■連載/石黒謙吾のLOVEビール
〜語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話〜

 ビールが好き、もっと知りたい&楽しみたい。でも、マニア向けのものは結構、とは言っても当たり前の話は知ってる。そんな、粋でイケてるビールファンに贈る、なんでもありの読み物です。語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話をお楽しみください。


 先日、本連載担当ザッキーからビール情報メールが送られて来た。中身はこう。

クラフトビール史上初!酒造メーカー3社が道コンセプトのもと新商品を発表!「この街を奏でる、音楽のようなビール。」プロジェクト始動!

 添付の画像を見れば、センスのいいデザインのボトルが4本。ネーミングにそれぞれ地名と音楽のジャンルが入ってる。「TOKYO BLUES」「OSAKA BAY BLUES」「KYOTO CLASSIC」なるほど、明快な「見立て」のコンセプト。

クラフトビールの三都物語“音楽見立て”の味はハイレベル!

 ちなみに、僕はビールと同じぐらい音楽も好き。かなりの雑食性で、ロック、レゲエ、スカ、ラテン、ジャズ、クラシック、昭和歌謡、昭和フォーク、ハワイアン等ワールドミュージックetc.幅広く聴く。もちろんビールを飲みながらが最高! いつもこの連載用に撮ってる写真は、B&Wのトールボーイスピーカーの上です(笑)。

クラフトビールの三都物語“音楽見立て”の味はハイレベル!

 東京は都会的にブルース。大阪は、上田正樹イメージか、大阪ベイ・ブルース。京都は古い街並みっぽくクラシック。ちなみに、上田正樹古くてわからないかなと、これ。

上田正樹オフィシャルサイト

 で、各ブルワリーは、東京が石川酒造。大阪は小西酒造(会社自体は兵庫県)、京都は黄桜。この3社の名前で共通点にピンとくるだろう。そう、もともと日本酒を作っていたメーカーだ。

 僕がごく普通のビール好きから一歩踏み込んでいったのが30歳過ぎで、1990年以降。ちょうど<第一次クラフトビールブーム>の頃だった。当時は<地ビール>と呼ばれていたし、つい5年前あたりまでその言い方が一般的には主流だった。いまや隔世の感があるけど。

 その日本の<クラフトビール>黎明期に、業界を牽引していったのが、全国各地にある日本酒の蔵元だった。醸造法、設備、お酒に絡む税法の問題なども、あらゆる面で、ビール製造に参入しやすかったということで、考えてみたら自然な流れだ。

 しかし、地ビールは、まだまだメジャー系ビール一色の状況において、流通性、値段の高さなどなど、ビジネスとしてなかなか成立しにくく、各メーカーは大苦戦。地ビールから撤退する蔵元も相次いだ。
 
 そんな、荒波に揉まれながらクラフトビール界でしぶとく生き残ったり、新たに参入したりするメーカーには、<おいしいこだわりのビールをつくっていきたい>という理念に対しておおいにリスペクトする。そんな思いを込めて、では、4銘柄のインプレションによもやま話も織り交ぜて。

 <地ビール>と呼ばれていた頃、好きになったビールのひとつがこれ。

TOKYO BLUES セッションエール
■TOKYO BLUES セッションエール
(石川酒造 度数4.5% 330ml)

しぶとく苦さが残るのが<苦党>にはたまらない。苦味の単位、IBUは27と驚くほどではないが、数値より強く感じる。舌の裏にまとわりつくような、でもシャキッとした勢いある苦さは、レイトホッピングの賜物か。食べ物と合わせると苦味が弱まるので、ビールオンリーをオススメする。泡立ちはかなりいい。
★女性タレント見立ては、波瑠

TOKYO BLUES ゴールデンエール
■TOKYO BLUES ゴールデンエール
(石川酒造 度数6.5% 330ml)

ゴールデンという名前から想像できないような(笑)、かなりの白濁。甘いけど、ホップはぬかりなくガツンとくる。とろみを感じる飲み口で旨みがたっぷり。木の実っぽい香りや、クルミ的な味もそこはかとなく。オリジナリティ溢れる、ひとひねり入れたゴールデンエール。
★女性タレント見立ては、北川景子

日本にベルギービールを広めたおおいなる功労者は、小西酒造の小西新太郎社長。1998年からベルギービールの輸入を始めている。僕もベルギービールにハマリ始めた頃、兵庫本社のベルギービール展示?紹介?コーナー展示?に行ったなあ。その小西酒造からはこれ。

OSAKA BAY BLUES ベルジャンホワイト
■OSAKA BAY BLUES ベルジャンホワイト
(小西酒造 度数5% 330ml)

色のイメージより重めで、一口で言うと、「重いホワイト!」。濁った濃い白金は、珍しい色のビール。ボディはミディアム。スパイシーで、ふくよか。抑えめながら苦味もしっかりある。ややこしい表現だけど、甘味が香ばしい!なめらかな舌ざわりで、高級感のあるホワイトだ。これもオリジナリティ豊かで、ハイレベルに工夫があるすばらしいビール。日本酒の製法と関わりがあるのか? そして、さすが<ベルギービールの小西酒造>! どんな料理でも合いそう
★女性タレント見立ては、竹内結子

カッパ黄桜のCMでおなじみ、黄桜は、大正時代創業、京都の蔵元。京都初の<地ビール>はここから。ということで、このKYOTO CLASSICには、京都の酒造好適米「祝」と、伏見の名水「伏水」を使っているとのこと。

KYOTO CLASSIC レッドエール
■KYOTO CLASSIC レッドエール
(黄桜 度数5% 330ml)

まったりまろやかなチョコフレーバーが立っている。甘味ががつんときて、苦味もそこそこ、それぞれ強くあとを引くのが大人っぽい印象。酸味もほのかにあって巧みにマッチングされている。色はかなり濁った濃いレッドブラウン。攻めのビール! だ。ピザのトマトソースにはもちろん合ったし、強いので鯛の昆布〆にもいったらかなりいけた。
★女性タレント見立ては、井川遥

★今日のビール川柳★
日本酒の 魂携え 良きビール

文・写真/石黒謙吾(いしぐろ・けんご)

著述家・編集者・分類王。日本ビアジャーナリスト協会・副会長、日本ベルギービールプロフェッショナル協会・理事。映画化されたベストセラー『盲導犬クイールの一生』はじめ、『2択思考』『図解でユカイ』『ダジャレヌーヴォー』『エア新書』『分類脳で地アタマが良くなる』『ベルギービール大全』など幅広いジャンルで著書多数。プロデュース・編集した書籍も、ベストセラー『ジワジワ来る○○』(片岡K)、『ナガオカケンメイの考え』、『負け美女』(犬山紙子)、『読む餃子』(パラダイス山元)など200冊以上。twitter: @ishiguro_kengo、facebook:石黒謙吾、blog:イシブログケンゴ

■連載/石黒謙吾のLOVEビール
〜語ってもウザくならない、スマートでコクのあるビールの話〜