この30年の間、各社から様々なクルマが登場し、毎年新しいトレンドを生み出してきた。カテゴリーごとにそのトレンドの変遷を振り返ってみよう。

《セダン&2BOX》世相とともに歩んだ日本のセダン

 80年代後半は爛魯ぅ謄瓩了代だったが、クルマの世界でもハイテクが流行。ツインカム、4バルブエンジン、4WD、4WSなどの技術が次々と実用化され、それらを搭載したセダンが登場。当時のモーターショーでも、こうしたハイテク技術満載のコンセプトカーが多数登場したが、実用化されたものは少なかった。その理由は直後にやってきたバブル崩壊にあった。

 90年代に入り、バブル経済は崩壊したものの、自動車業界は逆行。トヨタ『セルシオ』、日産『インフィニティ』『シーマ』と相次いで高級セダンが登場。高級車の市場が拡大した。一方で、トヨタがハイブリッドの『プリウス』を発売。エコカーの時代が幕を開けた。

 00年代はエコ&コンパクトカーの時代。各社、クルマ造りを一から見直しを進める。スズキは2代目の『スイフト』でこれに成功。10年代に入ると、ハイブリッドのほか、電気自動車(EV)やクリーンディーゼル、燃料電池車も登場。エンジン多様化の時代に突入した。

【'80】4WDのセダンが全盛期を迎える

ツインカム、4バルブエンジン、4WD、4WSなどの技術が次々と実用化された時代。

三菱『ギャラン VR-4』
三菱『ギャラン VR-4』

【'90】高級車ブーム。欧州車も人気に

『セルシオ』以外にも、日産『インフィニティ』『シーマ』と相次いで高級車が登場。市場が一気に拡大した。

トヨタ『セルシオ』
トヨタ『セルシオ』

【'00】走りのよいコンパクトカーが続々

トヨタ『プリウス』を皮切りにエコ&コンパクトカーの時代へ突入。各社、クルマ造りを見直し。

スズキ『スイフト』
スズキ『スイフト』

【'10】EV、PHEV、ディーゼル、エンジンの多様化

10年後、20年後を見据えて、次世代エンジンの主導権争いが始まる。燃料電池車も登場。

日産『リーフ』
日産『リーフ』

《スポーツ》30年でスポーツカーの市場は徐々に縮小

 60年代後半から80年代にかけて日本の自動車メーカーはスポーツカーの開発に熱心だった。オイルショックで、その流れはいったん途絶えたが、80年代後半にはオープンカーが大流行。それも大衆車のマツダ『ファミリア』からトヨタ『セリカ』まで多岐にわたっていた。そして80年代最後の年に『NSX』『GT︱R』『ロードスター』といった名車が登場。90年代は逆輸入スポーツカーの人気が沸騰した。後半は『フェアレディZ』『MR2』『GTO』が登場しリアルスポーツカーの時代に突入した。

 00年代に入ると『スカイラインGT︱R』『S2000』『RX︱8』などスポーティーさを増していく。09年にはレクサスから『LFA』という3750万円のスポーツカーも登場した。

 ところが10年代に入るとスポーツカー市場は縮小傾向に。軽の『コペン』に続き『S660』や4代目『ロードスター』が登場したものの、手頃に乗れるスポーツカーがない状態に。逆に、輸入車勢がこのカテゴリーでシェアを広げている。

【'80】オープンカーの全盛期

メーカーの開発も盛んに行なわれていた時代。大衆車までカブリオレが大流行した。

マツダ『RX-7カブリオレ』
マツダ『RX-7カブリオレ』

【'90】逆輸入スポーツカーの人気沸騰

海外で開発されたスーパースポーツが続々登場。『GTO』『イクリプス』なども人気だった。

三菱『イクリプス』
三菱『イクリプス』

【'00】リアルスポーツの時代

スポーツ性能を追求したリアルマシンが続々登場。どれもハイパワーがウリだった。

日産『GT-R』
日産『GT-R』

【'10】コンパクトな2シーターが人気

国内メーカーがスポーツカーの減産傾向にある中、輸入車勢が続々と新モデルを投入。

マツダ『ロードスター』
マツダ『ロードスター』

《SUV》形を変えエンジンを変え、拡大するSUV市場

 SUVというカテゴリーが日本で定着したのは、90年代の終わり頃。それまではクロスカントリー4WD、通称クロカンと呼ばれていた。80年代は三菱『パジェロ』の独壇場だったが、ジープ『チェロキー』も人気に。当時、この手のクルマを造っていなかったホンダがジープ社と提携して販売していた。その後、ホンダは、提携したランドローバーから『ディスカバリー』を『クロスロード』という名で販売。クロカンの普及に貢献した。

 90年代はクロカン4WDとSUVが混在。前者はトラックなど商用車のシャーシを用いたスパルタン系で、後者は乗用車やワゴンからの流れを汲むモデルが中心だった。

 00年代に入ると、エンジンもV6、3Lなど乗用車ベースのモデルが増え、悪路の走破性よりオンロードを重視する傾向が強くなる。その流れで2WDのSUVも登場した。

 10年代はディーゼル車が人気に。輸入車が先鞭をつけると、マツダが独自の技術で新ディーゼルを開発し、大ヒットした。

【'80】パートタイム4WDの時代

SUVがまだ、クロスカントリー4WD、通称クロカンと呼ばれていた時代。種類も少なかった。

ジープ『チェロキー』
ジープ『チェロキー』

【'90】クロカン4WDとSUVが混在

トラックなど商用車をベースにしたクロカン4WDと、乗用車やワゴンからの流れを汲むSUVが混在。

トヨタ『ハイラックス サーフ』
トヨタ『ハイラックス サーフ』

【'00】街乗りを意識したSUVの台頭

街乗り用のSUVが伸び始める。オンロードの走行性能を重視する傾向が強まっていく。

日産『エクストレイル』
日産『エクストレイル』

【'10】ディーゼルエンジンの復活

輸入車勢とマツダが次世代のクリーンディーゼルエンジンで一気に市場を開拓。

マツダ『CX-5』
マツダ『CX-5』

《ミニバン》日本独自の進化を遂げ、一大カテゴリーに

 アメリカが発祥のミニバンは、80年代当時の日本では、まだ1BOXカーが主流だった。商用バンベースでスタートしたが、V6エンジンを搭載するなど、乗用車化の動きはあった。

 90年代に入り、ホンダ『オデッセイ』が大ヒットしたことで、本格的なミニバン時代に突入。乗用車ベースのシャーシと短いボンネットが特徴的で輸入車勢も参入。高級セダンに代わり今もミニバン全盛期が続いている。

【'80】当時のディーゼルエンジンを搭載した1BOXが人気だった。

日産『キャラバンGT2700D』
日産『キャラバンGT2700D』

【'90】7人乗り、3列シートのミニバンがブームを築く。

ホンダ『オデッセイ』
ホンダ『オデッセイ』

【'00】5ナンバーサイズのミニバンが続々登場。

ホンダ『ステップワゴン』
ホンダ『ステップワゴン』

【'10】ラグジュアリーな装備を搭載した高級ミニバンの全盛期。

トヨタ『アルファード』
トヨタ『アルファード』

《軽自動車》軽自動車は世界に誇るガラパゴス市場

 日本独自の規格として存在している軽自動車だが、80年代はスポーティーなモデルが中心だった。ダイハツには2ドアクーペ『リーザ』というモデルもあった。90年代は全高が上がり、ユーティリティー重視の時代に。

 00年代はさらに実用性の追求に拍車がかかり、大人が車内をかがんで移動できるほどに。

 10年代はホンダが『NBOX』や『S660』で個性的なクルマ造りで人気を集めている。

【'80】スポーティーな走りがウリの軽自動車が人気に。

スズキ『アルトワークス』
スズキ『アルトワークス』

【'90】背が高くてワイドな軽自動車が登場し、大ヒット。

スズキ『ワゴンR』
スズキ『ワゴンR』

【'00】規格サイズぎりぎりの、実用性を重視したモデルが人気に。

ダイハツ『タント』
ダイハツ『タント』

【'10】若者の人気が高まり、よりスタイリッシュに進化。

ホンダ『NBOX+』
ホンダ『NBOX+』

 文/編集部