日本の家電業界の不振がしばしば報じられるが、その都度中国国内のメディアやネット言論は「日本の製造業は衰退した」との論調を展開する。しかし一方で「中国の製造業はまだまだ日本に大きく後れを取っている」という主張もあるのだ。経済モデルの転換が進められている中国の製造業が現在抱える問題や課題は、どこにあるのだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本の家電業界の不振がしばしば報じられるが、その都度中国国内のメディアやネット言論は「日本の製造業は衰退した」との論調を展開する。しかし一方で「中国製造業はまだまだ日本に大きく後れを取っている」という主張もあるのだ。経済モデルの転換が進められている中国製造業が現在抱える問題や課題は、どこにあるのだろうか。

 中国メディア・世界経理人は21日、「中国製造業は日本と30-50年の差がある 中国企業最大の問題はリーダーシップの欠如か」と題した記事を掲載した。記事はまず、中国企業が現在直面している問題として、「情報時代における新たな技術革命」、「インターネット」、「社会における種々の衝突など、経済発展の新たな状況」の3点を挙げた。

 また、中国企業は基礎部分の充実、細かく効果的、合理的な管理といった点をあまり重視していないと指摘。その背景には「農業文明ゆえに随意性が大きい」点があるとし、戦略的思考や想像力には問題がないものの、具体的な細かい部分で問題があると解説した。

 さらに、「中国と日本の差は30-50年開いている」とし、その差が「インフラからソフトウェア、従業員の技能、さらにはエンジニアリングに至るまで、システムの問題にあるのだ」と説明。結局のところは企業トップのリーダーシップに問題があり、「価値観に問題がなければリーダーシップは出てくる。価値観に問題があれば、リーダーシップは出てこないのだ」と論じた。

 技術力の強化も、健全な経営体制も、周到にかつ厳格に設けられた管理体制が大きく貢献していることは間違いない。「まあこんなものでいいだろう」という精神が時として成長や発展を阻む。今後企業のトップが「お金儲け」の他にどんな理念やビジョンを持っていて、どう実現させようとしているのかを明確にできるかが、日本の製造業との差を縮めるための大きな要素をなりそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)