しており、こうした模倣し放題の環境こそ中国人同士で足を引っ張り合う悪性の競争をもたらしているのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)