日本政府は現在、「ヘリコプターによる紙幣のばらまき」を政策の選択の一つと考えているのかもしれない。資料写真。

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日本政府は現在、「ヘリコプターによる紙幣のばらまき」を政策の選択の一つと考えているのかもしれない。安倍晋三首相が少し前に米連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長と会談した際、バーナンキ議長は、「さまざまな金融緩和ツールを選択肢として提供することは可能だ」と述べたが、実際には日本の「ヘリコプターばらまき」政策はアベノミクスの傷口に塩を塗るようなものだ。証券時報が伝えた。

安倍首相は2012年末に再登壇すると、ただちに3本の矢に基づく経済政策アベノミクスの一連の急進的な経済活性化政策を打ち出した。さらに15年9月には新3本の矢を打ち出した。現在、アベノミクスの2本の矢が放たれて3年になる。放たれた当初、企業業績は好転し、失業率は低下し、物価も上昇した。だが一方で、実質賃金は低下し、個人消費は振るわず、経済の低迷ぶりがますます深刻になった。

そして日本の歴史的実践が証明するように、経済活性化政策は実施された時間が長くなればなるほど、効果が減少するのが常だ。日本は経済活性化政策をうち出して20年あまりになるが、年平均経済成長率は1.1%にとどまる。安倍首相はアベノミクスが雇用を増やし、賃金を引き上げたなどと政策の効果を盛んに吹聴するが、日本メディアが紹介する公式の経済データをみると、実際の情況はよいものではない。

民間のシンクタンク・日本総合研究所の試算によると、税金と社会保障費用を除いた日本の世帯収入における可処分所得はアベノミクス実施前の12年とほとんど変わっていない。3本の矢の効果が思わしくない中、新3本の矢が貧弱で弱々しいものになるのは致し方ない。より深刻なこととして、長期にわたる経済活性化政策は、日本経済の今後の発展に巨額の財政赤字と膨大な債務負担という潜在的な危機をもたらしたことが挙げられる。

現在、アベノミクスは袋小路に入っているが、安倍首相は諦めていない。サブプライム問題の頃の米国に習って、「ヘリコプターばらまき」政策を選択することも考えているが、こうした1回だけしか使用できない政策を使用するにしても、日本銀行(中央銀行)が購入した日本国債を半永久的に保有するにしても、安倍首相が3本の矢の選択で本末転倒の誤りを犯したことは間違いない。

▽構造改革が重要
実際、市場が本当に関心を抱いているのは、安倍首相が精力を傾けてうち出した3本目の矢「構造改革」だ。日本の専門家のほとんどが、日本経済の構造改革こそアベノミクスで最も重要な部分だとの見方を示す。伝統的な日本の企業制度の特徴は、資本を中心とした独占的な企業グループによって形成されたさまざまなタイプの大中企業のグループと中小企業が共存する産業構造にある。国際的な産業の分業が進む大きな流れの中、日本も大規模な国際資本移動と産業の海外移転を進めているが、真の多国籍企業や多国籍企業グループはいまだに生まれていない。

改革と発展にともない、日本人がかつて誇りを抱いていた「日本型経営モデル」、たとえばかつての終身雇用制度や年功序列制度が徐々に姿を消している。さらにここ数年の日本の国内市場の縮小、アジアのほかの国や地域との競争の激化を受けて、日本企業の再編・改革にかかる圧力が増大を続けている。現在の企業再編は大量のリストラをもたらし、日本企業に深刻なコストの負担を強いている。また欧州債務危機が欧州で事業を展開する日本企業を深刻な問題に直面させている。欧州市場が悪化すると、こうした日本企業は欧州事業を部分的に放棄することを考えざるを得なくなる。このたびの英国の欧州連合(EU)離脱の決定により、日本経済もさらなる衰退に落ち込んでいる。日本の多国籍企業の相当数がロンドンに本部を置いているためで、国民投票でEU離脱が決定した後、こうした企業は本部を移転させざるを得なくなり、非常に大きな損失を被ることが予想される。