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●様々な趣向が凝らされていたデジタルサイネージ関連
旅行業界のみならず、小売りや流通など様々な業界が"インバウンド"というフレーズに着目せずにはいられない状況を呈している。インバウンドに関連するサービスを一堂に集めたイベント「INBOUND JAPAN 2016(以降、インバウンド・ジャパン 2016)」が7月20日より東京ビッグサイトで開催された。会場には多くのビジネスパーソンが詰めかけ、最先端のソリューションに実際に手を触れて、その利便性を確かめながら品定めしていた。本稿では、各社のインバウンドソリューションを通して、最先端のICT(Information and Communications Technology)をレポートしていこう。

○様々な趣向が凝らされていたデジタルサイネージ関連

会場で数多く見かけたのは、今では店舗のみならず公共交通機関などでも多く見られるデジタルサイネージ関連のソリューションだった。単に店舗の情報を配信するだけではなく、スマートフォンとの連動が可能なものや、訪日外国人向けに多言語対応されたもの、なかには仮想空間上で試着をできるものなど、様々な方向性のソリューションが展示されていた。各社様々なアプローチでインバウンド商戦を取り込むべくアイデアを絞っていたが、単に広告や情報を提供するだけではなく、インタラクティブ性を持たせることやスマートフォンとの連携などが、やはり今後のトレンドになっていきそうだ。

●現場のニーズが非常に高いという免税対応レジも注目を集めていた
○現場のニーズが非常に高いという免税対応レジも注目を集めていた

話を伺えば、なるほど注目されていたのも頷ける納得のソリューションが免税対応のレジスターだ。そもそも免税店では、今まで外国人旅行者のパスポート情報や何を購入したか、支払金額等の情報を手書きで専用の用紙に記入していたそうだ。その手間を省き、業務を効率化してくれるソリューションであるが故に注目されていたというわけだ。各社様々なアプローチで効率化を提案していたが、今後は作業の効率化のみならず、POS等との連携などが期待できそうだ。

●「これは!」と感じさせられたソリューションをピックアップ
○「これは!」と感じさせられたソリューションをピックアップ

ここからは、イベント会場で筆者のアンテナに「ビビビッ!」と感じさせてくれたソリューションを紹介していこう。 まず紹介したいのが、"五感"をテーマに出展していた富士通ブースの「食のおもてなしチャーム」だ。食のグローバル化を実現したいと開発されているそれは、富士通社内外のメンバーらによって行われたハッカソン「FUJIHACK 2015」で誕生したアイデアなのだという。ユーザーがスマートデバイス上に専用アプリをインストールし、バーコードをカメラで読み込ませ注意すべき成分を表示、原材料やその商品の概要情報や口コミを表示してくれるというもの。昨今トレンドワードとして巷を賑わせている“ハラール”など、宗教上の理由によって食せない食べ物が一目瞭然になり、外国人が抱える食に対する不安を取り除いてくれるという。

続いては、アントラムブースで出展されていた「タッチカード」。特殊な印刷が施されたカードをスマートフォンの画面に触れさせることで、見せたいWebサイトをダイレクトに表示させるというもの。カードを収集するというコレクター魂を刺激しながら、ユーザーのニーズを満たすことができるソリューションは非常に面白いと感じさせてくれた。また、導入に関してもカードの制作、既存のWebサイトにカードを読み取るコードを埋め込むだけで良いと、導入までの障壁の低さは高いポイントとなるだろう。カードに対応したコンテンツ(Webサイト)を用意する、という一連の流れは、何も訪日外国人に限らず、我々日本人でもアイデア次第で面白い広がりを見せてくれるのではないかと期待してしまう。

○2020年に向け、インバウンド向けソリューションは今後も様々な進化を遂げる

さて、駆け足ではあるが、「インバウンド・ジャパン 2016」で注目に値するトピック、ソリューションを紹介してきた。各社ともに、訪日外国人が抱えている問題やニーズを的確に捉え、それに対応したものを投入してきていたが、「外国人をもてなす心」という本質が活かされたものばかりだったのではないだろうか。2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京五輪と国を挙げたビッグイベントが控えたなか、これからどのようなかたちでICTを活用したソリューションが世に登場するのか目が離せそうにない。

(渡部仁)