中国経済の成長鈍化に伴い、中国国内でも経済のハードランディングの可能性について議論が行われるようになった。中国政府の関係者などは「ハードランディングはありえない」との見方を示しているが、中国メディアの和訊網は19日、中国経済がかつての日本経済と同じようにハードランディングを迎える可能性について論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国経済の成長鈍化に伴い、中国国内でも経済のハードランディングの可能性について議論が行われるようになった。中国政府の関係者などは「ハードランディングはありえない」との見方を示しているが、中国メディアの和訊網は19日、中国経済がかつての日本経済と同じようにハードランディングを迎える可能性について論じる記事を掲載した。

 記事はまず、中国経済のハードランディングの可能性について、中国国内でも見方が大きく分かれていることを紹介。「中国は日本に比べて各産業の生産能力削減を速やかに実行することができ、倒産させるべき企業もいざとなれば実体経済に悪影響を及ぼす前に淘汰させることが可能」との見方があることを紹介した。確かに中国経済は市場経済化が進んだとは言え、今なお中国政府の強い関与があり、政府の制御のもとで各種問題を強制的に処理することは可能だろう。

 一方で、「中国経済が取り組まなければならない課題は日本と同じではないうえに、より厳しい挑戦となる」との見方もあると紹介。例えば日本はほぼ単一民族かつ単一社会であり、成熟した社会のセーフティーネットや硬直的ではない政治構造を有しているとしながらも、中国の多元文化や融通がきかない管理体制は日本には及ばないと指摘し、ハードランディングを回避するために国が一丸となって団結することは難しいとの見方を示した。

 記事は中国と日本には共通点もあるが大きく異なる点もあると指摘、日本の失敗から学ぶのは良いが「参考にする程度にとどめておく」べきであり、中国は独特の国情に合った政策によって問題に取り組まなければならないと結論づけた。

 現在の中国は過去の日本と同じ道を歩んでいるとする見方は多い。高度経済成長や工業化による環境汚染などもそうだろう。日本が公害問題にどのように対処したかという点は、中国にとって計り知れない価値のある手本だ。しかし記事が指摘しているように、中国と日本とは大きく異なる点もある。例えばバブル崩壊以前、日本企業はすでに世界に通用する数々の企業や製品を創出することに成功していた。日本企業のこうした実績や経験は、バブル崩壊後もたゆまず研究開発に投資する姿勢を堅持する財産になった。

 しかし中国には世界に通用する製品や企業はまだ少ないのが現実だ。仮にいま中国にハードランディングが生じれば、それが中国製造業の成長に与えるダメージは1990年代当時にバブル崩壊が日本に与えたダメージをはるかに超えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)