マレーシアとシンガポールの両政府が19日、両国を結ぶ高速鉄道の建設に向けて覚書を交わしたことに対し、中国メディアの環球網は「1年以内に入札が行われる見通し」と伝えつつ、同高速鉄道の建設をめぐる受注競争も幕を開けることになると伝えた。(イメージ写真提供:(C)Jaroonrat Vitoosuwan/123RF.COM)

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 マレーシアとシンガポールの両政府が19日、両国を結ぶ高速鉄道の建設に向けて覚書を交わしたことに対し、中国メディアの環球網は「1年以内に入札が行われる見通し」と伝えつつ、同高速鉄道の建設をめぐる受注競争も幕を開けることになると伝えた。

 記事は、マレーシアのクアラルンプールとシンガポールを結ぶ高速鉄道は両国は16年末に正式に契約に調印する見通しだと伝え、「2年後に建設が始まり、2026年に開業の見通し」紹介。完成すれば両国間の移動時間は従来の5時間から90分に短縮されることになると伝えた。

 続けて、入札はまだ始まっていないが、前哨戦はすでに始まっているとし、日本や中国が相次いで政府高官をマレーシアやシンガポールに派遣し、積極的な売り込みを行っていると紹介。また、日中だけでなく、フランスやドイツの企業も入札に参加する可能性を指摘し、「世界の高速鉄道関連企業が一堂に会する入札になる」との見方もあると紹介する一方で、マレーシアやシンガポールの現地メディアは「中国が優勢」と分析していると主張した。

 また記事は、日本はインドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画で中国に敗れたことから、「今回の計画での巻き返しを狙っている」と主張。「コストや資金面での支援では中国に敵わない」としながらも、日本には安全で高品質な高速鉄道システムがあるとの声を紹介し、日本による「官民一体」の売り込みに対して警戒感を示した。

 ジャワ島の高速鉄道を受注したことで自信を深めたのか、中国ではマレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道計画についても「受注は十分可能」と楽観的に伝える報道が多く見られる。中国高速鉄道の建設コストが安いのは事実かもしれないが、ジャワ島の高速鉄道は段取り不足によって建設が思うように進んでいないとの報道も多い。高速鉄道は受注、建設することだけが目的ではなく、その後の現地の経済発展に貢献することが目的であり、その意味では新幹線のほうが豊富な経験と強みがあると言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Jaroonrat Vitoosuwan/123RF.COM)