新『ゴーストバスターズ』を「救った」女優、ケイト・マッキノン

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女だらけの「ゴーストバスターズ」で気を吐く女優が一人いる。評判さまざまな映画『ゴーストバスターズ』は、彼女ケイト・マッキノンを観に行くだけでも価値がある。

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映画『ゴーストバスターズ』を観に行くべき理由はたくさんある。女性のことを、あるいは上質のコメディを支持するから、という理由でもいいし、はたまた「Pokémon GO」(ポケモンGO)以外なら何でもいい、でもいい。ただ、大事な理由がひとつだけあって、それは、この映画を観ることでケイト・マッキノン人気の証人になれる、ということだ。

さまざまなレヴューは置いておいて、マッキノンのくるくる変わる表情やダンスは、ゴーストバスターズならではの魅力を殺していない。彼女の頭の中で何が起こっているのかはとても理解できないが、共演者にアドリブをかましたり、デバージ(DeBarge、サントラには彼らによる名曲が収録されている)にあわせて踊っているときの彼女の顔や体の動きが、もしもとっさの思いつきだとしたら、彼女は地球一の「天然」かもしれない。

映画には、ほかにも3人の愉快な立て役者たちが登場する。メリッサ・マッカーシー、クリスティン・ウィグ、そしてレスリー・ジョンズだ。彼女たちは観客の期待通りの演技をしてくれている。

マッキノンが演じるのは、ジリアン・ホルツマンという狂った科学者だ。極度の変人にして、愛にあふれた人物だ。ゴーストバスターズには泣けるシーンはないけれど、マッキノンによるほぼ一人芝居のシーンは、劇中唯一、ほんとうに心動かされる。

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IMAGE COURTESY OF COLUMBIA PICTURES

彼女のスタイルは、ジャズのようだ。ほとんど即興でやっているのだろうし、単調でなければメロディーをたどっているわけでもない。あるときは指をクモのようにしてマッカーシーの肩をくすぐり、あるときはゴーストがウィグに浴びせたゲロを見ながらプリングルスを食べている(彼女はそれを「しょっぱい放物線」と呼んでいた)。こうしたシーンはほとんど意味をなさないけれど、映画が終わってみるとその美しさに気がつく。そして、それらすべてのもつニュアンスがわかるまで、何度でも反すうできることだろう。

最も印象的なのは、マッキノンには資料とすべきものはごく少数しかなかったにもかかわらず、彼女がこの演技をやりとげたことだ。ホルツマンというキャラクターは事実上「エゴン・スペングラー博士」(前作にも登場した5人のうちの1人)で、クレイジーで奇妙なガジェットをつくる役割だ。また、彼女は劇中で仲間たちに言い寄ったりもするのだが(これはオリジナルにはもともとなかった要素だ)、これによって同性愛者たちの「joie de vivre」(生きる喜び)が表現されている(マッキノンは自身レズビアンであることを公言している)。

つい先日、マッキノンは「サタデー・ナイト・ライブ」によってエミー賞にノミネートされた。彼女がノミネートされるのはこれが3度目だ。そして、もしこの世に正義があるのなら、今年こそは受賞できるだろう。といっても、彼女以前の同番組OBたちのように、マッキノンも将来、より多くの映画に出るだろう。そしてゴーストバスターズが、そのひとつだ。

※ 映画『ゴーストバスターズ』の日本公開は、8月19日(金)。8月11日(木・祝)〜14日(日)に先行公開。