失敗作、だけど傑作な、ヘンな写真たち

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数々の失敗を詰め込んだ本『Fail it!』を発表したアートディレクターのエリック・ケッセルス。彼の本は、完璧ではない自分を受け入れるところから始まることがあると教えてくれている。

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Instagram』には「完璧な写真」が溢れかえっている。ラテと朝食のアート風ショットは食べるにはもったいないくらいだし、美しい夕日のパノラマ写真には過剰なほど〈#authentic〉というハッシュタグの付いた自撮り写真。もう、おなかいっぱいだ。

アートディレクターのエリック・ケッセルスは、これは「とてつもない失敗作」の時代と考えているのだが、こう考えた。むしろ「成功した『大失敗』」と呼べばいいのではないか、と。

彼の最新著作の『Fail it!』は、100以上もの失敗の数々にフォーカスをあてている。彼はその30年以上のキャリアを通して、「完璧ではないこと」を人々が受け入れたなら世界はよりよくなっていくと考えるようになったと語る。

「社会においてはミスを避けるように教えられますが、クリエイティヴな人やイノヴェイターにはミスが必須科目なのです」と語る。

ケッセルスの本には、ポーズをとらない写真やぎこちない写真、不思議な写真を撮るファインアートの写真家たちの画像が掲載されている。

マット・スチュアートが撮影した五番街の写真では、影がそうとは知らない警備員に滑稽な口ひげを描き出している(ギャラリー#2)。アンドリエ・ティーセンの写真では、球状の歩道バリケードが自動車の車輪と重なりあっている(ギャラリー#4)。

本にはあえて安っぽいタイトルがつけられている。『Fail it!』というそのタイトルは、数年前にシリコンヴァレーTED、それにマルコム・グラッドウェルの記事などによって席巻した「Fail Better(より上手に失敗する)」ブームを思い起こさせる。

これまで積み重なられた歴史やこのケッセルスの本には、ブレークスルーにつながる「失敗」が詰まっているといっていい(偶然にもペースメーカーを発明した科学者のように)。たとえ、いまあなたの眼鏡を這っている虫でさえも、なにか成功へと導く種かもしれないのだ。

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