飯伏幸太

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プロレスラー・飯伏幸太。類まれなる身体能力と天才的プロレスセンス、そして甘いマスクにちょっと危なっかしい天然キャラで、プロレス女子から絶大な人気を誇る。そんな飯伏の自伝が、昨年10月、2冊同時に刊行された。タイトルは、『ゴールデン☆スター飯伏幸太 最強編』と、『ゴールデン☆スター飯伏幸太 最狂編』(ともに小学館集英社プロダクション)。

 なぜ2冊に分かれているかというと、ズバリ、1冊の本におさまる人ではないからだ。“最強”のレスラーとしての飯伏と、“最狂”な人間としての飯伏。「狂っている」と表現されることの多い飯伏だが、『最狂編』に書かれた幼少期からのエピソードは、女性ファンにとって踏み絵とも言える。これを読んでもなお、飯伏幸太を好きでいられるか……?

 “トンデモ”エピソードの数々から、「WWE入団」の噂の真相まで、赤裸々に話してくれた。

――2冊とも衝撃的な内容ですが、どちらのほうが実際のご自分に近いですか?

「どちらも自分なんですけど、『最強編』のほうは進行形だと思います。『最狂編』は過去の自分に近いです。『最強編』も、よく考えたら狂ってると思うんですよ。いまはこっち側の狂い方になってきているような気がしますね」

――いきなりピンクな話で恐縮ですが、好きな女性のタイプは“アレ”(笑)。

「いきなり来ましたね(笑)。いま34なんですが、これは28くらいまでですね。10代、20代前半は、“アレ”のみ、みたいな。それが少しずつ変わってきて、いまは性格だったり、そういう部分に変わってきました。まともになりましたね」

――クリーンでピュアなイメージが崩壊しました(笑)。『最狂編』を読んだ女性ファンは、ショックを受けた人も多いのでは?

「間違いなくそうだと思います。『ほとんど載せないから、全部喋ってくれ』と言われたのが、ほとんど載っていたっていう(笑)。多少、『えっ……』という部分はありましたけど、でもほぼ真実なので、しょうがないかなと」

――「3歳で万引きグループを組織」「4歳で竹やぶを全焼」というのは、ある意味イメージ通りというか、飯伏選手ならやっていそうな感があります。

「いまでも、そこははっきり覚えています。万引きは、2コ上に兄がいるんですけど、兄の幼稚園の友だちの間でミニ四駆が流行っていたんです。その電池が、すぐなくなるんですよ。電池を手に入れたい、でもお金がない、となったとき、『じゃあ、まかせろ』と。俺がやってやる、ということで」

――ただ万引きをするのではなく、人に対してなにかをやってあげたいという気持ちだった?

「ホントにそうです。万引きしたものを持っていくと、喜んでくれるんですよね。喜んでくれたり、『お前すげえな』という感じだったり。それが快感だったんです。すごいと思われることが、いまでも自分が一番、快感を得られるところです。これはまさにプロレスに繋がっていると思います。万引きとプロレスは繋がっています(笑)」

――竹やぶを全焼したというのは?

「4歳くらいのとき、家の近くの竹やぶに段ボールで自分の家を作っていたんですけど。蚊とかがすごく出るので、殺虫剤を使ったんです。でも全然死ななくて、ある日、ライターを持っていったんですけど、それでも死なない。それが、殺虫剤と火をミックスしたらすごいことになったんですよ。『すげえ!』ってなって、単純に目の前の炎に興奮していたんですけど、気がついたら竹やぶが燃えていて……。『これは死ぬ』と思ってダッシュで家に帰りました。そうしたら消防車の音が聞こえてきて、すぐ分かりました。絶対、オレだと(笑)」

――同じく4歳のとき、隣の家の中学生に、人形レスラー・ヨシヒコ的な“人形”との行為を見せられた……。

「もっと言うと、ヨシヒコを……試させられました」 ※以下、自粛。

――えええええええ!!! 4歳で成立するんですね(笑)。

「その人からは気絶ごっことか、いろんな悪いことを教わりましたね」

――飯伏選手の原点は“プロレスごっこ”だと言われますが、自宅の部屋で枕を相手にプロレスをやっていたんですよね。まさにヨシヒコ選手との戦いの原点ですね。

「枕とか布団とか。ヨシヒコに近いものではありますね。どちらかというと、技をかけるより、受けるほうをやっていました。最初はもちろん技をかけていたんですけど、技をかけるのはだれでも出来ることだと気づいて、受けるようになりました」

――わたしも家でやってみたんですけど、全然プロレスにはならないんですよね。どうやったら枕や人形の技を受けられるようになりますか?

「僕は“枕が自分を抱えている”という想像をしてやっていましたが、実際に人に投げられた経験がないと、ちょっと出来ない部分もありますね。こんな感じで投げられるんだ、というのが一回分からないと、人形に投げられる感覚はリンクしないかもしれないです。ヨシヒコだけを相手にやると、ヨシヒコだけの受けにしかならないというか」

――じゃあ、投げられてみます(笑)。

「プールとかふわふわのマットとか、そういうところで投げられる感覚を覚えれば、ヨシヒコでも出来るようになると思います」

――今年1月、所属していた新日本プロレスとDDT、2団体同時に退団されましたが、じつは引退しようとしていたそうで……。

「去年の11月、12月くらい。欠場中ですね。リセットしたかったんですよね、すべてを。プロレスを辞めたかったんじゃなくて、それまでのものをリセットして、新しいスタートをしたかったんです。新しいスタートをするには、リセットしないと自分は出来ないタイプなので。でも日々考えているうちに、あまりにもリスクが大きいなと思って、思い留まりました」

――いまはプロレスに気持ちが戻っている?

「そうですね、いまはプロレスを頑張っています」

――現在、米国WWEのクルーザー級クラシック・トーナメントにも出場中です。感触はいかがですか?

「アメリカの観客は自分のことを既に知ってくれていて、入場からかなり沸きました。『ついに来た!』みたいな感じでしたね」

――今日、2回戦を終えて帰国されたばかりですが、「WWEと入団契約をした」という噂が流れています。

「さっき言われたんですけど、そんな話はなにもしていないですね。毎回行くたびに、『そろそろ決めていいんじゃないか?』と詰められますけど、いまはそういう考えはまったくないので断っています」

――合意のサインをしたという噂は?

「してないです(笑)。してくれとは言われましたけど、確かに」

――プロレスをやる上で、いま一番モチベーションになっていることは?

「見ている人に喜んでもらうことです。たぶんこれをやったら沸くんじゃないかとか、そういうことばかり考えていますね。これは小さい頃から、万引きの頃から変わらないです。万引きと同じです(笑)」

――以前から、「プロレスを広めたい。そのためならなんだってやる」とおっしゃっていますが、いまもその気持ちは変わらないですか?

「はい、変わらないです。今回の映画主演(※公開中『大怪獣モノ』もその一つです。ただ、プロレスを広めるために出たんですけど、これはこれで、別件で面白いなと。喋るのはあんまり得意じゃないですけど、台詞を覚えて演技するということが、ちょっとだけプロレスと似ている部分があるというか。撮っている最中はそんなに思わないんですけど、出来上がったものを上映して、お客さんが喜んでくれたときに快感がありました。本当によかったな、またやってみたいなと思いました」

――今後の目標は?

「やり残していることがたくさんあるので、まずはそれを実現させたいです。新日本プロレスでは、IWGPヘビーはまだ獲っていないんですよ。ヘビー級には転向したんですけど、ベルトはまだ獲っていない。DDTだと、ここ最近、路上プロレスというのをあまり聞かなくなったんです。あれって、100人、200人規模でやっているんですけど、1万人、2万人とか、それくらいのレベルでやりたいです。そこから絶対、プロレスファンが増えると思うんですよ」

 飯伏幸太という人は、レスラーとしても人間としても、とてつもない魅力の持ち主。ダメっぷりを取り上げられがちだが、こんなにしっかりして、頭がいい人も稀だと感じる。そしてやはりハチャメチャな部分もあり、それもまた魅力の一つ。プロレスに興味がないという人も、ぜひ2冊の自伝を読んで、飯伏ワールドにどっぷり浸かってほしい。飯伏幸太を知ったら、だれもがプロレスを好きにならずにはいられないはずだ。

取材・文=尾崎ムギ子 撮影・今井裕治

■映画『大怪獣モノ』

ヒューマントラストシネマ渋谷ほか、7月16日より全国順次ロードショー。

■映画「大怪獣モノ」公開記念『飯伏自伝本』特典

対象店舗で飯伏自伝本『ゴールデン☆スター飯伏幸太 最強編』『ゴールデン☆スター飯伏幸太 最狂編』を購入すると、「映画のオフショット生写真」を1冊につき1枚プレゼント。

※劇場・店舗により数に限りがありますのでご了承ください。

※劇場・店舗により販売時期が異なりますのでご注意ください。